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初期練習作(短編)

魔術師と村人たち

 昔むかし、とある村に1人の魔術師が住んでいました。

彼は村人のために高い所の木の実を魔法で取ったり、火を操って野獣を追い払ったりして暮らしていました。村人たちもこの魔術師をとても頼りにしていました。


 ある日村に原因不明の疫病が発生しました。たくさんの村人が感染しましたが、魔術師にはどう頑張っても治すことができませんでした。この疫病は遠くの悪い魔法使いの術がもたらしたもので、魔術師にはそれを打ち消すことができなかったのです。

 たくさんの村人が死にました。魔術師は村人から非難され、とうとう子どもを失った一部の村人によって殺されてしまいました。


 魔術師が死んでしばらく経ちました。村の周りに小さく可憐な花が咲くようになりました。村人たちはあまり気に留めませんでした。

 しかし疫病がまた村を襲った時、村人の誰かが、この花の近くに行くと症状が軽くなることを発見しました。村人たちはこの花を、死んだ魔術師なのではないかと噂しました。

 ある日花を食べる黒い甲虫が大量発生しました。村人たちは黒い甲虫を全て殺しました。実はこの甲虫こそが死んだ魔術師だったのですが、村人たちには分かりませんでした。

 花は村人に大切にされ、どんどん増えていきました。いつしかこの花は幸運のシンボルとされ、窓辺に飾られたり、空き地に植えられたり、恋人に贈られたりしました。村は咲いた花でいっぱいに満ちました。


 しばらくすると、この花の花粉による病気が蔓延するようになりました。村人たちには花が原因だと分かりませんでした。たくさんの村人と、なんと悪い魔法使いまでもが死んでしまいました。

 この花は作用が強く、花粉を吸い続けると症状が出るのです。治すには花を全て無くせば良いのですが、幸運のシンボルとされる花を疑う村人は誰一人いませんでした。

 何年か後、その地域は全滅してしまいました。


おしまい

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― 新着の感想 ―
[一言]  至上最高の発明。から来ました。  発明よりもわかりやすく、主張もあって、とても良かったです。  ただ、改行が少なく、改行後の頭を開けていないので、少々読みにくかったのが残念でした。
[一言] 理不尽ですね。人は皆都合のいい方に捉えがちです。真実を見極める目を養わないとなぁ。教訓になるお話ありがとうございました!
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