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4-EX『簡易登場人物紹介』

というわけで、かねてよりご要望の多かった登場人物紹介です。

第四章までのネタバレが思いっ切り含まれておりますので、ご読了後に閲覧をお願いいたします。

■メインキャラクター


○アスタ=プレイアス(アスタ=セイエル/一ノ瀬明日多)

 主人公。主人公じゃないじゃないですか、とか言った奴は反省するべき。

 最近、いちばんの個性が《吐血キャラ》だということなのではないかと悩んでいる。

 それすら四章で返上してしまった。

 このところ、実は普通にイケメンであることが判明し、方々で怒りを買いながらフラグを立てている。数えてみれば四本も立っている。どういうことだ貴様。

 とはいえ内の一本はすでに折れ、一本は互いに気がついていない。ということで、本人的にも旗二本なら少ないほうなんじゃないの? とかなんとか。爆ぜろマジで。

 余談として七星旅団セブンスターズの六番目。紫煙の記述師(レトリックスター)

 印刻使い。

 呪われている。が、それなりに強いということも最近ようやく判明した。


○レヴィ=ガードナー

 ヒロイン。ヒーローの対義語的な意味合いでのヒロイン。

 いっそ主人公のひとりと言ってしまうほうがいいかもしれない。

 四章ではかなり出番がなかった。オーステリア迷宮の隠された領域に向かい、かつて死んだはずの、割とファンキーなお母さんにボコられている。

 どうやら生まれ持っていたはずの力を、ガードナーの魔術により封印されていた模様。

 強化フラグみたいなモンなので、忘れないようにしてあげてほしい。

 高速機動型の剣士兼魔術師。ガードナーに伝わる剣を鍵に見立てた封印と解放の《閉式剣》と《開式剣》が切り札。

 四章までに残されている伏線として、彼女がかつてアスタと交わしたという契約のお話が残っている。残ってんだよ。本当、忘れないであげてください。

 実はシャルより地味とか言うのやめるべき。

 レヴィ章は第六章の予定なので、それまで待っていてあげてください。


○ピトス=ウォーターハウス

 黒翼の天使。いや、そんな二つ名はありませんよ、嫌ですねえ。

 二章でフラグを立てたと思いつつ、実は立ってなかった。かと思いきや忘れ去られた大昔の知人、アスタにとって異世界で初めての友達とかいう、いっそ大人げないまでに強力な過去を持ち出し、華麗なる大逆転を果たした第四章メインヒロイン。

 キュオを除いた現状、アスタに唯一、その思いを伝えている。

 作者の主義である《ヒロインはとりあえず一回は主人公を殺しに来るべき》という我ながら謎な理論も序盤にちゃんとこなしてくれてるし。隙がないな、こいつ。

 あざとい。ていうかこわい。

 治癒魔術ホワイトクラフトの使い手。キュオと同じ能力を持つという点も含め、本当にあざといまでにヒロインの座を狙ってきている。

 でも正直言って、吹っ切れてデレたピトスはマジで強いと思います。

 いったんあなたを治せばですねー、これでぜんぜん卑怯じゃありませんよねー?(笑顔)


○シャルロット=クリスファウスト(シャルロット=セイエル)

 地味とかぼっちとかシャルドットちゃんとか言われている間に、むしろ個性を得た感じ。

 やったねシャルちゃん!

 作中内基準における見た目の美少女度は全登場人物中トップだというのに。何度かアスタから「まるで人形のよう」と言われている。

 ――それが実は彼女が人造人間ホムンクルスだったことの伏線なのは皆様がお気づきの通りですね。バレバレだったと思う。

 過去がないこととか、彼女がついて来た二章でゴーレムが出てきたのも伏線っちゃ伏線。

 魔法使いの娘。あらゆる可能性を埋め込まれた少女――などと意味深に言っておく。

 四章ラストにて、影が薄いだのなんだの言われすぎて闇堕ち(違う)。

 というわけで、第五章はシャル章。お楽しみにしていただければ嬉しいです。


○ウェリウス=ギルヴァージル

 噛ませ貴族。主人公に噛みついてギッタギタにやり返される嫌味な野郎。

 だと誰もが思ったはずが、気づけばいちばん強いじゃねえかよ、この男がさあ!?

 金髪碧眼のイケメン。八重属性元素魔術師。二番目の魔法使いの弟子。そんな男が弱いわけなかったのである。

 一、二章にて出揃ったメイン級キャラのうち、実はこいつが最強などと誰が予想しただろうか。ステータスが云々とか戦術がどうこうじゃなくて、第四章終盤のウェリウスはマジで主人公アスタよりも強い。下位とはいえ、幻想空間とはいえ、何度も殺された上の相討ちとはいえ、かつて七星旅団セブンスターズが七人がかりでようやく倒した、神獣たる竜種ドラゴンを単騎で撃破していると言えば、その化け物具合がご理解いただけるだろうか。

 あるいは教団の連中が魔人化することでようやく七星旅団の面々と対等に戦えるようになった中、こいつは自力で旅団クラスの実力を得たという表現でもいい。

 そりゃ「ウェリウスのほうが主人公」とか言われるわけです。

 メタっぽいことを言うのなら、アスタに対する三人のカウンターのうちのひとり。

 三番目の弟子に対する二番目の弟子。では一番目の弟子は……うん。


○フェオ=リッター

 第三章におけるメインヒロイン。クラン《銀色鼠シルバーラット》の若き天才。

 学院勢に比肩するだけの才能を持ちながら、環境によって腐っていた少女。その枷が三章にて外れてからというもの、安定した実力を発揮し覚醒までしちゃう強い子に成長した。

 その過程で、アスタなどという面倒な男に引っかかってしまったのが唯一の問題だろうか。

 吸血鬼の血を引いており、その能力を扱える(ようになった)。

 が、吸血鬼ではない。魔物の吸血鬼は魔物なので肉体は魔力で構成されている。その能力を覚醒させたときに髪の色などが変わるのは、言うなれば半魔人化しているということ。

 実のところ、この事実がもし教団に知られていた場合、おそらく彼女は捕らえられて、アイリスのように教団の魔人化研究の実験体として扱われていた可能性が高い。その場合、きっとクロノスと同じ道を辿っていたことだろう。

 七曜教団幹部、《天王星》のフェオ=リッター……なんてルートがあったかもしれない。もう七曜じゃないな、それ。

 というか、むしろなぜ教団が彼女の秘密に気づかなかったのか。問題はそれです。

 そこにはある男の尽力があったわけですが。

 これ、まだ本編では語ってなかったと思うけれど。彼女が二章で攻略メンバーから外されていた理由など、考えてみると面白いかもしれないと思います。

 ここで言うことじゃねえな。伏線だらけすぎて管理が大変だよマジで。

 正統派美少女。割と人見知りで残念系なツンデレ気質。割と精神年齢高めなメインキャラの中では、一種の清涼剤として機能してくれている。可愛いと思うんですけど、どうですか。

 皆さんはどの子が好きでしょう?


○アイリス=プレイアス

 褐色ロリ。天使。天使(笑)とかじゃなくて天使。

 無垢の象徴。自己紹介で「ピトスでしゅ」とかあざとく噛んでる奴とは違いすぎる真の純粋ちゃん。

 純真無垢なアイリスという褐色の天使。

 異能者。作中では四人しか登場していない(と言って誰だか伝わるのか)辺り、割と重要な設定ではあった。その辺りを語るかどうかは別として。

 教団による人体実験の被験者。被害者。その辺り割と流され気味というか、アスタたちに簡単に懐いているから忘れられがちではあるが、実際に四章で「寿命が短い」とか判明してもうセブスタでもトップクラスに重い設定を背負っているのに忘れられている感は否めないが――やるから。長いけど覚えといてね。

 五章はシャル章と言ったが、同時にアイリス章でもあるのです。

 ……もう五章も長くなるフラグでしかないんだよなあ。

 境遇的にはクロノスと似ている。救われることのなかったフェオとも言える。

 こんな純真な子が目の前で闇に呑まれたらね。もうすごいですよね。何がっていう。




七星旅団セブンスターズ


○メロ=メテオヴェルヌ

 本当はメインキャラのほうに入れるべきなんだけれど、七星は纏めたかった。

 なのでこっち。アスタはもう仕方ない。

 天災ザ・ディザスター。七星旅団の七番目。

 正確に調べたことがあるわけじゃないのだが、おそらくセブスタ中、単純なキャラクター人気なら一位ではないかと思っている。いや、どうなんだろう。最近はわかんないけど。

 作者的にもお気に入りの子。アイリスと並んで好き。あと実は水星さんも好き。

 いつか人気投票とかやってみたいなあ……という願望だけはずっと持ち続けています。

 天真爛漫で傍若無人で唯我独尊で、でも相応に賢くクレバーかつクール。

 天才。という言葉がセブスタのキーワードになっていることはすでにお気づきと思われますが、数いる天才の中でもおそらく真の意味でそれを体現しているのがメロ(とウェリウス)。

 アスタとの関係は……言葉にしづらいよなあ。なにせキュオがいたので。

 この天才にして天災娘も、実のところその辺りを本当に理解してはいないのだと思います。

 ――と、そういえば。

 かねてから《三章がフェオ章》《四章がピトス章》《五章がシャルとアイリス章》《六章がレヴィ章》みたいなことは言ってきた私ですが、メロに関しては言ってなかった気がします。

 ちゃんとありますよ。

 メロ章は、レヴィと同じ六章です。お楽しみにね!


○セルエ=マテノ

 みんな大好き元ヤンせんせー。七星旅団の五番目。日向の狼藉者(ソールヴィトニル)

 二つ名に、太陽を示す言葉が入ってるのがミソでもあるよね!

 一番マイア、二番シグ、三番ユゲルと来て四番がセルエじゃなくてなぜかキュオ、という辺りの理由は……これはどこかで触れた気がする。基本的に七星メンバーはマイアが勧誘しているのですが、このときあっさり入ったのがユゲルとキュオとメロ(シグは呼ばれるまでもなくいた感じ)で、逆に嫌だっつって抵抗したのがセルエとアスタなんですね。付き合いが古いのに、番号が遅い理由はそれです。

 地味に後輩キャラ。マイア、シグ、ユゲルはセルエにとって学院の先輩です。アスタとメロは、だから後輩なんだけど、それより先に知り合ってたからか、特に後輩とは呼びませんね。先生って感じでもない辺り、本当にちょっと歳の離れた、でも仲のいい友達/家族なんでしょう。

 狼、なんて字が二つ名に入っているせいで、気づけば婚活キャラになってしまった。申しわけないとは思っている。

 なんで結婚できないんだろう……。キレると怖いからかな……。


○シグウェル=エレク

 最強の冒険者。魔弾の海。

 七星旅団の二番目。副団長。超越オールオーバー

 攻撃力全振りみたいな火力馬鹿。速度もあり、燃費もよく、近接戦闘も可能で、攻撃すること自体がそのまま防御にも繋がっているため、戦術の幅はないに等しいにもかかわらず強い。

 魔術自体はかなり下手。旅団の中では、というか登場キャラの中で断トツの下手っぷり。初期のフェオにすら劣るレベル。それでも最強という辺り、《チート》という表現もアリかもしれない。唯一使える、最も基本的な戦闘用魔術《魔弾》だけで最強になった男。

 メロの師匠。もちろん魔術なんて教えられない(というかメロのほうが比較にもならないほど上手い)ため、魔術ではなく戦い方の師匠である。というか、気が向いたら戦ってメロをボコボコにしていただけって感じ。それでメロが勝手に強くなると。


○ユゲル=ティラコニア

 教授。七星旅団の三番目。魔導師メイガス全理学者インフィニティ

 シグが旅団最強ならば、こちらは旅団最巧の魔術師。

 というか、普通に戦っても二番目に強い。というと語弊があって、七星メンバーを強さで言うと、シグが断トツに強く、アスタが断トツに弱い。あとの五人は相性次第で、この中で言うとマイアが平均的に不利で、ユゲルが平均的に有利といった感じ。

 ユゲルはマイア、セルエ、キュオネといった普通の魔術を使う魔術師には滅法強いのだが、メロのようにもはやオリジナルが極まりすぎている相手には相性的に若干不利。その意味ではアスタとの相性も悪いのだが、地力レベルの差でアスタが負ける感じですか。

 まあ結局のところ一概には言えないのだが。アスタだって、戦略次第では旅団全員に勝ちを狙える程度の実力は持っている。弱いというのはあくまでそういう意味。最強と呼ばれるシグだって、圧倒的に有利というだけで、場合によっては負けることだってあるわけだ。

 最近、何やらシルヴィアとフラグが立っている気配があるようなないような。


○キュオネ=アルシオン

 セブスタがいわゆる美少女ゲームなら、アスタはキュオルートバッドエンド後みたいな感じの男である。

 そりゃ攻略も面倒だわ。ピトスはすげえよ本当……。

 七星旅団の四番目。万象ばんしょう昏闇くらやみ

 七星メンバーの二つ名には全員カタカナ読みがあるのだが、キュオネとマイアはまだ出してない。戦力お披露目のときに出るんですなー。キュオネは……どうなることやら。

 すでに亡くなってしまった少女。アスタのトラウマそのもの。

 かつてアスタといい感じだった……というか、もう、うん。いや、やめておこうかな。

 嫁。もう彼女とかヒロインとかいう次元を通り越している感じがある。亡くなってなおアスタを助け、支え続けていたというのだから、その凄さは並大抵のものではない。

 というわけで彼女はヒロインではない。ここで言う意味のヒロインでは、少なくともない。

 そのフラグはもう折れている。その道はもう途絶えているのだ。

 セブスタをラブコメ的に見るのなら、この子がラスボスということになるのだろうか。ならないか。でもまあ似たようなものではある。

 もし旅団全盛期の話を書くことがあった場合、なんのアレもなくヒロインである。

 第四章にてようやく顔見せとなったキュオちゃん。可愛くて健気ないい子だと、そう思っていただけたのなら幸いです。

 ――そんな奴はセブスタに出てこない。


○マイア=プレイアス

 主人公アスタくんの義理のおねーちゃん。七星旅団の一番目。リーダー。

 辰砂の錬成師。その二つ名が示す通り、武器製作を主とする錬金魔術師である。

 実はまだ、過去編を除けば本編には一度も登場していない。七星メンバーでは唯一の未登場キャラクターである。まだ溜めている。

 アスタを親父さんに紹介したり、セルエに手紙を送ったり、アイリスを助け出してきたり、そしてシグに託したりと――割と裏で暗躍していることは確かなのだが。果たしてその真意はどこにあるのやら。

 強さ的には、アスタと並んで地力が高くないタイプ。この姉弟が七星メンバーで下から数えるべき強さというのが、作者的には面白いところだと思っているのだが。

 彼女は彼女が強いのではなく、彼女が作る武器が強いのである。

 本人ではなく他者を強化する義弟と、その辺り実は似ているんですよね。




■学生メンバー


○エイラ=フルスティ

 魔学発明狂。マッド・インベンター。誰だ、こんな二つ名を考えた奴は。

 さばさば系のお姉さん。デザインはものすごく気に入っている。

 わかりづらいけれど、魔術師としての、というか魔具製作者としての才能はかなり逸脱しているレベル。アスタやセルエ、メロが一瞬で認めるのだから、本当に凄い。

 戦わないだけで、彼女はマジモノの天才である。

 というか、彼女は魔具をアスタに手渡すことで間接的にアスタを、キュオネを、なんなら街そのものを救っている。

 目立たないようでいて、いなかったらヤバかったキャラクターなんです。

 エイラ、アスタ、レフィス、ミュリエル、ミル辺りを絡めた日常編とか書きたいなあ。


○ミュリエル=タウンゼント

 三章《魔競祭編》にて登場した学生たちのことを、果たして皆さんは覚えていてくださっているのだろうか。正直、なかなか不安には思っております。

 彼ら、ちゃんと再登場しますからね? 五章でオーステリアに戻るということは、つまりそういうことなのです。

 というわけでミュリエル会長。

 オーステリア学生会のトップを張るだけあり、学生の中では強いほうです。一般的な冒険者と比較したとき、上の下くらいの強さはあるんじゃないでしょうか。

 一般的な学生たちは、ちなみに中の中から下くらいの強さがあります。下位の冒険者は、プロですが普通に学生より弱いです。

 何度も言いますが、メインキャラの強さがおかしいんだってばさ。

 ……ってかね、会長は割と重要なほうのキャラクターではあるんです。いや本当に。

 なんなら五章の主人公は、学生会メンバーだと言ってしまってもいいくらいですからね。

 割と《群像劇》風味の構造だと呼ばれることの多いセブスタ。

 その色合いは、五章でさらに強くなりますが、ついて来ていただければ嬉しいと思います。


○ミル=ミラージオ

 副会長。口悪い系の苦労人だけど根はいい奴みたいな苦労人気質の苦労人。苦労しすぎ。

 割と主人公っぽいキャラクターしてますよね。

 というか五章では、それらしいところ張ると思います。是非ともがんばっていただきたい。

 彼もね、組み合わせ次第ではいいところまで行けたと思うんだ……魔競祭の話。

 一回戦がウェリウスだったのが悪い。よしんば勝っても二回戦がアスタとか組み合わせに悪意がありすぎる。なんて運がないんだろう。

 きっと二回勝って、準決勝で会長と戦うのを楽しみにしてたと思うんだ……。

 お前が悪いんじゃないぜ、ミル。相手が悪かったんだ。


○スクル=アンデックス

 学生会書記。たぶん学生会ではいちばん影が薄かったと思う。

 三章で割と出番が多かったミュリエルやミル(こいつら名前似てるな……)と違い、彼女の本領は五章なので。ごめんなさい。

 クロノス絡みで伏線とかあったりするんですけれど。覚えていない方は、三章も読み直したりとかしたほうがいいかもしれない……がんばって早く書きます。

 正直、この登場人物紹介は、五章の前に学生メンバーを思い出してもらいたいという理由で書いている部分が大きいです。

 あとこの子、まあ残念ながら一回戦でフェオに負けてしまいましたが、その戦い方が微妙にどこかの吐血マンを彷彿とさせる気がしません? ほら、書記だし。

 ――まあそれが伏線かっていうとアレっていうか違うんですけど。


○シュエット=ページ

 スクルとは逆に学生会でいちばん目立ってたのは、ある意味でこの子な気がします。

 会計ちゃん。

 ……というより、魔競祭の司会ちゃんと言ったほうがいい気も。

 実況。オーステリアでも最も喋るのが上手い女。

 などという二つ名にしてしまったせいで、書くのがいちばん難しかったキャラクターです。

 三章で最も苦労したのは、何を隠そうこの子の台詞だった。ある意味でアスタ対ウェリウス戦よりも苦労したと言っていいです。その分、感想欄では割と人気を頂いていた子なので、そこは嬉しかったですね。ありがとうございます。

 ただまあ傍若無人っぽい反面、実況の仕事でかなり苦労していた感はあります。

 仕方ないんだって。何度も言うけどアスタとかウェリウスとかあの辺りの男が悪いんだ。

 切ない――刹那い子でもあるんですけどね。お気に入りのキャラです。


○カニス=アメストゥス

 噛ませ貴族。以上。いや違うんだけどね?

 おそらく覚えておられない方のほうが多いでしょうが、一回戦でアスタに一瞬で負けたあのヒトです。だからおかしいのはあくまで略。

 まあ、これで結構いい奴です。貴族なのにイジられキャラという美味しい立ち位置。

 学院の日常では、割と人気者なんだと思いますね。

 こいつの話も書いてやりたいなあ。魔競祭の本戦に出れるという時点で、学院では上位層の学生なんですよ、一応。


○オブロ=ドゥラン

 ……ほとんど出てないんだよな、こいつ。実は。

 名前だけは何度も出たので、もしかしたら覚えておられる方も多いような気はしますが。

 三章中、オブロはほとんど水星だったので。出番はないに等しかった。

 こいつばかりは申し訳ない。本人は学生の中でも目立たず、実力も決して上位ではない普通の魔術師です。地元ではそれなりだったけど、世間には通用しなかった――と。

 普通の奴なんですね。魔術師として。

 そういう人間のほうがずっと多いんです、本来なら。

 当たり前の話なんですけど。


○レフィス=マムル

 そのオブロ(というか水星)に一回戦で重傷を負わされた男。

 数秘魔術ゲマトリアを使う。

 こいつも、だから出番はなかったんですけど、オブロと違ってこいつは背景が多いです。

 アスタの数少ない学院の友人。髪が異様に長い陰気な見た目ながら、陽気でひょうきんな面白い性格の男。まったく出せていないというのに、作者お気に入りという辺り凄い奴。

 なんとかして出せないか、ずっと考えているキャラクターです。

 本編序盤の、あのアスタと友人だった(ほかにはレヴィとエイラくらい)というだけで、こいつの面白さが少しはわかってもらえるんじゃないかと思います。

 文字使いならぬ数字使い。まあ、そこまで強いってわけでもないですが。

 学生会メンバーよりは弱いけれど、一般的な学生よりは強い。アスタと同じく、考えて戦うタイプなので、戦い慣れしていない学生ならば自力で負けても戦術で勝てる――そんな奴。

 学院の日常編を書くとしたら、真っ先に出すだろうキャラクターです。


○リーフ=ラザーロ

 ある意味、セブスタ中最も悲しみを背負ったキャラクター。

 一回戦でメロに負けた彼です。そこそこイケメンで、背負う者もあり、才能もあり、なんなら物語の主人公になることさえあり得そうな立場であるにもかかわらず――ただ相手が異常だというだけで、ああもあっさり負けてしまったという。

 その手の皮肉も込められてはいるのかな。どっちも主張はあるわけですし。

 四章で木星の語ったことは、もしかしたらこいつも同じように思っているかもしれない。

 ……ただこいつウェリウス並にモテるし半ばハーレム状態だし家には料理作りに女の子来るしクラスのあの子は世話焼きだし憧れの先輩は目をかけてくれてるし生意気な後輩にも懐かれてるし街の料理屋の女の子にアタックされてるんで。

 美少女ゲームの主人公みたいな人生を素で生きてる奴ですからね。なんかもう。

 だからいい。お前はいい。幸せに生きてくれ。刺されんなよ。


○ノキ=トラスト

 喫茶《オセル》のバイト店員。ノキちゃん。

 実はセブスタのスピンオフ作品(珈琲屋ことレンが主人公)からの出張だったりします。もう公開してないんで、本当に数人くらいの方しか読んだことないと思いますが。

 魔術師というより、冒険者としての戦いを身につけている少女。

 そういう意味では戦いに慣れており、魔術の腕前は学院でもかなり低いほうですが、格上にも喧嘩なら勝てる――という感じの子ではあったのですが。

 一回戦の相手はミュリエル会長ということで。さすがに役者が上でした。

 珈琲屋のスピンオフは、いつかこちらに移したいんですけどね。なかなかやる機会がなく、予定は未定です。しばらくはないと思います。

 魔競祭の裏で珈琲屋が何やってたかとかあるんですけどね。




■七曜教団


○アルベル=ボルドゥック

 木星。教団は登場順に行きましょう。

 ウェリウスと同じく、アスタに対するカウンターのひとりです。ライバルキャラ。

 三番目にではなく、一番目に拾われた男。

 こっちもこっちで実は金髪イケメンですからね。ただまあ、疲れてるというか憑かれてるというか枯れてるというか、そんな感じなのでイケメン感は消えてます。

 いわば残念系イケメンです(それは違う)。

 教団幹部の星の中でも、特に純粋に本気で《世界を救う》という目的のために奔走している男。とはいえ、そのためにアスタに対する言葉にできない感じのもやもやが多いらしく、ときおり会いに来るのは割と彼個人が勝手にやっている部分が少なくない。

 気になるあのヒトに偶然を装って会っちゃうタイプ(だから違う)。

 教団の中では、割と苦労しているほうと思われる。

 なお旅団内でのあだ名はアルくん。


○クリィト=ペインフォート

 セブスタには地味に《ペインフォート》姓の人間が三人も登場していることには、果たしてお気づきだろうか。気づいていたところで特に意味はないです。

 火星。未来人。魔術の衰退した《いつか》の人間。

 その技量は王国の基準で魔導師に匹敵し、アンダーグラウンドの人間であるため認定こそ受けていないが、教団内でも月輪に次ぐ技量を実は持っている。

 戦闘狂。理性的で、かつ自身の闘争に惹かれるということに自覚的。

 だが彼は魔術は優れていたものの、しかし戦いに優れていたわけでは必ずしもない。魔人になった目的はその辺り。

 自由を重んじる。何よりも。

 実はアルベルと同時に第一章から登場しているし、第二章にもいる。両方で迷宮に来ていたのはアルベルとクリィトだけ。その会話はあるものの、名前が出たのは四章である。

 魔人化後の戦闘力は教団トップクラス。

 なお旅団内でのあだ名はリィさん。


○ドラルウァ=マークリウス

 変身使い。自分の身体を変えるのではなく、他人を自分に変える能力者。

 水星。セルエと同じ後天的な多重人格者でもある。自身の精神を魔術で何重にも分割して、多くの肉体を統御している――その辺り、肉体だけではなく精神系の魔術にも秀でているのだろう。

 三章までのメイン人格は、《日輪》を盲信する狂信的な女性だった。

 それがアスタに殺されたことで、結果的に最も理性的だった人格が主人格になり替わった、というよりも、そちらの《水星》は旧《水星》が殺されることを狙っていた節がある。

 人生は一度では足りない。

 ならば、人生を増やしてやればいい。

 彼女が変身魔術を獲得したのはその辺りが理由。もう少しメタ的な話をすれば、セブスタはそれぞれの魔術師が持つ能力にテーマというかなんというか、まあ《魔法といえば、奇跡といえばこれだよね》みたいな能力づけをしていること(魔法使い辺りが顕著)が多く、魔法使いなら黒猫とかに変身くらいするやろ、という感じで変身魔術師になった。

 教団幹部の中で、彼女だけが第四章中、王都を訪れていない。という辺り意味深ではある。

 逆を言えば、つまり彼女以外は全員来ていたということでもあり、その辺も意味深。

 なお旅団内でのあだ名はドーラちゃんだとか。


○クロノス=テーロ

 どうでもいい話かもしれませんが、なろうで公開している私の前作(完結してません済みませんいつかちゃんと書きます)であるところの異世界ファンタジーが、タイトルを『四つ辻のクロノス』といいます。

 ちなみに、そちらにはメインにペインフォート姓の人間が登場しております。

 まあ、だからなんだって訊かれても困るんですけれど。

 そんな感じで土星。鬼の後継機。かつての学生会副会長。最強の鬼才。

 人間から魔力を奪うアイリスの《略奪》と違い、空間の魔力を無尽蔵に奪い続ける《強奪》という異能を所持している。これはそのまま、彼の魔人としての機能。

 奪い取った膨大な魔力の全てを身体能力の強化に回している。肉体そのものが壊れかねないほどの強化に耐えられるのは、ひとえに彼が鬼だから。その膂力はセルエさえ上回る、いわば肉体版シグウェル。

 アイリスと同じ、教団の実験体にして被験者にして失敗作。

 三章四章でちょろっと出たものの、旅団の星の中では今のところ地味なほうだとは思っている。その活躍(?)は第五章にて。

 ちなみに、あの辺りで《ウェリウス教団幹部説》が流れていたのには少し笑いました。同じく《ミュリエル会長教団幹部説》も流れてたっちゃ流れてたかな。

 普通にクロノスでした。

 自分というものがないのか、なんの感情も感動もなく、ただ教団に従う機械のような男。自分がわからないとか言って拗ねてる割に感情丸出しのシャルより、明らかに《自分》がない。

 なお旅団内でのあだ名はクロくん。


○レファクール=ヴィナ

 金星。彼女が旅団で最初の脱落者になると、三章時点で予想されていた方は少ないのではないかと思います。まあ、そりゃあの頃は出番がなかったしね。

 魔物使い。魔物を召喚するのではなく、自身の肉体に魔物の機能を偽装する能力者。

 旅団は全員、こういう風にひと味捻ったというか、ちょっと斜めな感じの能力を持っていることが多いですね。逆にメインの学生たちは、割とわかりやすい能力になっている(はず)。

 アスタとパンちゃんが最初に出会った敵。

 だから実は、アスタにとって異世界で最初の壁であり、その後も乗り越えてはいなかった障害でもあったと。そういう意味合いで、最初に乗り越えてもらいました。

 アスタが珍しく主人公らしい無双の活躍を見せていましたが、実力差があると、逆に完勝でもなければ勝てないもんだと思います。ギリギリの戦いになったら負けるから実力差。彼女が結局、最後まで神獣の能力を完全に偽装することができなかったのが要因でした。

 その割には死の間際、何やら意味深な予言めいた言葉を残していたりして。

 迷惑な人間は、死んでも迷惑をかけるから迷惑な人間なのです。

 なお旅団内でのあだ名はレファさん。


○ノート=ケニュクス

 魔導師。月輪。教団の副長。夜の魔女。

 シグとユゲルの両方と相対した上で生き延びているのは、この人くらいなんじゃないですかね。

 魔人化する前から旅団並に強かったヒト。全盛期の旅団員と魔人化以前に互角以上の戦いができたのは、日輪と月輪、少し下がって金星だけです。金星は別に教団歳弱ではないと。

 まあ、魔人化の影響で教団の戦力バランスは変わっているんですが。それでも変わらず強いのがこの女性。作者的にも、結構お気に入りのキャラだったり。

 人間的には、同僚時代、割とユゲルに押されていた模様です。ノートさんも割と常識人側の部類だからでしょう。

 教団加入以前のノートとユゲルの話とか、割と書いてみたいですね。

 そんな彼女がどうして教団に協力するに至ったか。

 考えてみるのも、面白いような気はします。

 ちなみに教団員をあだ名で呼ぶのは彼女と日輪さんだけです。


○エドワード(?)

 一番目の魔法使い。七曜教団の創設者にして《日輪》。運命の魔法使い。

 かつて世界を救った勇者であり、王族とは逆の身体的特徴を持つ――冴えないおっさん。

 初登場は過去編ですが、四章で王都にも来ていたはずの方。さてどこにいたのやら。

 ラスボス感はあるが、さてどうなのか。

 外見的にはたぶん明らかにアーサーのほうがラスボス感はあると思いますが。この人は見た目普通のおじさん――というところが、逆にラスボスっぽいとかなんとか。

 わかんないですけどね。

 彼を主人公にした、本当に真っ当な英雄譚が過去、この世界にはあったのでしょう。

 なお本名は今のところ不詳。エドワードとは名乗ったけれど、それが本名かどうかはわかりませんからね。偽名かもしれない。本名の可能性も普通にあるけれど。

 彼にとってのキーワードは《運命》の模様。

 二番目が空間で、三番目が時間で、じゃあ一番目はなんやねんと思われた方は多いと思うのですが。作中最強のリアルチートさんは、まあとんでもないですよ。

 堕ちた英雄。

 あるいは、英雄とはそもそも堕ちるものなのか、みたいな。




■魔法使い


○フィリー=パラヴァンハイム

 二番目の魔法使い。空間の支配者。ウェリウスの師匠。

 普段は自作の異空間に引き籠って出てこない。

 中庸を標榜し、バランスを取ることはするけれどそれ以上はしないというスタンス。俗世のことには興味がない、半ば仙人みたいなお人。

 完全な意味合いでの空間干渉魔術は彼女だけが使える技術で、つまり一章の罠や二章に出た転移の指環、過去編での空間干渉を行う水竜は全てもともと彼女が出どころ。

 むしろ、その辺りの事情があるから旅団と教団の戦いに噛んでいる部分もある。それがなければマジで引き籠っていたかもしれない。世界がどうなろうと、それが命運なら知ったことではない、と。

 年齢的にはお婆ちゃんというか、なんならそんな次元ではないまである。

 住まいの異空間に仕掛けられたアーサーの《いたずら》により、立っている場所次第で外見年齢がころころ変わる。幼女にも童女にも少女にも美女にも熟女にも老女にもなれる。

 かといって能力が変わらない辺り、おそらくアーサーのいたずらくらい解こうと思えば解けるのだろう。作中三人の本気チートのうちのひとり。


○アーサー=クリスファウスト

 三番目の魔法使い。時間の支配者。アスタとマイアの師匠にして、旅団の創設をマイアに助言した男。

 アスタが異世界で初めて出会った人間。もし彼に出会っていなければ、アスタは間違いなく死んでいたものと思われる。

 あるいは、彼に出会ったということ自体がそもそも、世界が運命が彼を生かそうとしたからなのかもしれない。そう考えると、なかなか皮肉なものがあります。

 かつては一番目を追っていると言いながら、現在では教団に協力している模様。

 そこになんらかの意志や目的があるのかは――さて、わかりませんな。

 世界最悪の犯罪者、と呼ばれている。

 というか、そのせいで彼は魔法使いになったということもできるわけですが。

 あの過去編において、アスタがいて、マイアがいて、アーサーがいて、パンがいて、レファクールがいて、キュオがいた、というのは面白い部分だと思います。

 割と強面のおっさんで、性格的に傍若無人の権化みたいな。その辺りはおそらくマイアやメロさえ超えると思われる。

 それが許される実力があるってことっすな。意志を為せ、我を通せ、と。




■その他の登場人物


○レン=イブスキ(指宿錬)

 珈琲屋。喫茶《オセル》店主。アスタと同じ異世界人。スピンオフ作品の主人公。

 アスタ以上に地球のオカルトや神話、伝承、民俗などに詳しい。やたら詳しい。なぜか詳しい。

 なんでだろうねっ!(露骨)

 眼帯。目つきが悪いせいで客が来なかったらしいが、最近は雇った店員が可愛いと評判になりつつある。

 実際のところ、本編にそう多く絡むかと言われれば、実はそうでもない。

 とはいえ重要なキャラクター。アスタに対するカウンターの、最後のひとりがこの男。

 アスタっておかしいよな、というごく真っ当な突っ込みを最初からちゃんとやってくれていたのは、実のところこいつくらいのものである。

 異世界の魔術は、どうやら使えないらしい。


○モカ=ブリマール

 喫茶オセル店員の気だるげ系幼女。スピンオフから出張。とろんと眠たげな瞳と、どこか間延びしたような口調が特徴的。

 向こうを読んでいない方には伝わらないので言っておきますが、オーステリアの中ではかなり偉いお金持ちの家のお嬢様。この子のおじいちゃんがオセルに出資してくれている。

 アイリスちゃん最初の、同世代のおともだち。

 これでお互い賢い子なので、あんまり子どもという感じはしませんけれど。空気の読める子なのです。

 なお別に厳密な意味での店員ではなく、ときおり気が向いたら手伝いをして、その代わりとばかりにレンから食事を貰っている感じ。そんなことしてなくてもあげるのだろうが、それは彼女のプライドが許さないらしい。店の制服なんかも彼女が、というか彼女の金持ちのおじいちゃんが全て用意している。

 実際、彼女目当ての女性客はそこそこいる模様。

 男性客はノキが目当てだとか。

 なおモカちゃん、コーヒーは苦いから嫌いなのだとか。


○シルヴィア=リッター

 フェオの姉。元は騎士にして今は冒険者。クラン《銀色鼠シルバーラット》団長。《銀嶺の氷華シルヴァリー・ブルーム》。

 二つ名はこのヒトがいちばんアレだと思う。冒険者センスだからね、仕方ないね!

 最近、割と残念系の美人であることが明るみになりつつある。ユゲルにいいように使われていた模様。

 フェオ大好き。クールな外見と口調でそんな感じがあまり見えないが、よくよく観察してみると、かなり駄目な感じがある。

 その割に、そこそこいいところの出だからだろう、アスタの嫁としてフェオを売ろうとしたりした過去がある。まあ、それだけアスタのことを認めているらしい。

 かつては七星旅団に憧れていた。冒険者になったのもその辺りを理由としている。

 その辺りの感情は、初めはアスタに崩され、その上でユゲルに粉々に砕かれたらしい。

 がんばってほしいと思う。


○ガスト=レイヴ

 ※ここだけ追記です※

 ごめん、お前のこと書き忘れてた。許してくれ。すまない……。

 というわけでガストさん。二章で出てくる《銀色鼠シルバーラット》のメンバーのひとりで、幹部クラス。細身で強面の気さくな兄ちゃん。

 そして、クランを裏切って教団についた男。

 彼がなぜシルヴィアを裏切ったのか。それが明らかになる前に、どうやらすでに亡くなっている模様。教団にとっては、彼程度の冒険者など使い捨ての駒でしかないということなのでしょう。なんて悪い奴らだ。

 とはいえガスト自身、その扱いがわかっていて、その上で教団に協力して見せた節がないとは言えないような。結局あれ以来、実は登場さえしていない――四章に出てきたのは月輪による幻影――ため、その真意は定かではない、と。

 明かされることがあるかどうかもわかりませんけれどね。

 問題は結局、彼にとって最も優先するべきはいったいなんだったのか、という辺りなのだと思います。


○パンドラ

 パンちゃん。かわいい! いい子! まるで天使のよう!

 過去編にて登場の、アスタくん異世界で最初のお友達です。子どもらしい性格ながら明るく天真爛漫で、見ている人の心を癒すような、そんな子。身寄りのないアスタ少年にずっと優しくしてくれます。親身にお世話してくれます。

 なんと治癒魔術まで使えるっていうんですから驚きですね。

 実はこの子がヒロインなのかも。

 ……うわあ。


○エウララリア=ダエグ=アルクレガリス

 王国第三王女。不敬に扱われると悶えて喜ぶ辺り割とアレな感じの子。

 異能者。魔力を断つ《破戒》の魔眼を持つ。また魔術も割と扱える辺り、護身術の域を越えて戦える子でもある。

 言っておくが、言ってしまうが、別にこの子はヒロインではない。そもそもアスタに惚れているわけでもない。

 かつて命を助けられたらしいのだが、そういうのと恋愛感情は切り離せる辺り王族。アスタのことは気に入ってるし、人として尊敬して好ましく思っており懐いてもいるが、恋愛感情は持っていない。

 ともあれ、出番まだまだありますよって。


○ファランティオ=ジーク=アルクレガリス

 王国第一王子。つまりエウララリアの腹違いのお兄ちゃん。

 現在、最も次期国王の座に近い男。隣国との戦争に行ってしまった模様。

 金髪銀眼の威丈夫。現在、実質的に最も王国で偉いヒト。このまま順当に行けば、いずれ玉座につくものと思われる。

 出番自体は、たぶん今後ほとんどなくなっていくだろうけれど。

 ちなみに王国には王子が四人、王女が五人にいる。しかし記録に残らない王子もいるらしいとかいないらしいとか、云々。

 王子王女の中ではエウララリアと並んで、いわゆる《いいひと》枠ですな。

 この辺の設定、果たして使う日が来るのかわかんないけれど……。


○グラム=ペインフォート

 グラム老。シグが国内最強の魔術師ならば、こちらは国内最強の武人。だった。

 さすがに衰えはある模様。今はエウララリア専属の護衛として晩年を暮らしている。

 剣士とか騎士とかいう分類がない。ただ肉体を用いた闘争に特化した喧嘩上等マン。そのあまりにも洗練されすぎた技術が、結果的に魔術儀式の領域に至っているという結構なバケモノ。

 ところで読者諸賢がおそらくお気づきの通り、作者は設定厨なのです。

 ファランティオ、エウララリア、グラム、あとはクリィトやドラルウァさん辺りの絡む話が別にあるんですよ、だから。それやっちゃうとセブスタじゃなくなっちゃいますけど。

 書ける日が来るのか来ないのか……やはりわかりません。

 ナイスミドルが好きなのです。


○ティアヌ=ガードナー

 学院長。レヴィのお祖母ちゃん。

 魔導師ではないけれど、それに準ずる魔術の腕前を持つ。ガードナー家において、剣士としてではなく魔術の腕前に限定して考えれば、歴代でもトップを争う技量の持ち主。

 逆に剣士としての才能はあまり持ち合わせていなかった模様。

 かつてはグラム老とも知り合いだったとか。オーステリア青年会の名誉会員を務めている。モカのおじいちゃんが会長。

 オーステリア青年会ってなんだよ。

 まあ裏設定ですな。

 現在では全盛期ほどの魔術は使えないものの、それでもオーステリアの領土内に限っては反則と言えるような土地の恩恵を受けた魔術が行使できる。


○エリファ=ガードナー

 故人。レヴィのお母さん。なぜか迷宮の最下層でゴーストになっている。

 彼女の母であるティアヌが魔術に特化したのと逆に、彼女は剣術のほうに特化した。ゆえに魔術師としては、もちろんそれなりの技術はあったものの、それでもガードナーの中では下手な部類だったとかなかったとか。

 その両方の才能をいいとこ取りしたレヴィは、《ガードナーの完成系》と称されている。

 かつてオーステリアで教師をしており、マイアやシグ、ユゲルやセルエを知る。

 レヴィの才能を封印した女性。ガードナーの歴史を担うヒト。

 ところで、じゃあレヴィの父親は誰なんでしょうねー、いったい。


○リオン=ペインフォート

 誰だ、と思われた方がいる気がする。多いだろう。

 番外編『天災少女と幽霊屋敷』にて登場した地下のゴーストさんです。生前は魔導師でありながら、死してなおオーステリアを守り続けたレヴィの祖先。

 そうなんです。オーステリア迷宮に未知の領域があることは、この番外編ですでに触れられていたんですね。わあびっくり。

 というか第一章でアスタが示した近道も、《迷宮には知られていない領域がある》ということの、まあ伏線ではあったわけですが。さすがに気づかれないか。

 それにしてもまあ、意味深な苗字をしていますよね。


○オリエ=ガードナー

 誰だ以下略……ってまあ、流れで気づかれるかもしれませんね。

 リオンの嫁。メロがビビってた幽霊です。つまりレヴィのこれまたご先祖様です。

 あの番外編は、番外編のくせに割と重要な設定が書かれてたりするので、まだご覧になっていない方はご一読をお勧めしておきます。

 読み飛ばされかねない番外編に、そんな伏線を張っておくなという話なんですけれど。

 かつてガードナーの掟を破ることで、歴史から抹消された女性。

 ティアヌはその教えに従い、エリファもまた殉じた。

 ――では、レヴィは?

 という辺りが五、六章の胆になってくるかと。


○煙草屋の親父さん。

 ラストです。ラストがこのお方だというのだからびっくりですね。

 ラストだよね……? 一応、名前があるキャラはおおむね網羅したと思うんですが、なんなら親父さんは名前ないんですが、もし抜けがあったら教えてください。

 でもまあラストを飾るのに相応しいお方だとも思います。

 しかし未だに名前が出てきてないっていうんだから驚きましたよ作者も。いや、別に名前に伏線があったりとかしませんよ? あくまでも酒飲みでゴツい外見の、煙草屋の親父です。

 一般市民として暮らしていますよ。

 アスタの次に、二番目に、セブスタに登場したキャラクター。アスタが最初で親父さんが最後というのも、こう、乙なものですねえ。

 親父さん好きすぎだろ。

 一応解説。アスタにとっては歳の離れた友人で、その繋がりはマイアの紹介によるものであるとか。

 ……そのくらいしかないな。

 まあ、アスタにとっては日常を象徴するキャラクター。が、おっさんなのかよという突っ込みは措くとして、いるといないとでは違うと思うんですよ、やっぱり。

 オーステリア青年会にも所属している模様ですね。だからなんだよそれ。

 それにしても、親父さん大丈夫かなあ……オーステリア占拠されちゃったよ……。

 作中でも地味に人気な親父さん。今後の活躍をお楽しみに! 無事に生き残ってればね!

 ……いやまあ、生き残っても活躍するかどうかわかりませんけれど。

17009字。簡易とは。むしろ最長まである。

抜けがあるようでしたら、教えていただけると助かります。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 異世界の魔術『は』使えないのか…そうか…
[気になる点] クロノスって失敗作なの? アイリスが最後の失敗作で自分は最初の成功作だって言ってたんだけどそれは本人が成功作だと勘違いしてるって事?
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