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名無しの天使  作者: 逢咲楓
3章 天下楽園
23/25

告白


「ほら、星歌さん。これ、先程の件の反省文10枚です」

「ねぇ、月城さん。どうにかならない? 5枚位に減らしてほしいんだけど……」

「駄目です。きちんとやりなさい。それに、もう既に減らしてありますので」

「えッ?! 減らしてこれなの?」

「そうですよ、あなたが正直に申し出てくれたので、その分はマイナスされてます。それでも、まだそんな事を、言うのなら……」

「いえ、頑張って書かせていただきます……」



―――――――――――――――――――――――


 遠い、いつだかの日の出来事が脳裏をよぎる。

月城円香。彼女に、堕天だと告げる。どうなるのかは、目に見えている。それに、彼女の力を借りるならば、いつかはバレる。現に、あの時疑われてたし。

 彼女は、パートナーだとも言っていた。そのパートナーが、堕天であると先に第三者に知れ渡れば、彼女の立場が危うい。 


「さてと、もうそろそろかな」

 目の前に広がる、どこまでも青い地平線。さざ波が、一定のリズムを刻み砂をさらう。風に流れ、潮の匂いが鼻をくすぶる。

 地面に落ちている貝殻を、ふと拾い上げる。彫刻の様に均整な形をとっている。

後ろから、砂を踏み締める音がし、振り返る。

「ごめんなさい、待たせて」

月の光が、彼女の姿を映し出す。

「……いいよ。今、忙しいだろうから」

彼女の様子を見ても大分やつれている様子だ。



「…………それで、天下楽園のことについて話があるって一体何の話?」

「天下楽園と接触することが、出来た」

「……は? 奴等と……、教えろ! 今すぐ!」

声を、荒げて彼女が腕を、強く掴んでくる。握る力が、段々と強くなってきている。

「……俺が、辿り着いた彼等は、君達万魔殿に宣戦布告したやつとは、別の者だった」

「? どういう事?」

「天下楽園とは、元々、堕天たちが静かに暮らしている場所だった。だけど、とある事が起こって今の天下楽園が、出来たらしい」

彼女が、頭を抱え後ろへ後ずさる。



「……それで、君はその堕天を、殺したのか?」

「いや、殺してない。むしろ、逆、彼等と手を組むことにした」

彼女の顔が、より一層険しいものになる。眉間には、幾つもの皺がでており血管も浮き出ている。

「……は。手を、組む? 何を、言ってるか分かってんの? 上原が、所属していた組織だぞ? 何故、手を組む必要が……」

「俺の目的に、近づくため。ただ、それだけ」

「目的……? 君、何をするつもりなの?」

もう、そろそろかな。激しい音がし、辺りは砂埃で視界が狭まる。



「な、何?!」

次第に、砂埃が収まり景色が鮮明になっていく。

「…………その、姿……ッ……」

俺の身体は、白く淡い光に包まれている。身体のうちから、沸々と力が湧き上がるのを感じる。

「……そう、そういう事。だから、態々呼び出したの」 

彼女が、こちらを、ギロリと強く睨む。……くる!

「堕天は、排除せよ。……痛くしないから、じっとしてて魔装(ヴィーデ)

彼女の身体から、魔力が漏れ出ている。右手が、黒く染まって、尻尾のようなものが生えている。 



――――ッ!間一髪の所で鎖をさける。

「……! 凄いね、それ避けるんだ」

あの時、上原を刺したときの様に、天から無数の鎖が降ってき……って、下、まずっ!

左足を、貫かれた。即座に、回復し月城へと近づく。

「……本当に、堕天なんだ」

彼女の背後から、鎖が放出される。2つの、斧へと変貌させる。右手の斧には、空間排除という能力。不来方の時に使ったやつだ。そして、左手の斧には……。

「ふん!!」

鎖が、地面へとへばり付く。彼女が、一瞬呆然としたのを、その隙を、逃さず右手の斧を、虚空へ振る。

「がはっ! ……!? 面白い!」

 彼女、身体を切られた筈なのに、更に勢いが増して。

鎖が、四方八方から飛んでくる。対処が……間に合わない!! 能力を発動させ、全ての鎖を地に叩きつける。この能力が、相性良くてよかった。

 すかさず、空間排除の斧で攻撃。すると、同時に彼女の懐へと飛び込む。――――彼女が、ニヤリと笑うさまが目に映る。しまった、誘われた!! 鎖が、回避を、嫌、間に合わない。四肢を拘束された。抜け出そうと、試みるも、びくともしない。


「良く私相手に、ここまで生き延びたね。すごいよ、上原よりも君のほうが強いんだから」

 彼女が、話をして油断している。それは、そうだろう鎖で四肢を、拘束してるんだから。右手を、思いっ切り力を込めて引きちぎり、即座に回復。祈力を、右手に集め、そのままぶつける。彼女は、防御できずまともにくらい、吹き飛んでいった。

 鎖の、拘束が緩んだのを感じとり、鎖から抜ける。

重力操作の能力を孕んだ、斧を、彼女の方へと投げつける。彼女が、立ち上がろうとした直後、彼女は砂を、かみしめた。 

 彼女の周り、半径100メートルを、能力の対象に設定したから。こっちに、鎖は来ないと思う。

 つまり、戦闘は、終了した。





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