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バランス 〜自然は時として牙を剥く〜  作者: 水神朱
内なる力は高きを仰ぎ、外なる力は高きに顕れる
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相見える拳能、吹き荒れる新風 肆

新年明けましておめでとうございます。

今年も一年、何卒よろしくお願いいたします。

さて・・・どうしたのものか。改めて紙を見てみるが、ほとんどの問題は分からないぞ。

周りをチラッと見てみると、ペンを動かしている人も何人かいる。恐らく中等部での知識の蓄えがあるんだろう。


・・・いや、俺が不利すぎないか?そんなことを思っていると



『・・・あーあー。マイクチェック、マイクチェック。・・・ふむ、良好。では皆さん、準備はできましたか?ただいま9時より、学級長決定戦を開始いたします。』


という放送が入った。そしてそれと共に


「おいっどけっ!」


「ちょっと!押さないでよ!」


周りが一斉に教室外へ向けて走り出していった。



・・・あ、出遅れた。春は・・・いねぇ!?


「はぁ、しょうがない。とりあえず行くしかないか。」


ひとまず3階に行って、一番東側の部屋とやらを確かめに行かなければ。そう思って動き出した俺の後ろで、呑気な声が上がった。


「ヘイ、天音海斗くん?私も一緒に行って良いかな?」


振り返ると、そこには席から立ちすらもせずにこちらを見ている宮の姿が。


「はぁ?一緒に行くだって?なんで対戦相手と行動を共にしなきゃいけないんだ。」


「まあまあ、そう言わずにさ。君にとっても旨味のある話だと思うけどなぁ。」



旨味?


「何か騙そうとしてる意図が丸見えだけど?」


「そんなことないって〜。じゃ、信用してもらうために一つ、良いこと教えてあげるよ。中等部校舎1階のロビーに飾られている絵画は『モナ・リザ』だよ。これで良いかな?」


な・・・!モナ・リザだと!?じゃあ、Q10の答えは・・・レオナルド・ダ・ヴィンチ・・・。本当だ、ぴったし枠に当てはまる・・・。


「・・・何を企んでる?」


「えー。これでも信じてくれないの?めんどくさいなぁ。」


いやいやいや


「どう考えてもそっちにメリットはないだろ。こっちは確かに中等部関連を知れるメリットは大きいけど、元々知ってる宮からしたら俺から新たに得られる情報はないと思うが。」


「んー・・・まあ、『情報』だけを考えればそうかもね。だけどさ、これはクイズの早押しじゃないんだよ?答えを導き出した後に、いかに早く目的地へ着けるかの勝負。つまり君が何かの偶然が重なって、私と同じかそれ以上の早さで答えを導き出したとしよう。その時、私がそれを知るのは君が目的地に着いたっていう放送がなってから。それよりは一緒に行動して答えを導き出した後の競走の方が安全性が高いと思わない?」


そう・・・なのか?


「何をしているか、どんな状況なのかが全く分からない敵ほど怖いものはないよ。」


まあ、言ってることは理解できるが・・・。



「じゃあ他に知ってるものがあるなら教えてくれ。」


「んー却下。流石にそこまでお人好しじゃないんだよねー。キミが一緒に回ってくれるって言うなら、教えてあげても良いよ。ただし、一気に全部じゃなくて段々と・・・ね?」


「・・・ま、それはそうだな。分かった。答えを導き出すまでは一緒に解き明かし、そこからは競走だ。それまではこっちも協力しよう。」


「良いね、話が分かるよキミは。」


・・・まあ、警戒はしておくに越したことはないだろうな。



「それじゃ・・・とりあえず3階行こうか?」


「うん、了解。」












(まさか本当に受け入れてくれるとは、ね。受け入れたってことは競走に相当な自信があるんだろうけど・・・。私には勝てないよ、キミは。でもこんなんで負けるようだったら、どっちにしろ上に上がらせる必要は無いか。ちょっとがっかりかなー。)

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