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バランス 〜自然は時として牙を剥く〜  作者: 水神朱
内なる力は高きを仰ぎ、外なる力は高きに顕れる
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新友

めっちゃ久しぶりですね。


まじで久しぶりですね。


最後に投稿したの・・・三週間前・・・ええ?

「はぁー・・・。」


クラスメートの多くに絡まれていたあの時。あの後すぐに担任が入ってきて解散となったが、実にめんどくさい時間だった。今日は進学式ということもあって本格的な授業とやらはやらないらしく、担任の自己紹介やこれからのことについて話されて、後は自由に帰宅して良いということを言われた。ほとんどの生徒が寮に向かっている中、俺はひとまずまた絡まれるのから避けようとさっさと荷物をまとめて、そそくさと教室を後にしたのだ。



「さて・・・どうしようかな。」


このまま神楽邸に帰っても良いのだが、楓さんからはせっかく入学したのだから学園を探検でもしてこいと言われている。それでこうしてブラブラとしている訳だが、特に見たいところなども無いし広すぎるせいですでに道に迷いかけているのもあって、とても困っている。



「・・・風当たりの良いところに行きたいな。」



とは言えこうしてブラブラし続けているのもしょうがないだろうと思い、ひとまず屋上でも行ってみるかと最寄りの階段を登り始める。ちなみに、ここ高等部の校舎は七階建て。今いる位置は三階。微妙に疲れそうな距離ではあるが、良い運動になるだろうし憂さ晴らしにもちょうど良いかと思いながら登っている。



「ふう、着いたか。」


頂上まで来て、そこにあった重厚そうな扉を開けると、案の定屋上へと繋がっていた。



「おー流石に高い。」


やはり七階建ということはある。眼下に見える地上はとても遠い。ちらほらと見える人々も、豆粒とまではいかないにしても相当小さい。俺は高所恐怖症じゃないから、こういう所に立っても全然平気なんだけど、高所恐怖症の人は絶対に立てないだろうな。


「・・・ん?」



そんなことを思いながら、無駄に広い屋上をてくてくと歩いていると遠くに人影を見つけた。気になって近づいていくと、それが男子であることと制服を着ているからこの学園の生徒であることが見て取れた。


こんなところで何をしてるんだと思って声をかけようとしたが、その前に相手が振り向いて目が合った。


「あれ?」


俺はその顔に見覚えがあった。確か・・・


「Aー1クラス・・・・・・同じクラス・・・だよな?」



そう言うと、相手がコクリと頷いてペコリと頭を下げてきたので、俺も慌てて頭を下げる。そうだ、覚えてる。彼は俺のことを取り囲んでいた輪に入っていなかった数少ないクラスメートの一人。確か後ろの方の席でぼーっと窓の外を眺めていたような気がする。


「・・・あー俺、天音海斗だ。まあ、あの場にいたから分かると思うけど高等部から編入してきた。これから一年一緒だろうから、よろしくな。」


先に自己紹介をすると、相手はまたコクリと頷いた。


「・・・」


「・・・」


おかしいな、会話が続かない。向こうも自己紹介してくれる流れかと思ったが、黙ってこちらを見つめているままだ。こういう気まずい空気、俺は苦手だ。



「・・・あー・・・」


なんか話題ないか!?そんな思いでいると、向こうが突然口を開いた。




「・・・さっきのは・・・気に・・・しなくて・・・良い。」


さっきの?なんのことを言ってるんだ?・・・と言うより、彼なんだか口調が・・・?


「・・・みんな・・・新しく・・・来た・・・君に・・・興味を・・・抱いて・・・いた・・・だけだ。」


あっさっきのって、教室で絡まれてた時のことね。いや、それよりもやっぱり彼、口調がたどたどしい。言葉ごとの区切りが多いし、話すスピードもゆっくりだ。



「あー・・・そうなの?にしては結構、敵意剥き出しの奴も何人かいたけど。」


「・・・最初は・・・そんな・・・ものだ。・・・俺も・・・この・・・口調で・・・何度も・・・何度も・・・絡まれて・・・いた。」


「失礼になるかもしれないけど・・・それって生まれつき?それとも・・・?」


「・・・生まれ・・・つき・・・だ。他の・・・人の・・・ように・・・滑らかに・・・喋る・・・ことが・・・難しい・・・。」


そんな人もいるのか・・・。


「・・・馬鹿に・・・されたことも・・・あった。」


「人の身体的特徴に対して馬鹿にするのはちょっと・・・。身体的特徴なのかは分からないけど。。」


「・・・そう・・・だな。馬鹿に・・・された・・・ところで・・・俺には・・・どうしようも・・・できない・・・ことだ。」


そりゃそうだ。滑らかに喋ろうと思っても喋れないんだったら、どうしようもないだろう。



「ムカつくな、それ。」


「・・・最初は・・・な。次第に・・・打ち解けて・・・いった・・・。案外・・・歩み・・・寄ろうと・・・してくれる・・・人間は・・・多い・・・ものだ。」


「俺もそうなると良いけど。」



なれるかなぁ?普通にめっちゃ敵意剥き出しの奴何人かいたんだよなぁ・・・。



「・・・なれる。いつかは・・・必ず。だから・・・今は・・・そこまで・・・気にするな。」


「・・・分かった。ちょっとは憂鬱じゃなくなったよ。ありがとう・・・あー」



名前・・・



「・・・春。・・・三坂春(みさか はる)だ。」


「・・・ありがとう、春。これからよろしく!」


「・・・こちらこそ・・・よろしく。」



やったね友達できたね。

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