A.S.T
いえーーーーーー
深夜テンションだぜぇーーーーーー
「で、なんですか?見せたいものって。」
第一邸をしばらく歩き、明らかに地下室に通じていると思われる通路の扉を通ってきた。階段を下って廊下を歩いているから、地下室であることは確実なんだろうけど・・・なんか、違う。
めちゃくちゃに豪華な装飾の施された廊下。
地下室への廊下特有のひんやり感が無いどころか、逆に暖房が設置してあって暖かい廊下。
そして何より・・・明らかにトラップがそこらかしこに仕掛けてある廊下。
入ってくる時の扉もなんかめっちゃ分かりにくい先にあったし、おまけに楓さんの生体認証で開いていた。そう、マジで厳重なのだ。一体そんなところに何が隠されているのか、そして俺はそれを見て良いのか。
そんな疑問も込めて楓さんに言葉を投げる。
「んー・・・・・・海斗には、天神器については教えていないよね?」
なんじゃそりゃ
「天神器・・・ですか?知らないですね。」
「天 神 器・・・頭文字をとって、通称A.S.Tと呼ばれているんだけどね。・・・・・・人類が蝕食に対抗するために作り出した武器さ。」
「そんなものがあるんですか?でも、対抗するって言ったってどうやって?」
「蝕食の外殻は既存の武器では壊れないことは実証済みだ。少なくとも、兵士一人一人が持てる拳銃やアサルトライフル、スナイパー程度ではね。・・・・・・核兵器とかを持ち出せばそりゃ倒せるんだろうけれど、蝕食が出てくるたびに一々核兵器は持ち出せないからね。被害も大きいし。」
「ですね。」
「さて、ここで人類は崖っぷちに立たされた訳だ。EランクやDランクの蝕食ならまだしも、銃弾の効かないCランク蝕食なんて当時からすれば災害と一緒。当然Bランク以上は悪夢だよ。だけどそんな人類にも希望をもたらしたものがあった。」
ほう?
「それが・・・・・・俺たち天力の覚醒者・・・ですか?」
「そう。彼らの覚醒によって、人類に初めて蝕食に対する明確な対抗手段が生まれた。蝕食の身体を傷つけ、死に至らしめるエーテルを操ることができる人間。・・・・・・当時からすればまさに救世主だ。」
「確かに。」
「そして、ここからさらに人類の歴史は進む。覚醒者のみがエーテルを扱えるのでは、余りにも数が少なすぎる。すなわち非覚醒者もエーテルを扱えるような、いわば媒体を作れないか、とね。」
媒体、ね。
「なるほど・・・・・・ん?ってことは・・・。」
話の流れ的に・・・
「そう、それこそがA.S.Tだ。人類の科学者・発明家たちには多大なる敬意を払わなければいけないね。未だ普及率は低いとはいえ、実験的に日本の自衛隊員に支給された量産型A.S.Tは輝かしい実績を残した。非覚醒者が自らの身を自らで守れる手段として確立されたのだから。」
「それは、すごいですね・・・。」
「全くだ。・・・・・・おっと、そうこう話しているうちに着いたようだね。」
これまた厳重に閉ざされた扉の前に辿り着いた。
「ここから先は、ごく一部の人間しか入れない・・・というかそもそもその存在を知らない場所だ。海斗は僕の連れだから特別扱いだけど、くれぐれも口外はしないようにね。」
そう言って楓さんがその扉を開けた時、俺の目に入ってきたのは・・・・・・
「ようこそ、特注版A.S.T保管庫へ。」
日本刀、片手剣、両手剣、対刃剣、特大剣・・・・・・・etc
長槍、短槍、大矛、二叉矛、三叉矛・・・・・・・etc
弓、ボーガン、長銃、拳銃、小銃、機関銃・・・・・・・etc
幅広い種類の武器、武器、武器だった。
「これが・・・・・・A.S.T・・・ですか?」
「そう。・・・・・・僕が特注で作らせたものさ。」
特注で作らせた・・・・・・ねぇ。
「知り合いでもいるんです?その・・・・・・A.S.Tを作る人?の中に。」
「まあ・・・・・・ツテはある・・・かな?」
ニッコニコの笑顔で、言葉を濁り濁らせていった。
「それで・・・・・・なんでここにこんなに大量のA.S.Tが置いてあるんです?さっきの話だと、軍とかに提供されるものでは?」
しかも特注品ときた。権力か?
「軍に支給されるのは、あくまでも量産品のA.S.Tさ。拳銃とかの、エーテル伝導率が低いもの。」
「エーテル伝導率?」
「要はエーテルに干渉する度合いのことだね。これが高ければ高いほどエーテルに干渉しやすい武器になる。・・・・・・つまりは、能力者に近づいていくということだね。」
ほうほう。
「A.S.Tはエーテル伝導率によって階級分けされている。下から量産級、兵装級、規格外級、国家指定級の四種類だね。」
待て待て、最後なんかめっちゃ不穏だったけど!?
「兵装級は、量産級の質をさらに底上げしてやれることの幅を増やしたようなA.S.Tだ。と言っても、量産級自体が誰でも扱えるようにエーテルのエネルギー弾を撃つぐらいしかできないから、別にそこまで強い訳じゃない。」
ナチュラルにディスられる兵装級さんと量産級さん。かわいそう・・・。
「規格外級はその名の通り、一般人でも能力者に太刀打ちできるぐらいの出力を目安に作られたものだ。だけどあくまで理想論。エーテルエネルギーに対して適正の無い者が規格外級以上の伝導率は扱えない。しかも高伝導率のA.S.Tは作るのが難しいから、日本に未だ200個とない希少A.S.Tだ。人類が使えるのはだいぶ先になるだろうね。」
・・・やばいじゃん。・・・え?一般人が能力者に対抗できる・・・?
いやいや・・・・・・え?
「国家指定級・・・。まあ説明するまでもない。使えば勝てる。人間にも、能力者にも・・・・・・蝕食にも。要は簡易版核兵器だよね。」
はい???
え、いやいやいやいや。・・・・・・・・・・いやいやいやいやいや。
「・・・・・・っていうのが理想だった。流石にそこまでエーテル伝導率を高めることはできなかったらしい。」
で、ですよね・・・。まじ焦った。
「まあ、それでも現存する4つはどれも国家指定されるレベルの兵器なんだけど。」
結局かよ。
・・・・・なんかめっちゃ疲れたわ。今日だけで情報量がエグすぎる。
要は何?蝕食に対抗できる武器が発明されました。弱いものも多いけど、強いものはまじで強いです。特に4つはやばいです・・・・・・・ってことだな。
「で、この4つがその国家指定級・・・・・・『晴桜』『雨百合』『空風菊』『雪椿』さ。」
「ほわぁぁぁ・・・・・・。」
情報追加。4つは楓さんが持ってました。




