塔 棗
いえーい二日ぶりー。
そろそろ夏季の休みに入る方々もいるんじゃ無いでしょうか。仕事場によっては夏休みがないところもあるかもしれないですが・・・・・・。少なくとも学生はそろそろ休みに入りますよね。夏休みあります?皆さん。夏バテしないように充実した休みを取りたいですね。
「・・・・・・楓さん。」
「・・・・・・なんだい?」
「・・・・・・気づいてますよね?」
「・・・・・・はて。」
「・・・・・・尾けられてますけど。」
「・・・・・・気づいてたんだ。」
やっぱり気づいてるじゃないか。
「いえ・・・なんとなくは分かってましたけど、確信したのは今ですね。デパートの時点で途中から視線を感じてたんですけど、特に気にもしてませんでした。」
そう言うと、楓さんは少し驚いたようにこちらを見た。
「視線、感じ取れるんだ。」
「少しですよ、ほんとに。ただちょっと見られてるなーっていうのが分かる程度で、どっから見られてるかとか誰が見てるかなんて、まだ分かんないです。」
「いや、それが分かるだけでも十分すごいよ。」
楓さんの口調からして、楓さんはもっと正確に視線を感じ取れるんだろうか。
・・・・・・出来そうだな。楓さんだもん。
「最初はほんとに気にしてなかったんですけど・・・・・・」
「・・・まあ、ここまで来ちゃうとね。」
「・・・・・・・・・ええ。」
・・・・・・うん今どこにいるかって?
神楽邸の敷地内だよ。流石にここまで来たら尾けられてるとしか考えられないだろ。
「・・・・・・どうします?このままって訳にも行かないでしょうし・・・。」
「うーん・・・。」
珍しく楓さんは悩んだような表情を見せる。
「・・・俺が迎え撃ちましょうか?」
「いや、多分その必要はないっていうか・・・。」
「なんでです?」
すでに侵入者に対する対策でもしてあるのか?
「うーん・・・・・・・・・・。まあ・・・もうこの際だし別に良いか。」
「え?」
「出てきなよ・・・・・・棗。」
楓さんがそう呼びかけた直後、シュタッと音を立てて楓さんの横に人影が現れた。
・・・第一印象は「軍人」だ。
服装はどちらかと言うとおしゃれな部類だし、武器やら何やらを携えているわけではない。何より、目を引く長い髪の毛と身体の構造が「女性」であることを如実に物語っているのは間違いない。
・・・だがなんと言うのが正解なのだろうか。明確な「オーラ」があるのだ。威圧感、と言い換えても良いかもしれない。敵として相対したAランク蝕食・・・白銀や漆黒のような「敵意」から来る押しつぶすような威圧感ではない。その場にいるだけで他者を惹き込み、黙らせてしまうようなそんな威圧感を纏っている。
「・・・・・・久しぶりね、楓。今回は随分と長い間、旅をしてたじゃない。」
いや、どっから出てきたんだ!?
「簡単には解決できそうに無い状況に巻き込まれちゃってね。長期の遠征にはならないと予想していたから『晴桜』も持ってっていなくて、大変だったよ。」
何やら分からない会話をしているが・・・・・・。
「あなたの予想が外れることなんて珍しいわね。・・・・・・ところで、この子なんだけど・・・。」
おわっ。急にこっちに矛先が向いたぞ!?
「ああ、もしかしたらもう聞いてるかもしれないけど、僕の弟子の天音海斗。
・・・・・・海斗、彼女はここ神楽邸の全権を担っている人だ。あまり失礼の無いように。」
「お願いします・・・・・・って、え?全権を担うって・・・!?」
「そう、彼女こそが使用人長、塔棗だ。」
ええええ!?!?!?!?
「すごい驚いた顔をするじゃないか。」
いや、そりゃ・・・・・・・
「あの、なんと言うか・・・もうちょっと年齢が上の人間を想像していたので・・・。」
そう、彼女・・・棗さんは、めちゃくちゃ若いのだ。多分、楓さんとか春華さんとかとおんなじくらい。楓さんの年齢を聞いたことは無いから一概には言えないけど、恐らく20代だ。
「あー、まあ草加部さんの例があるからね。」
そんな話をしていると、棗さんがこちらをじっと見つめてきて言葉を発した。
「ねえ、貴方。」
「は、はい。」
「貴方・・・・・楓の一番弟子って本当?」
一番弟子??
「えっと・・・一番弟子かどうかは分からないんですけど、弟子ではあると思います。一応戦う術を教えてもらったり、修行とかもつけてもらったりしたので・・・。」
「そう・・・・・・。」
・・・・・・俺、何か悪いことでもしてしまったのか?
「楓。」
「ん?」
「やっぱり・・・・・・少し、気になるわね。」
気になる?何が?
「ま、だろうね・・・。」
楓さんも同意しているけど、一体なんの話をしてるんだ?
「貴方・・・いえ、天音海斗と言ったかしら?」
「あっ、はい。」
「楓から全権を預かっている私の身としては、楓の弟子だろうとなんだろうとここ・・・神楽邸に素性の知れないものを立ち入らせる訳にはいかないの。・・・住まわせるとなればもっとね。」
・・・・・・・ん?あれ?
「楓の判断を疑うわけでは無いけれど、神楽邸を護る者としては貴方を完全には信用出来ないわ。」
・・・ちょっと待て。・・・・・・つまり?
「貴方が楓の『一番弟子』と言うのであれば、それなりの実力を見せてもらうわ。実力を示せたのなら、楓の弟子として神楽邸の一員に受け入れる。示せなかったのなら・・・・・・分かるわよね?」
え、いやいやいや!なんでそんな方向に話が進むんだ!!
「ちょっ・・・楓さん!?」
驚いて楓さんの方を見ると・・・
「まあ、ここに住むには必要なことだろう?素直に受けときなって。」
はあ!?
「実力を量るのは私。女だからといって遠慮しなくていいわ。・・・・・・私は全力でいくから、遠慮なんてしていたらすぐにここからはおさらばよ。」
「ちょっ、ちょっ・・・!」
「それじゃあ、また後で。覚悟を決めて来なさいね。」
ああもう、
「なんでこうなるんだ・・・・・・・!!!」
作者の中での女性キャラランキング〜〜
棗>=春華>>歌那
・・・・・・ま、まあ歌那さんは頭いいし、Sランクの能力者だから3人の中では一番強いし・・・
というか、女性としての魅力で言ったらそりゃ年齢が上の二人には敵わないよねっていう。あ、歌那さんは今一応18歳ですね。本来ならば高校生をやっていた年齢なのに・・・・・
あーあと今回結構重要な単語出てきてます。そう、『晴桜』ですね。これについては多分次回?かその次くらいに説明は出ると思いますが・・・。
大事なのはこれについての説明ではなくて、「『晴桜』が属するモノ」についての説明というか・・・。




