パフェは食べられるために存在する
長くなりました。創作意欲が湧かないのが一つ。リアルが忙しいのが一つ。長年連れ添っていたパソコンがぶっ壊れたのが一つ。
ネット上のゲームデータほとんど消えた・・・。まじか・・・・・・。
「う〜ん・・・・・・やっぱり美味い!」
『ストロベリーのストロー串刺しパフェ』。ここ、ストロロロ・ベリーグッドが誇る看板メニューだ。疲れた体がものすごく癒される。来たのは2回目だけど、もっともっと来たくなる味だと思う。
「そんなに気に入ってくれたのかい?ならまた何かのお祝いにでも来ようか。」
そう言うのは相変わらずニコニコとしている楓さん。ちなみに楓さんは俺と同じものを頼んでいたんだけど、すぐに食べ終わっていた。・・・・・・おかしい、結構量があるはずなのに。
「お祝い以外でも来たいくらい美味しいんですけど。」
「ふふふ。その気持ちは痛いくらい分かるんだけどね・・・。ほら、ちょーと懐が寒くなってきてさ。」
「・・・・・・?」
「意味を知らない感じだったか・・・。」
「まあ確かに一個10000円越えは高いですもんね。」
「知ってるのかい。・・・・・・うんまあそういうこと。一回帰ったらまた連れて来れるんだけどさ。何しろ7ヶ月間も財布に新しくお金入れてなかったもんで。」
「銀行とか行かなかったんですか?それかコンビニのATMとか。」
「僕は口座を持ってないからね。財産は本家の金庫に全部入れてある。」
(そんな人いるんだ・・・・。)
銀行に預けておくより自分で守った方が確実っていうかさ、と楓さんは続けた。
まあ確かに、下手な防御システムよりも楓さんの側にいた方が安全なのは理解できる。
「とはいえこれでも安くなってるんだよ、友達割引で。」
「そうなんですか?・・・・・・友達割引?」
「そうそう。ここの店長がさ———」
と楓さんが言い終わる前に。
「はい、ご注文の緑茶二つ。あと早く掃除代払えや、楓。」
と僕らに声をかけてきたのは、店員の綺麗なお姉さんだった。
「ありがと、春華。紹介しよう、『ストロロロ・ベリーグッド』の店長を務める、雨宮春華だ。」
「おう、よろしく。」
「え゛っ!・・・・・・店長!?」
訂正、綺麗な店長だった。
春華さんはスラッとしていて、身長はおそらく170ぐらいの高身長。キュッと引き締めたエプロンに高めで一つに結んだクリーム色の長い髪の毛。何より・・・とても顔だちが端正で綺麗だ。
「春華は客からの人気が絶えなくてね。店長なのに、こうして自ら接客に立っているんだ。」
「なんだってこんな私のことを気に入るのかがまるで理解できねぇな。」
「もっと自分の恵まれた容姿に気づいた方がいいよ、春華。これでその男勝りな言動とか性格が無ければ、アイドルでもなんでもやれていただろうに。」
「はんっ。別にこの性格で困ったことなんざ一度もありゃしねぇよ。つーかこうなったのは元々お前らのせいだろうが。」
んん?なんの話だ?
「春華と僕は幼馴染でさ。幼稚園時代から仲の良かったメンバーの一人なんだ。ただそのグループの中で春華は紅一点でね。そのせいか、すっかり考え方が男っぽくなっちゃったのさ。」
なるほど。
「おい少年。このバカの言うことをなんでもかんでも信じ込まない方がいい。今だってアタシの意思みたいに言いやがったが、女だからといって少しでもついていけないと途端に置いてけぼりにしてったのはこいつらだからな。アタシはこいつらについて行かざるを得なかっただけだ。」
「そんなことないだろう?」
「うっせぇ。口答えするんだったら友達割引なしだぞ。」
すごい、春華さん。いつも飄々としている楓さんに一発でクリーンヒット叩き込んで黙らせてしまった。
「あと早く掃除代返せや。」
「掃除代?」
気になって聞き返すと・・・。
「少年が一番最初に来た時あったろ?あん時このバカが店内で派手に蝕食ぶち殺してそのままさっさとどっか行っちまったもんでアタシら大変だったんだよ。だからその掃除代だけでも返せって言ってるんだ。」
「あっ・・・!ごめんさい・・・!」
「少年が謝ることじゃあねぇよ。悪いのは全部こいつだ。」
そう言って楓さんを見ると・・・
「さっきも言った通り・・・今ちょっとお金に余裕がないんだ。それこそ今日あたりで本家に戻るからさ、もうちょっと待っててくれないかなー・・・?」
いつもの楓さんからは想像もつかないぐらい情けない顔をして頼み込んでいる。
「バイト手伝うって手もあるけどな、どうする?今忙しいから厨房立って欲しいんだが。」
涼しげな顔してそう返した春華さん。と言うよりも・・・
「楓さんってスイーツ系作れるんですか?料理上手なのは知ってるんですけど。」
なんか器用そうではあるからスイーツ系も作れるのかな?だったらあの修行してた山でも作って欲しかったんだけど・・・・・・。
「作れるも何も、アタシにこの店のメニューのレシピを教えたのはこいつだ。」
え・・・
「ええっ!?そうなんですか!?」
知らなかった。料理全般できるのか。
「そう!つまり君はもっと僕に感謝するべきだ!」
突如活気づいた楓さんが、春華さんに向かって勢いよくそう言ったが・・・
「あぁん?」
「すいませんでした。」
春華さんの一睨みで、一瞬にして黙ってしまった。楓さん・・・。
「・・・まあ、また来な。少年には特別サービスしてやるよ。と言うか普通に他のメニューはまだ安いしな。来てくれたら歓迎する。」
「良いんですか?ありがとうございます!」
「ひどいな。僕にも特別サービスしてくれないのかい?」
「そういうのは掃除代払ってから言ってくれ。」
「はぁ・・・。了解だよ。」
その後もしばらくゆっくりして、店を後にする間際、見送りに出てきてくれた春華さんに言われた。
「少年も頑張りな。このバカといると色々巻き込まれるかもしれんが、そん時にはアタシに相談しに来い。アタシがこいつをボコボコにしてやるから。」
一体どんだけ信用がないんだ、楓さん・・・。
「さて、それじゃお腹もいっぱいになったしそろそろ行こうか。」
ある程度、調子を取り戻したのかほぼいつもと変わらない様子で楓さんが言う。
「行くって・・・どこにですか?」
「さっき言っただろう?僕の家・・・・・・・つまり、現・神楽総本家さ。」
なんだかんだ言って仲が良い。
そして目指すはかつて惨劇のあった場所。『五雄』の家系が一つ、その総本家。
通称『神楽邸』




