血鬼
塹壕の悪魔と沙門、略して悪魔沙門。
沙門とは俺のことを指し、塹壕の悪魔とはファーゼルを指す。
多くの新記録を作った最悪。
と世界では俺達を呼んでいる。
「ファーゼル」
「何?奏多。」
ファーゼルが疑問の表情を浮かべ俺の声に応える。
「魔王幹部って、全然いないのか?」
「いや、普通いないだろ。
あれは本当に特別な例。」
「そうなのか」
そうやって町の店で話していると、
外から爆発音が聞こえた。
鋭く鈍い声と、爆発と崩の音。
俺達は食べた代金の数倍の硬貨を置き、外に飛び出した。
俺達は多くの所から指名手配を受けていて、
顔をバレてはならない。
バレた瞬間に俺達の人生は終わりだ。
だから仮面を物理的に被る。
ファーゼルは死神の様に黒く目が紅い絵の仮面と
フードを被る。
俺は黒髪のマッシュの様な髪型からその多量な髪を持ち上げ、口にマスク型の帯を巻き、魔力を身体中に行き渡らせる。
こうすると体に異変が起き、体が強化され、
さらには目の色が青色になる。
俺達は走って爆発によって発生した煙の中に入り込む。
「ファーゼル!やれ!」
【佐伯双眼】
佐伯双眼の光を俺と自らの目に送り込み目の細胞に入り込み、暗視効果を与える。
煙が舞っていてもでもそれがなかったかの様に周りを視覚出来る。
辺りを見回すと、その爆発の根源とされる部分に人影を感じた。