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呪いの様な記憶
「奏多君が梶田君をいじめました。」
梶田健斗、それはヒョロヒョロな陰キャで、いじめの標的とされる男だ。そのいじめは、学校や親にはバレてなかった筈だった。犯人は俺ではない。しかしある女生徒がさっきの言葉を放った。
「俺は何も、」
反論する。実際していないから、冤罪だからだ。
「いいえ、奏多君はやっていました。」
俺の親友、同級生の波川 藍、が俺の反論をぶち壊すように言葉を放った。
波川 藍。この学科でのマドンナ的存在だ。
「俺は何も、」
喋っている最中に突然喋りだす者がまた現れた。
「いいえ、奏多はやってた。俺と奏多は友達だ。絶対に言える。」
「そうだよそうそう。」
藍のように便乗する男、谷嶋 兵吾。
外見はとても美しく、俺の大親友だった。
そして便乗に便乗を重ねる、女。
高橋 エリー。背が低く、とても可愛い子だった。
「俺はやってない。」
「いいややった。」
「そうよやったやった。」
皆が俺を罵倒する。視線が痛い。苦しい。
復讐してやる。絶対にだ。それまで絶対に生きてやる。