心療内科を受診するタイミングについてのひとりごと。
心療内科に、メンタルクリニック。
受診したことがないけれど、どういう時に行けばいいのかな?
そんなことを考えたことがあってもなくても構いません。
ちょっとだけ、お時間下さい。
拙作『【自殺予防短編小説】僕は山を登り、山頂で壁を殴る。 〈二次創作7〉』 (https://ncode.syosetu.com/n7783gx/)を既にお読みの方は、なんとなく察しているかと思います。
心療内科受診経験者です。
なんとなくですが、日照時間が減って寒さが増してくるこれくらいの時期が一番どうにもならない精神状態になることが多かったように思います。
もしかすると、同じような人や、家族友人で同じような人を心配している人がいるかもしれないと思い、エッセイにすることに決めました。
実は結構、書いていて怖いです。
当時を思い出すせいかもしれません。
個人個人で本当に対応パターンは違います。
だから、あくまでも、私にとっての判断基準ということでご理解ください。
絶対の基準ではありません。
このエッセイを信じたのにダメだった、とならないように、最後の判断は自分でするようにお願いします。
さて。
前置きが長くなりました。
街中やテレビ、ネットなどで、心療内科、メンタルクリニックを一度は目にしたり、耳にしたりしたことがあるかと思います。
どんなイメージでしょう?
受診する時はどんな時でしょう?
私は両方ともぼんやりしたものでした。
ただ、なんとなく、行きたくないな、と思っていました。
実際は、内科と変わらない感覚でした。
体の具合が悪い。
医師に状態を説明する。
処方箋を貰う。
ほら。同じでしょう?
だから、それほど敷居の高いものではありません。
ただ、内科と違ってメンタル、精神的なものが絡むので、そう思えない。
私が職場のストレスで胃を壊して、内科のかかりつけ医に2ヶ月ほど通っていました。
薬が効かない。
とにかく、胃が痛い。
改善する見込みがないので、胃カメラ飲むかい?と医師に言われました。
いやー。絶対、これストレスだよなー。
分かってました。
分かってましたけど、どうすればいいのか分からない。
この頃、試験的に職場では外部のストレスケアセンターへの無料電話相談をすることが出来ました。
そこで臨床心理士に電話相談をしていました。
内科の薬が効かない頃には、心療内科を勧められていました。
しかし、行けなかった。
今思うと、この時に行っておけば良かったと思っています。
その後、ストレスが積み重なって良性の腫瘍が出来て手術したり、術後の再発防止の服薬治療がキツかったりと散々でした。
結局、心療内科を受診したのは、自律神経がぶち壊れて、不眠と過呼吸が普通になるくらいに追い詰められてからでした。
ようやく、心療内科を受診しようとしますが、心療内科、精神科、メンタルクリニックとある。
え?何これ?
違いがわからない。
メンタルクリニックの看板の下に、心療内科、精神科が併記してある。
何が違うの?
心療内科は、心のストレスが大きくなりすぎて、体の具合が悪くなった時に受診するもの。
眠れない、食欲が落ちて何を食べても美味しくない、ずっと体が怠い、など。
精神科は、ずっと周りから悪口を言われているように思う、監視されているように感じるなど、ストレスで体に不調が出た時に受診する心療内科と少し違います。
メンタルクリニックは、ほぼ心療内科と精神科が一緒になっているところなので、迷ったら、「心療内科・精神科」が一緒になったメンタルクリニックを受診すれば良いのかなと思っています。
私の場合は、ストレスによる体の不調。
心療内科です。
とりあえず、探したところはすべて心療内科と精神科が一緒のメンタルクリニックとなっていたので、あとは選ぶだけ。
選ぶ?
どうやって?
人に聞けば、とあるメンタルクリニックは、予約してひと月後。
診察時間は、2時間。
これは、担当医師がカウンセリングもするので、長時間の枠で予約制にしているとのこと。
もうひとつは、予約無しで受診できるけれど、長時間のカウンセリングは無い。
私は最初カウンセリング付きのメンタルクリニックを予約しました。
けれど、もう心身共に限界が来て、電話相談していた臨床心理士に探してもらい、予約なしで受診可能なメンタルクリニックをすぐに受診しました。
つまり、どちらがいいのかは人によります。
同じ医師にすべてを話して、治療もして欲しい。
そして、予約した日時に受診できる自信がある方は、予約制カウンセリング付きのメンタルクリニックを。
私のように、限界まで我慢してしまう上に、決められた日時に受診できる自信がない。体調が良い時に受診したい。
そんな方は、予約なしのメンタルクリニックを。
どちらがいいのかは、絶対に決められません。
医師との相性もあります。
心が弱っている時に、「なんだかこの先生嫌だ…」と思ってしまうなら、すぐに別の医師を探しましょう。
こちらも絶対の基準は、ありません。
知り合いに紹介されたクリニックなら大丈夫。そんな訳ではない。
その時の自分の精神状態も関係してきますが、合う合わないは必ずあります。
なんとなく、この先生なら大丈夫かなぁ。
そう思える医師を探して下さい。
そう。探さないといけないのです。
タイトルにある、受診するタイミング。
それは不眠が続いて2週間など、体の不調が2週間続いた時が目安になるとよく聞きますが、私は医師を探す元気がある時がタイミングではないかな?と思っています。
私は、不眠が2週間どころか、2ヶ月以上続いた後のさらに1年経った頃、ようやく心療内科を受診しました。
そのメンタルクリニックの医師とは相性が良かったので、私はそのまま治療に入れました。
ただ、この時合わない医師だったらと思うと、ぞっとします。
すでに精神状態がおかしいのに、医師とうまくいかない。
ストレスで出た体調不良を治療するために受診したメンタルクリニックで、さらにストレス溜めたら、もう通院すら止めていたと思います。
さて。
相性は良さげな先生。
ストレスと身体の状態を話して、最後に訊かれました。
「それで、あなたはこの受診に何を求めていますか?」
「薬の処方です」
とにかく眠りたい。落ち着きたい。
薬、くれ。
それだけでした。
たぶん、ここで先生が言いたかったのは、「カウンセリングを希望するなら別の医師を探して下さい。または、カウンセリングを別の所で受けて下さい。」ということかな、と瞬時に思いました。
初診だったので、この時は1時間近く話を聞いてくれたと思います。
でも、すでに数千円を払って、別の所でカウンセリングを受けていた私は理解していました。
自分の内面の話を傾聴してもらうことは、それなりにお金と時間が必要となる。
だから、予約制で2時間の診察をするメンタルクリニックは、丁寧な対応になるけれど、すぐに受診は出来ない。
長時間のカウンセリングをせずに、普通の内科の受診程度の診察時間での問診なら毎回先生にしてもらえる。
だから、私はこの先生に薬の処方を望みました。
この日から、同じ日本酒好き仲間の先生との治療が始まりました。
治療と言っても、月に一度受診。
15分ほど話して、処方箋貰う。
場合によっては、休職のための診断書を貰う。
それだけです。
心療内科を受診したからと言って、何かが劇的に変わる事はありません。
診断書を貰って、休職がせいぜいです。
あくまでも、服薬は辛い体の緩和。
解決ではありません。
薬を飲むことで、夜眠れるようになる。
外に出ることが出来る。
呼吸が普通に出来る。
それくらいです。
むしろ、「この薬を飲めばストレスなんて消えるぜ!」という薬は、ヤバいのでは?
あくまでも、苦痛の緩和。
それ以上の改善は、自分自身にかかってきます。
先生との話で、「やっぱり、職場のストレスがきつい」と、自覚することはあっても、先生から「こうしなさい」と強制されることはなかったです。
自分で自覚して、自分で決める。
それが出来るように、薬で少しだけ楽な状態になる。
心療内科に求めるものは、そこまでです。
あくまでも、診察。
内科と同じ。
受診すれば、精神的苦痛を医師がすべて排除してくれる。
自分の悩みをすべて取り除いてくれる。
それはありえません。
体を少しでも休めて、少しでも楽になった心と身体で、自分で折り合いをつけて、解決していかなければいけないのです。
心療内科の受診は、大変なものではありません。
2週間以上、体の不調が続いたら受診してください。
それすら苦痛になる体になってしまう方が大変です。
もし、これからあなたの家族や、あなたが手助けをしたいと思える相手が内科などを受診しても改善が見られず、2週間以上の体の不調が続く場合、心療内科の受診を考えてください。
心療内科の服薬でいつもより楽になる。
そんな状態になっていれば、それだけで体は大変なことになっているのです。
大したことじゃない。
そう思って我慢せずに、受診出来る元気が残っている時に受診して下さい。
一緒に受診について行ってあげて下さい。
その一回の受診と処方された薬で回復するなら、何よりです。それに、また何かあった時にすぐに受診しようと思えるメンタルクリニックがあるのは、心強いことです。
心療内科は敷居の高いところではありません。
普通の内科と同じです。
もちろん、私が一番望むのは、あなたとあなたの大事な人が、心療内科を受診するほどのストレスと不調を抱えないことです。
ストレスと折り合いをつけながら、生きていく。または、そのストレスのもとから逃げる。
それが出来ない時や、出来ていなくて困っている人が心配になった時。
このエッセイが少しでも役に立てば、いいな、と思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。