表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

プロローグ

「はぁ、はぁ、はぁ、」


足が絡まった

このままでは転んでしまう


だめだ、だめだ

この腕の中にあるものを守らなくてはならない


「止まれ小僧」


この1切れのパンを守らなくては

このままでは追い付かれるのは明白だ。どうすればいいのか、一瞬頭が真っ白になる。だが僕には経験がある。この7年間で蓄ってきた経験が。ルートは明確だ、あの男が通れないほど狭くかつ、自分が不自由なく通れる道。


1本だけ存在してる。だがその先は大通りだ。一度も通ったことはない、背に腹は代えられない。


目的の道が見えてきた


countdown are started


突入5秒前


男の腕が伸びてくる



ヤバイ、ヤバイヤバイヤバイ



これで終わってしまうのか?



だめだ、それではだめなのだ!



男の腕が服を擦る


突入成功 MissionClear


「ちぃ」


男の舌打ちが聞こえる


ここはスライム街、何も考えられず作られた建物や塀は逃げるには最適だった

どこの町か?


そのような質問は残念ながら答えることができない

なぜかって?


知、ら、な、い、からだよー


もうすぐで10歳、ここに来てから7年毎日毎日露店や宿に忍び込んで生を繋いできた。

だがもう懲り懲りだ人の物を盗んで生きる人生は。


パラパラ降る雨が髪を濡らす


これが自分の気持ちを沈める一因かも知らない。


だからなのかもしれないこれから大道りに出るのに何の憂つを抱いていない。

希望を抱いてるからなのかもしれない。


「カツン、カツン、カツン」


地面を足が蹴る音が聞こえてくる


「カツカツカツカツカツカツ」


徐々に足音が早まってくる

これは

僅かな希望が増幅してくる


小柄の男が前を走り抜けてく行く


希望が完全に消滅した。代わりに沸くのは自分への冷笑。

何を夢みていたんだろう

ここはおとぎ話に出てくる夢の世界ではないんだよ


「ポトッ」

「ん?」


今何か落ちなかったか?

今の時間は約AM2時人道りは皆無。その音はこの不気味の静かさを破り反響していた。


あの黒いものは何だろう


近ずくことで見えるその輪郭に息を呑んだ。

革の財布だ


手に取ってみる金貨と白金貨の確かな感触。

我を忘れて何を食べようか考えてしまった。


当初の望みを忘れたのか。

自分を叱らずにはいられない。

それどころではない。急がなくては。


「はぁ、はぁ、はぁ、待って、待って」


必死に声を上げて自分をアピールした

さもなければ栄養不足で筋肉の枯渇した足が止まってしまいそうになるからだ


「どうした小僧?」


やっと気づいてもらえたようだ。

そこにいたのはドワーフ。

産業系を得意とする種族だ


「あ、あの落しましたよ」


先ほどの財布を渡す


「おっとすまぬ気づかなかったわい がっハハハハハ」


豪快な笑いが返ってくる


スゥーと手を差し出す


「なんだその手は?」


その疑問に笑顔で答える

露骨に相手の顔が歪むのがわかる


「ちぃ 何が欲しい?金か?食べ物か?」

「...かせて」

「はぁ?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ