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第8話 孤立とリン
「おはよう。」
私は、教室の扉を開けて特定の誰かにする訳でもないが挨拶をした。
すこし、ざわめきが起きていた。
だが、ひとり返事をするとまたひとりと「おはよう」と返してくれた。
一歩また一歩自分の席に近づいていき
机の横に鞄を置いて席に座った。
授業が始まり、私はひとり黙々と授業を受けるのだった。
その日は何事もなく。
また次の日も
その次の日も
何事もなく日常が過ぎていくのだった。
8日後、私は千華が亡くなった場所を通りかかった。
自然と千華の言葉が頭の中に蘇る。
涙が出て止まらなくなってきた。
「ごめん…なさい。本当に……ごめんなさい!」
泣き崩れる私に誰かが抱きしめてくれた。
「もう泣くな。誰もお前を責めたりしないから」
「優君……、なんで?」
「ひとりじゃない。お前はもうひとりじゃないから」
その言葉でまだ涙が出る。
優君の手を強く握って。