第2話 最初の私
「千華!危ない!」
私が声を発した時、大きな音がした。
私は、すぐに曲がり角を曲がった。
そこには、トラックが電柱ぶつかって半壊し
トラックの通った道には赤い血がまるで線が引かれているように付いていた。
大きなクラクションが鳴り響き、
どこかで悲鳴が聞こえた。
私は、悲鳴が聞こえた所に行った。
行く道のりは足取りは重く、そこに近づくたび行きたくないという思いが強くなる。
やっとの思いで着いた。
そこには、無残な姿になった千華がいた。
制服は、所々破れ、赤く染まっていた。
口から血が出て、身体は、少し震えていた。
「千華…。千…華…」
私は、駆け寄り何度も名前を呼んだ。
涙が溢れ、息は乱れて、千華を抱き寄せた。
「な…ん…て…かお…して……るの?」
千華が少し笑って言ってるように見えた。
「だって。だって、千華が死んじゃう」
抱いている腕に力が入る。
「…ゴメ…ン…やくそ……く…ま…もれ…なくって…」
震えながら千華は、私の腕をゆっくりと掴んだ。
「そんなのいいよ。今は千華が…」
その瞬間、私の腕を掴んでいた力が弱くなり
徐々に離れていた。
私は、泣きながらも千華をゆっくりと降ろした。
周りの音が徐々に聞こえてきた。
風の音、草がなびく音、蝉の鳴き声。
周りを見てみると、先生やクラスメイトが多数いてその中には、泣いている人、
気を失っている人、救急車を呼んでいる人
いろんな人がいた。
この出来事は、夏休みの一日前だった。