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第1.7話 薔薇の棘は痛かった?
それから2ヶ月経ち、6月のことである。
「千華?何見てるの」
ショーウィンドーの前にいる千華
目線の先にはウエディングドレスがあった。
「やっぱり憧れるよね」
千華は、そう言うと私の方を振り返った。
「そういえば千華は、最近彼氏とはどうなの?」
千華は少し悩んでから私の手を引っ張って歩き始めた。
「最近ね、喧嘩ばっかりしてて
彼から別れよて、言われたんだ。
だから別れる事にしたんだ。そもそも長く続かないて、わかってたし。
噂では1年の後輩と付き合ってるて聞くし」
立ち止まった千華は、
少し涙目になっていた。
「そんなことがあったんだ、なんかゴメン。
それなら今日は気分転換に食べに行こうよ」
私なりに慰めようと思った。
すると千華は、
「えっと。ゴメン、今日はママの誕生日で…」
「そっか、じゃあまた今度遊びに行こ?」
「うん、分かったそれじゃ」