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生きるってことは、  作者: さき
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私の悩み

兵庫県に住む専門学生です。

今年の5月に大好きだった兄が自殺し、今でも悲しみにくれる毎日です。

私の経験が現代に生きている誰かの、また私と同じ経験をした人の生きる力になればと思い小説を書くことにしました。

というのは建て前で、本当は吐き出す場所が欲しかっただけなのかも知れませんが。

たまに作文を褒められたことがあるくらいの拙い文章ですが、言葉や表現がおかしい部分があるかも知れませんが、最後までお付き合いいただければ幸いです。

 今年の5月6日金曜日、兄が死んだ。これからここに綴ることは私の身に起きた実話である。


1

 私には三つの悩みがある。一つめは母。私の家は四人家族。父、四つ上の兄、三つ上の姉、そして私。父と母は私が中学二年生のときに離婚した。一度は実家へ戻った母だったが、私たち兄弟のことが心配になり大阪に引っ越してきた。それからはちょくちょく一緒にご飯を食べに行ったりしている。しかしこの母とはどうも気が合わない。顔を合わせれば必ず一度は軽く言い合いになる。お互い譲れない性格なのだ。もっとも、私のこの性格は母から譲り受けたものなのかも知れないが。思えば他人に厳しいくせに自分のことはとことん甘やかしたり、時間にルーズだったり、他人に興味が有るようで無いところなんかも母にそっくりだ。まるで鏡に向かって話しているかのような感覚がするほど自分と似ている母に対して、上手く接することができないでいる。

 二つめは父の恋人。父には恋人がいる。もちろん、付き合いだしたのは母と別れてからだろうが。私が小学五年生の頃から母と別居を始め、そこから男手一つで私たち兄弟を育ててくれている父にはもちろん幸せになってもらいたいし再婚だってすればいいと思っている。だが私はその恋人が少し苦手なのだ。初めて会ったときから距離がかなり近くて、少し母親面をしてみたりと遠慮がなかった。極めつけは兄の彼女のことを「あの子苦手やわ~。絶対裏ありそうやし!」と決めつけ発言をする始末。それからは一本線を引いて接するようになってしまった。だが兄と姉はその人のことを慕っている様子で、私だけが蚊帳の外にいるような気がしてそれも気に入らない。かといって認める気にもなれず、私の中で色んな葛藤が続いている。

 三つめは兄。先ほど文に登場した兄の彼女は、去年亡くなった。数年前、十歳年上の女性と同棲することになったと兄から報告を受けたときはかなり驚いたが、実際会ってみるととても可愛らしい人で私を本当の妹のように思ってくれていたし私も姉がもう一人増えたように思っていた。しかし突然自殺した。どうやら兄と喧嘩をした後こういうことになったらしく、兄は俺のせいだと自分を責めていた。私は兄も自ら命を絶ってしまうのではないかと毎日恐怖に怯えた。そして考えている、なんとか救えないものかと。

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