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第一章不良コーチと女子高生 2
『シャ』
そんな音と共にカーテンが開かれ、外から光が入ってくる。
「ん……タカシぃ……もう起きるの?」
「もうって、もう十時だぞ」
「ばかぁ。まだ十時でしょ。昨日はタカシが寝かせてくれなかったから眠いのぉ」
光が入ったのは六畳間ほどの部屋だった。簡素な部屋でベットとクローゼット以外は置いて居なかった。
そしてそのベットには半裸の女性が甘えた様な声を出しながら布団を抱き締めていた。
「ねえ、こっちで一緒にネンネしよ」
誘うような視線、歳は二十代だろう。大人の色香が有った。
「いや、良い。もう眠くねえし」
それに応えたのはカーテンを開けた男だった。不精髭を伸ばし、髪もボサボサでの青年。その身なりは明らかに会社に勤めている様なそういった類の人間では無かった。
タカシと呼ばれた人物は裸だった上半身にシャツとジャージを羽織ると女の事などまるで居ないかの様に支度を済ませる。
「今日は私休みだからどっか食べに出かけようか?」
「ああ」
「ふふ、待ってるよ」
女性に見守られながら男は玄関を出た――。