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明生と馬場

 次の日、トイレのドアノブのネジが緩んできた為、晴美は直そうとしていた。でも、いつものドライバーが、工具箱の中をどんなに探しても見当たらない。どうやら昨日、馬場が出掛ける時間になったので、急いで工具を片づけた時に入れ忘れたのだ。

 晴美はすぐにドライバーを取りに馬場家へ急いだ。


 馬場家の玄関ブザーを押そうとした丁度その時、そっと若い女性が出て来たので晴美は驚いた。

「あ……こ、こんにちは」

 思わず挨拶をしたら、その若い女性は軽く会釈をした。多分、この女性は昨日、馬場が同伴したキャバクラ嬢だ。年齢は二十二、三だろうか。色が白くて痩せていて、とても可愛いらしい顔立ちの女性だが、その顔はどこか疲れていた。昨日の華やかなワンピースではなく、地味めな色のカットソーにジーンズ姿で、スニーカーを履いていた。

 歩き出したその若い女性の後を、思わず晴美は付いて行った。その女性の後ろ姿を見ながら、晴美は想像していた。

「まさか……昨日、お持ち帰り?」

 もうすぐ七十歳になるジジイと、この若い子が? まさか。でも最近は年の差婚とかよく聞く話しだから、とあれこれ想像しながら歩いていると、前から陽太朗の母親、恵子が歩いてきて「あら、久しぶりね」とその若い女性と親しげに話し始めた。どうやら知り合いの様だ。そして二、三分程立ち話しをしていた。恵子は声が大きいので、所々話している内容が聞こえてきた。「彼とは本当に別れたの?」「どこに引っ越したの?」「水商売? 身体に気を付けてよ」など。

 もしかして、陽太朗が詩織に話していた、メゾン花ノ木に前住んでいた同棲カップルの女性ではないだろうかと晴美は思った。


 そして、恵子がその若い女性と別れたのを待ち、晴美は挨拶をした。

「陽太朗くんのお母さん、こんにちは」

「ああ、こんにちは。今日は夕方から降るみたいね」

 と曇り空を指差して、まず天気の話を始めた。

 その後、それとなく晴美が落書き事件の話題を振ってみたら、陽太朗の母親もやはり馬場が誰かに恨まれてるんじゃないかと疑っている様だった。

「入居者の退去時はよく揉めてたからねぇ。前も隣に住んでた人が……あっ、丁度さっき立ち話しをしてて……」

「ああ、あの若い女性?」

「同棲してたんだけど別れたみたい。いつの間にか出て行ったから、どうしてるんだろって思ってたの」

「綺麗な子ね……が、学生さん?」

「ううん……何かね……」

 その後、急に小声になって「夜のお仕事してるみたい……」と続けた。

「何かそんな雰囲気の子じゃないのにね……」

「そうでしょ。地味でおとなしくてね、いつもずっと家にいる様な子だったのに……」

「ずっと家に?」

「彼氏がね、働かなくてもいいって言うんだって。まぁね、あんなに可愛い子だから心配だったんじゃないの? でも結局別れちゃうなんてね……」

 と散々喋った後、急いで午後のパートへ向かって行った。


 そのままあれこれ考えながら、気が付いたら家の前にいた晴美は、玄関の前で大切な事を思い出した。

「あっ! ドライバー!」

 その時、明生の笑い声が聞こえた。今日のこの時間は予約が入っていない筈だと思い、玄関を開けたら、晴美のドライバーを持った馬場が明生と話していた。

「あっ、すみません……私もそちらへ行ったんですけど」

「途中で会わなかったの?」

「寄り道でもしてたんだろ? それか井戸端会議だ。死んだ家内もよくその辺に行っては帰って来なかったからな」

「まぁ……そんなとこです」

 あなたの家から出てきた女性を尾行していたんです。などとは言えない晴美だった。

「あっ、玄関で立ち話しも何なんで、お茶でも飲んでいって下さい」

 晴美は中に入る様に促した。

「馬場さん、用事があるみたいだから」

「今日はパソコン教室の日だ!」

「まぁいつも忙しくしてるんですね」

「ボケん様に必死だ。じゃあ御主人、今度誘うから、是非一緒に行こう!」

「はい。ご迷惑じゃなかったら、御一緒させて下さい」

「じゃあ、近いうち! 奥さん、これ」

 と晴美にドライバーを渡し出て行った。

「誘うって……どっか行くの?」

「キャバクラ」

「は?」

「何か探れるかもしれないだろ?」

 そう言いながら、明生の顔はニヤけていたのを晴美は見逃さなかった。


 その夜、晴美は今日馬場の家からキャバクラ嬢、マリコが出てきたのを見た事。そのマリコはメゾン花ノ木の元住民で、東峰化学に勤めている男性と同棲していた事。それを陽太朗の母親、恵子から聞いた事。それを踏まえて、明生と詩織に晴美の考えを話した。

「もしかして、詩織が言った通り、落書き事件の犯人は、メゾン花ノ木の元住民の男性なのかしら……」

「やっぱり? 私の推理通りじゃん」

 と詩織が得意気に胸を張った。

「その男性は結婚を決めようとしていた彼女と別れる事になり、寂しく自分は会社の寮へ。でも明け渡しの時、馬場に何かといちゃもんを付けられて、嫌な思いをさせられた。それから、風の噂でマリコがキャバクラで働いている事を知って、まだ未練がある男性は、様子を見に店へ。そこにいたのは自分に嫌な思いをさせた馬場。しかもマリコを指名したり同伴をしているのを見て、腹を立てて思わず落書きを……」

 晴美が大体こんな風に纏めるが、明生はどこか納得していない様子だった。

「何か違う気がするんだよなぁ……他に何かあるような……」

「そうかもしれないわね。他に何かあるとしたら、それは三角関係ね」

「はぁ? ジイさんとキャバ嬢とエリートサラリーマンの?」

「そう。結婚しようと思っていたマリコさんに振られた男と、長年連れ添った奥さんを失った寂しい老人、その二人が本気で彼女を取り合っているのよ。恋は人に訳の分からない行動を起こさせるの。嫉妬して幼稚な落書きをさせたり、お酒も飲めないのにキャバクラへ通わせたり……だって恋は盲目っていうじゃない?」

「へぇー、今が恋愛小説家・月丘雨音の恋愛推理ですかぁ?」

「何? 又ちょっとバカにしてる感じ?」

「てか、恋は盲目って何? お父さんのこと?」

「は? 詩織、恋は盲目って言葉知らないの?」

「そんな古い言葉知らないよ!」

「古いとか新しいって事じゃないのよ……シェイクスピアのベニスの商人っていう作品でね……」

「もういいって! めんどくさそうな話!」

「聞きなさいよ!」

 そんな晴美と詩織の掛けあいを、明生は少し呆れて聞いていた。


 早速、一週間も経たないうちに馬場に誘われ、明生はウキウキ気分を押さえながら出かけて行った。そう、キャバクラへ。

「今日はずっと朝から落ち着きがなかったのよね」

 そう呟きながら、晴美は出前の寿司を食べていた。

「えっ、出前なの? 今何か書いてるの?」

「別に何も書いてないわよ。ただ今日は作る気にならなかっただけ」

「まさか……お父さんがちょっと遊びに行ったくらいで。何? 心配してんのー」

 何となく、詩織に明生がキャバクラに行ったという事は話せなかった。

 たまに占い師の人たちと飲み会などはあったが、若い女の子がいる店に行くのはきっと初めての筈。行った事があるとしたら、ちょっとアダルトなスナックだろう。意外と好奇心旺盛な明生は、きっと楽しんでいると思うが、晴美はちょっと心配だった。馬場の様に誰かに入れあげたりしないだろうか……と。


 キャバクラ『ストロベリー☆キッス』は賑わっていた。馬場と明生の席にはキャバクラ嬢がずらりと並んでいた。勿論、馬場の隣にはマリコが座っていた。

「占い師さんなんですか? 占って下さいよー」

「えーっ、私が先よ、私!」

 と占い好きのキャバクラ嬢が、甘―い声で明生に群がっていた。指名が入り、一人のキャバクラ嬢が席を立った。

「先生、また帰ってくるから、その時みてね」

 と耳元で囁いた。微かにニヤける明生。

「なんだ、ホントに女は占いが好きだな。マリコちゃん、占ってもらったら?」

「いいえ。悪いんですけど、私そういうの信じないので……」

「ワシもだ。気が合うな」

「あ……お客さんに失礼ですね。ごめんなさい」

「いえいえ、人それぞれですもんね」

 明生は、言葉少ないマリコの声から、何かとても儚い物を感じていた。若い人が持っている溌剌とした匂いや空気、そんな物がマリコには全くない様に思えて……。


「マリコさん、御指名入りました」

 ボーイが告げると、マリコに「あいつか?」と小声で馬場が尋ねた。

「たぶん……」と小さく答え、マリコは他の席に行ってしまった。

 馬場と明生の席にいるキャバクラ嬢たちを、ボーイが他の席に付かせ、ツバサとジュンだけが残った。

「あの人、昨日も来てマリコさん指名してましたね」

「ああ、市之瀬さんね。確か東峰化学で働いてる人でしょ」

 ツバサとジュンのヒソヒソ話しを明生は聞いていた。きっとその東峰化学の男性は、マリコと同棲していた男性だ。晴美の考えていた通り、まだ未練があるからこの店に通っているのだろう。そして、マリコ目当てに通っている馬場の事が気に入らないのだ。

「ちょっとトイレに行って来る!」

 と馬場は席を立った。

 明生はその隙に、その市之瀬という東峰化学の男性の事を訊いてみようと、さり気なくジュンに質問してみた。

「お店に毎日の様に通う方もいるんですか」

「さすがに毎日って事はないけど、お目当ての子がいる人は週一くらい来ますね」

「マリコさんは人気があるんですね」

 そう言うと、ジュンはクスっと笑った。

「ここだけの話し、マリコさんは、馬場さん以外指名、なかったんですよ」

「そうなんですか。でも、今指名が入りましたよね」

「ホント、最近なんです。マリコさんはあんまりやる気がないっていうか、きっと向いてないと思うんですよ。私が言うのも何だけど……」

 確かに、マリコはあんまり話さないし大人しい。そんなマリコがなぜ水商売をしているのか明生は分からなかったが、でも単純に考えたらお金が必要だからだろう。そう思い、明生は席を立った。

「あの……僕もトイレに行きたいんですが」

 ここで座って馬場を待っている場合じゃない。動かなくては……と、ジュンの肩に手を置いてトイレに向かった。

 ドアの近くまで案内され、中に入ろうとドアを開けたら、激しく怒鳴る馬場の声がした。


「お前、何しに来るんだ! マリコちゃんとは別れたんだろう」

「別れてない。あいつが勝手に出て行ったんだ」

 と市之瀬であろう声が聞こえた。

「でもマリコちゃんは別れたがってるだろ」

「それは彼女が決める事じゃない! 僕が決める事だ! 大体ね、あんたには関係……」

 市之瀬が明生に気がついたらしく、会話を止めた。

「あの、入りたいんですけど……」

「あっ大谷さんか、どうぞ」

 と奥にあるトイレの扉を開けて、明生を促した。

「どうもありがとうございます」

 そう言って中に入り、耳を澄ませた。

 明生が来たせいか、馬場と市之瀬の言い合いは終わった。

「もう来るな! 分かったか!」

「おじいさんこそ、いい年してみっともないですよ」

 バカにした様に言い放ち出て行こうとすると、馬場が呼び止めた。

「おい待て! ずっと訊こうと思ってたんだが、お前がうちのマンションに落書きしたのか?」

「何の事ですか?」

「五月のゴールデンウイーク明けの火曜日と次の週の金曜日、次は又火曜日、お前は朝どこにいた?」

「はぁ? さっきから何言ってるか分からないんですけど?」

「しらばっくれるな!」

「残念ですが、五月は殆どが出張でした。そちらのマンションなんて行ってる暇はないですよ。会社に問い合わせてくれてもいいですから」

 そう冷たく言うと、さっさと出て行った。

 トイレの中の明生は、どのタイミングで出て行くか迷っていた。

「大谷さん、一緒に席に戻ろう」

 と馬場が声を掛けてくれたので、明生は安心した。

 席に戻ると、マリコが市之瀬の席から戻って来ていた。

「今日は一緒に帰ろうか、送っていくから。マリコちゃん、どうだ?」

「あの……今日、ママにアフターに行くように言われてて」

「まさか、あいつとか?」

「はい、でも大丈夫です。市之瀬さんは、あくまでもお客様なので……」

 そんなマリコの声からは、やはり覇気が感じられなく、どこか危なっかしい感じがした。


 帰りのタクシーの中、馬場は心配そうにずっとメールを打っていた。馬場が晴美の言っていた通り、マリコに本気で恋をしているのではないのかと、明生は感じていた。

「あの……馬場さんはお酒も飲まないのに、あの店に通ってるのはやっぱりマリコさんが好きだからですか?」

 明生ははっきりと訊いた。

「な、何を急に言い出すんだ。す、好き? いい年をしてそんな事は思っていないが……」

 と照れて結構焦っていた。

「ああ、大谷さんなら理解してくれるかもしれんが……」

「何ですか?」

「ワシはあの子の声が何とも懐かしくて……」

「声が懐かしい、んですか?」

「昔、信用金庫の受付をしていた頃の……家内の「馬場さん」て呼ぶが好きでな」

「じゃあ、奥様の?」

「ああ、若い時の声が、本当に良く似ていて……」

「そうだったんですね」

「ああ……若い頃は、家内には辛い思いばかり、苦労ばかりかけてしまったからな……」

 少し涙ぐんでいるが明生には見えない。でも、微妙に震える声を感じる事は出来た。その悲しみの中には、馬場の数え切れない程の後悔があった。


 翌日は休日だったので、疲れた明生はお昼まで寝ていた。リビングに行くと、晴美と詩織が相変わらず、落書き事件の事を話していた。

「だから、その男が犯人じゃないなら、やっぱりこの辺に住んでる奴の犯行よ。朝、わざわざやって来て、あんな事して帰るなんてやっぱりおかしいでしょ」

 そう晴美が言うと、詩織がうんざりした顔で言い放った。

「もう面倒くさい!」

 そりゃそうだと明生も内心思ったが、ここはひと言、言っておかないといけない。

「おい詩織、ミステリーを想像しろとか、お母さんの心を揺さぶったのは誰だ?」

「私ですけど、何か?」

「うわっ、憎たらしい! 何よその言い方は」

「おいおい、今は落書き事件よりも、マリコさんが市之瀬とかいう、前の彼氏にストーカーの様に付きまとわれている事の方が気になるんだ。昨日はアフターに行ったみたいだし。馬場さんが凄く心配してたよ」

「ねぇ、アフターって断れないの?」

「断れる事は断れるらしいけど、あの市之瀬ってやつは会社の人間をよく連れて来る、なかなか良い客らしいんだ」

 明生が聞いた話では、市之瀬は見掛けも爽やかで感じのいい男性のようだ。営業での成績もかなりのもので、将来有望らしい。

「じゃあ明生さんと馬場さんが帰る前に、マリコさんは市之瀬って人と……」

「ちょっとちょっと、お父さんは一体、昨日はどこに行ってたの?」

 晴美は、明生がキャバクラに行った事を黙っていた事をすっかり忘れていた。

「ああ、昨日はね、馬場さんに誘われて……ほら、何か掴めるかもしれないだろ? お母さんが行って来て欲しいって言うから」

「はぁ? 私そんな事言ったっけ?」

「言わなかったか?」

 明生がちょっと焦った感じだったのを、詩織は面白がってからかった。

「お父さーん、キャバクラデビューおめでとう! モテモテだった?」

「まぁまぁかな……」

 モテモテだったかどうかはちょっと気になるが、明生のお陰で犯人は市之瀬ではない事が分かった。また振り出しに戻り、早朝パトロールで犯人を捕まえないと……晴美は心の中でそっと叫んだ「面倒くさい!」


 明生がキャバクラデビューして間もなく、『ストロベリー☆キッス』のジュンがやって来た。予約もしないで占って欲しいと言うが、その日の『占瞳館』は珍しく予約でいっぱいだった。玄関で帰すのは酷だと思い、晴美はリビングでお茶とお菓子を出した。

「申し訳ないです。今日は無理ですけど、また今度……」

 ジュンは残念そうにしていたが、

「予約しなかった私が悪いの。私、せっかちだから思い立ったら今日だーって! だからお客も逃がしちゃうのね」

 そう言ってケロッと笑い、お菓子を美味しそうに食べていた。

「ねぇ、奥さん、馬場さんの家ってこの辺?」

「あっ、馬場さんの家は桑原町なので、花道駅の手前あたりなんですけど……」

「じゃあ、帰り寄ってこうかな。近くまで来たんで寄りましたーとか言って、そのまま同伴してくれないかなぁ……無理か、マリコちゃん一筋だしぃ」

 と独り言なのかどうなのか、微妙な感じで喋り始めた。

「馬場さんはいつもマリコさんって方を指名してるの?」

「そう。何か、老いらくの恋ってやつ?」

「……恋?」

「前、お店のトイレでマリコちゃんの元カレと喧嘩したのよ。何か凄くない?」

「ああ、主人がお店に行った日ですか?」

「そうそう」

「その元カレって東峰化学の市之瀬……」

「うわっ! よく知ってるね。ああご主人から聞いたの?」

「いえ、ああ……はい……」

 今まで自分から色々嗅ぎ回ったり調べたりしたんですよ。なんて言えるはずがない。

ジュンは特別マリコと親しくしてる訳ではないが、この性格なので、悪びれる事無くあれこれプライベートな事をズバズバと訊いていたようだ。当然、市之瀬と同棲していた事もマリコから聞いていた。そして、意外な事を話し始めた。

「でね、いま私、マリコちゃんと同じマンションに住んでるんだけど、前に、市之瀬さんとアフターの時、部屋に泊めたみたいなの」

「えっ?」

「私、知らなかったから、マリコちゃんって、そういう手段でお客取るんだってちょっと引いてたんだけど、よくよく聞いてみたら、同棲してたった言うし、またやり直すかもって」

「やり直す?」

 まさか、ストーカーどころか、寄りが戻ってるなんて。馬場が知ったらどんなにショックを受けるだろうと晴美は馬場の顔を思い浮かべた。

「出来たらマリコちゃんは早く結婚した方がいいと思う。両親とももう死んじゃっていないみたいだし、キャバ嬢とか向いてないと思うし、市之瀬さんに借金も払って貰って早くお店辞めた方がいい……」

「借金?」

「携帯で返済がどうのって話してるの聞いた事あってね。まぁ借金なんて珍しくないけどね」

「そう……」

「あっ! 人の事なのに、ペラペラ喋り過ぎちゃった。これだからお客に逃げられるんだよねぇ……」

 とまたケロッと笑い、お菓子を美味しそうに食べた。

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