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詩織と麻友

 次の日の朝、詩織はいつもの集合場所の公園で、なかなか来ない麻友を気にしていた。

「誰か見て来いよ! 遅くね?」

 分団長の和也がイライラし始めた。

「もう行こう、今日休みだと思う」

 昨日の事がこたえているんだ、そう察した詩織は和也に出発する事を勧めた。

 すると何かを感じ取ったのか、陽太朗がやっぱりしつこい。

「何でそう思うんだよ。早川って転校してきてから無遅刻無欠席なのに。あっ、何かあったのか?」

「別に。なんとなくそう思っただけ。行こう」

 そう誤魔化して先に歩きだしたら、和也が定位置の一番前に立ち「行くぞ」と列を揃え歩きだした。


 その日の詩織は散々だった。

 国語の時間、宿題を忘れていた事を授業が始まってから気付き、体育の時間は体操服を忘れていた。給食の時間はカレーを思いっきりひっくり返し、お気に入りのパーカーにシミを付けてしまった。


 そんな放課後、詩織はまっすぐ家に帰る気になれず、足は何となく麻友の家へ向かっていた。

 でも、いざ家の前に立つと、ブザーを押す手が伸ばせない。

「早川さんが出て来るかな? やっぱお母さんかな? まず何て挨拶しよう……」

 などとブツブツと呟きながら、玄関ブザーを睨み、「やっぱ帰ろ」と踵を返したら、後ろに三十代位の男性が立っていた。


「麻友のお友達かな?」


 詩織はすぐに麻友のお父さんだと分かった。涼しい感じの目元がよく似ていたからだ。

「えっとぉ……」

 その先が出て来なかった。それは「友達」と聞かれたからだろうか。詩織は、「同じクラスの大谷詩織です」とペコリと頭を下げた。

「昨日の夜に熱が出てね、なかなか下がらなくて。午前中に病院へ行ってきて、今まだ寝てるかもしれないけど……」

「大丈夫ですか?」

「大丈夫、もう熱も下がってきてるから」

「よかった……それじゃ……」

 詩織はそのまま帰ろうとしたが、玄関ドアを開けて「起きてるか―」と元気よく麻友を呼んだ。

「いいです。もう帰るんで……」

「せっかく来てくれたんだからお茶でも飲んでって。あっ、アイスの方がいいかな」

 父親の壮介は麻友の父親とは思えない程、とても明るい雰囲気の人だった。

「い、いいえ! 寝てるみたいだし……」

 そんな詩織の言葉もほぼ聞こえていない様子で、壮介は二階の方から「どうぞ」となにやらバタバタ片付けている様子。

 昨日、無理やり麻友を家に入れた事を思うと、何だか帰るのが悪い気がして、詩織は「おじゃまします」と早川家に入った。


 早川家のリビングはとてもシンプルで、壁に掛かったテレビ、部屋の中心に丸いテーブル、背の高い棚があり、大き目のビーズクッションが三つ、部屋の隅に並んでいた。


「ほら、麻友! 友達の大谷さんが来てくれてるぞ」

 すると階段を下りる音がして、青白い顔の麻友がパジャマ姿で入って来た。

「お父さん、大谷さんは友達とかじゃないから!」

「そうなのか? 同じクラスなんだろ? なら友達じゃないか。ねっ!」

「あっ、はい……」

「麻友、夜の仕込みやったらすぐに帰って来るから! あっ、ここから車で十五分位の所で洋食屋やってるんだけど、良かったら食べに来て。サービスするから!」

「お父さん、早く行ったら?」

 麻友が少し恥ずかしそうな顔をした。

「じゃあ、ゆっくりしてって」

 壮介は二人分のカップのバニラアイスクリームと冷たいお茶をテーブルの上に置くと、素早く出て行った。

「行ってらっしゃい」

 麻友が見送ると、どこか気まずい雰囲気が漂った。何気なく部屋を見渡すと、棚の上に小さな仏壇があるのが見えた。仏壇の中の写真は、二十代後半くらいの綺麗な女性だった。どこを見たらいいのか分からず、詩織はじっと見つめてしまった。

「何?」

 麻友がちょっと不機嫌そうに詩織を見た。

「綺麗な人だなぁって思って」

「お母さん。幼稚園の頃、死んじゃった」

「えっ! そ、そうなんだ……えっ?」

 確か、昨日の話では弟がいて四人家族だと言っていたのに……詩織はちょっと首を傾げた。

「あっ、新しいお母さんがいるの」

 麻友は詩織のリアクションを察してすぐに答えた。

「あ、新しい? じゃあ今日は……」

「いないよ。弟が生まれたから、今は里帰りしてる」

「弟? そうなんだ……」

 詩織は勝手な想像をしてみた。

 再婚相手と相性が悪く、弟が生まれてもう父親から構ってもらえない。自分の居場所がなくなって……それであんな事件を? でも壮介のキャラからそんな感じはしなかった。でも気になったので聞いてみようと質問してみた。

「新しいお母さんに反抗とかしない?」

「どうして? 仲いいけど」

「ふうん……」

 そのまま話が途切れ、後は何を話したらいいのか分からず、お互い黙ってしまった。詩織は何か話そうと必死で話題を探すが……。

「大谷さん、アイス溶けちゃうから食べて」

「あ、ありがとう……」

 こうなったら早くアイスクリームを食べて帰ろうと思ったが、遠回しな話題よりもどうしても気になっていることを麻友に訊いた。

「……もう言ったの?」

「えっ?」

「お父さんに……」

「……あっ……まだ」

「だよね。怒られる? やっぱり」

「うん。でも大丈夫。仕方ないよ」

「……一つ訊いていい? マンションって無差別に選んでやったの?」

「どうしてそんな事?」

「別に。いろいろマンションやアパートがあるのに、やっぱり個人的にムカつくやつが住んでるところとか選んだりしたのかな……って思って」

「まさか。別にムカつく人とかいないもん。大谷さんはいるの?」

「いるよ。例えば、コーポ花柳に住んでる大学生、よくタバコのポイ捨てするの。錦マンションのギャルママ、公園でお喋りに夢中で子供が野良猫に悪戯してるの、見て見ない振りしてるし……ちょっと待って」

 アイスが溶けそうなので、詩織は途中でアイスを食べながら話した。

「で、向日葵ハイツのおじいさん、猛暑日とか殆ど全裸でベランダにいるし……」

「……後は?」

「別に今の所はこんな感じかな」

「メゾン花ノ木には?」

「ああ、陽太朗がお喋りでムカつく!」

 思わず笑い合った。詩織は麻友の笑顔を見て、少し安心した。

「あっ、今の会話、だれかに聞かれたら私がやったって思われるかな?」

「大丈夫。疑われても、私が全部やりましたって、ちゃんと言うから」

 そう言うと、麻友は寂しそうに俯いた。もう反省してるし見なかった振りをしたい。でもその時、詩織は違和感を覚えた。


 麻友の家からの帰り道、詩織の心は複雑だった。玄関で「気を付けて帰ってね」と少し照れた様に微笑む麻友の顔が浮かんで……。

 すると前から、友達と仲良く歩いてくる女子高生、杏奈を見た。メゾン花ノ木の落書きは杏奈の友達がやったと聞いている。じゃあ、隣のあの人かな……と思いながらすれ違った。

「あれ? 大谷先生ンとこの子でしょ?」

「大谷先生? あっ、前話してた占い師さん?」

 杏奈が友達と二人で親しげに詩織に話しかけてきた。詩織は恥ずかしそうに「どうも」と挨拶をした。

「今度、私も占って貰おうかなって思ってるの。予約の電話って必要だよね」

「はい。その時、名前と連絡先と生年月日と、もし分かるのなら生まれた時間を言って下さい」

「わっ、超しっかりしてるー」

 と杏奈が何が可笑しいのか、友達とキャッキャッと笑っていた。

「じゃあ、お父さんによろしくね」

 警察には行ったのかどうか分からないが、様子からして多分まだ行っていない、もしくはこのまま言わないでいるつもりなのか、詩織はこの二人のギャルを疑った。

 その時突然、麻友と喋っていた時の違和感をやっと理解した。メゾン花ノ木の落書きは、杏奈の友達がやった筈。後の三軒は多分、麻友がやったという事になっている。でも今日の会話の内容で考えると、麻友はメゾン花ノ木の落書きも自分がやった様な言い方をしていた。

「大丈夫。疑われても、私が全部やりましたって、ちゃんと言うから」

 麻友は確かにそう言った。あの会話の中で、一件目は知らないって言わなかった。そうだ、きっと誰かを庇っている、詩織はそう確信した。


 家に帰ると、その事をいち早く晴美と明生に伝えた。麻友がやっていないと思うと、晴美も明生もどこか嬉しそうな顔をした。

「やっぱりそうか……よかったわね」

「うん。きっと誰かを庇ってるんだよ。だとしたら思い当たるのはただ一人。東山中学のあの里村って男子!」

 詩織の言うとおり、いつも一人でいる麻友と一緒にいたのは東山中学校のあの男子しかいない。

「もしその男の子がやったんだったら、何であんな事を? ああいう頭のいい学校に行ってると、何か、パーンって弾けちゃう瞬間があるのかしら? 例えば成績が下がって、何かムシャクシャして、母親のコンシーラーを持ち出して、一件目の落書きを真似て落書きをした。その時、気分がスーッとして……だから繰り返し繰り返しやってしまった」

 晴美はすっかり自分の世界に入り、話し始めた。

「でも、錦マンションで落書きをした時、早川さんがそれを目撃しちゃったのね。逃げようとした時、落としたコンシーラーを早川さんが拾った。それはもうショックだったはずよね……好きな男の子があんな事をやってるのを知ってしまって……警察にも言えないし、私さえ黙っていればいいと思ったんだろうけど」

「でも、私たちに問い詰められて、自分がやったって言っちゃった」

「そう、それは淡い恋心がついた切ない嘘……」

「出た! 月丘雨音の恋愛推理! 流石ですねぇ」

「詩織、またバカにしてる感じ?」

「してないよ!」

「じゃあ何でいつも半笑いなのよ!」

「笑ってないって……」

「もういいかな?」

 ずっと黙っていた明生が我慢できずに話を切った。

「何か、早川さんを追いつめて嘘をつかせてしまった様で心苦しい……だから謝りたいんだ。また今度、家に遊びに来る様に言っておいてほしい」

「うん、分かった。私、いまから早川さん家行ってくる」

「明日でもいいんじゃない?」

「ダメだよ! こういうのは早くしないと!」

 詩織は再び麻友の家に走った。早く行って早く言いたかった。


「ごめんなさい!」

 詩織は麻友の家の玄関で、頭ごなしに疑った事をまず謝ろうと、頭を下げた。

「で、どうして嘘ついたの? やってないのに」

 その後、どうしても真実が知りたい詩織はしっかりと麻友の目を見つめた。

「嘘、ついてない。私がやったの」

「ごめん、もう無理だよ。分かっちゃったの。一件目の、メゾン花ノ木と二件目から四件目の落書きの犯人は違う人なの」

「えっ?」

 とても驚いた顔が嘘をついていた事を物語っていた。

「入って……」

 今度はリビングではなく麻友の三階の部屋に通された。


 麻友の部屋の壁には、美少女戦隊物のアニメのポスターが貼ってあり、本棚には色々な漫画の本が並んでいた。

「わぁ、これ読んでみたいって思ってたんだ……」

 詩織は漫画の本を順番に見始めた。

「大谷さん、漫画好きなの?」

「うん! あんまり買ってもらえないけどね……あっ!」

 漫画本の並びに見慣れた小説があった。

「……これって……」

 それは『SとNの日記帳』の単行本だった。

「何? ああ、お母さんが読んでた本」

「えーっ! マジでー?」

 とても興奮した詩織を不思議そうに見つめ、麻友は『SとNの日記帳』を本棚から出した。

「死んじゃったお母さんがどんな本を読んでたのかなって、ちょっと興味があって……最近読んだんだけど……正直、主人公の気持ちがよく分かんないとことかあるけど……でも、なんか好き」

「本当? 何か嬉しい!」

「読んだの? 大谷さんも好き?」

「別に……そんなには……」

「じゃあ何で嬉しいの?」

「それね、私のお母さんが書いた本なの!」

 冗談だと思い麻友はクスっと笑う。

「嘘じゃないよ。私も最近知ったんだけど」

 詩織の真顔を見て、嘘や冗談ではないと気付き、麻友は頬を赤くした。

「えっ! 本当に? そんな事ってあるの?」

 そして知っている麻友じゃない程リアクションした。

「うちの洋食屋さん『ぶいよん亭』ていうんだけど……」

「ああ、主人公がバイトする店の名前だっけ?」

「そう。お母さんがね、いつかお父さんとお店をやる時、絶対『ぶいよん亭』にしてって言ったんだって」

「へぇ……そうなんだ……」

 詩織は、自分の母親が書いた作品の世界が、こんな風に広がっていく事が不思議に思えた。

「じゃあ、他の作品って読んだ?」

「他の作品? 家にはこの作品しかなかったけど」

「あと二作品、まぁ面白いかどうか微妙だけど、よかったら今度貸してあげようか?」

「いいの?」

「本当に微妙だよ」

「そんなこと言っていいの?」

「いいのいいの」

 詩織と麻友は嬉しそうに笑い合った。詩織は一体何をしにここに来たのか? 完全に忘れている。

それから暫くの間、麻友が好きなアニメの話や詩織が好きなファッションの話しなどをしていた。

その時、なぜか詩織はもう何も聞かないで帰ろうと思っていた。それを聞いた事で、今楽しく喋っていた時間が台無しになってしまう様な気がしたからだ。

「じゃあ帰るね」

 詩織が玄関の方へ向かうと、麻友が呼び止めた。

「いいの? 聞きに来たんでしょ?」

「もういいの。謝りに来ただけだし……早川さんがやってないならそれで安心したから。じゃあねバイバイ」

 行こうとしたが、詩織はずっと麻友に言おうとしていた事を話し始めた。


「あっ、あのね、私、そんなに沢山いないから……友達」


 急にそんな事を言うので、麻友はキョトンとしていた。

「何か私、広―く浅―くって感じで……もしね、先生が、二人一組でペアを組んでって言ったら、私、ぽつん、かも」

「何でそんな話するの?」

「別に、何となく。じゃねバイバイ」

 そう言って詩織が出て行った後、麻友は迷っていた。詩織になら相談してもいいのかもしれない……と。


 その頃、晴美は東山中学校の男子の様子を探ろうと、里村家の辺りを歩いていた。

 さり気なく、里村家の前を通ると、古いが立派な数奇屋門の柱には、セールスお断りや狂犬注意などのステッカーがごちゃごちゃ貼られていた。その中に、緑色の掠れたステッカーが目に付いた。それはどこかで見た事があるものだったが、晴美は思い出せなかった。


 花道町三丁目は、築二十年から三十年以上の家や、築一年から三年程くらいの建売住宅が並んでいる。

 建売住宅に住んでいるのは一年生の蓮の家族の様な比較的若い家族だ。

「あの……大谷さんですか?」

 三十代前半くらいの若い女性が晴美に話しかけてきた。

「はい。そうですけど……」

「私、最近引っ越してきたばかりなんです。あの家なんですけど」

そう言って自分の家である新築の建物の方を指した。門の表札は『林孝之・美咲・海斗』

「あっ私、林と言います」

「どうも、一丁目の大谷です」

「あの、御主人、占いをやってるんですよね?」

「はい」

「前にショッピングモールでやっていて、当たるって評判だとか」

「はい……まぁ……」

「うちの兄の婚期が遅れてるって母が心配してまして、相談に行きたいって」

「是非、いらして下さい。お手数ですが、いらっしゃる前に予約を入れて下さい。生年月日と名前を……」

 そんな話しをしていると、目の前を東山中学校の男子が通っていった。この林という女性の隣が蓮の家で、その隣が里村、東山中学校の男子の家だ。晴美は、家に入って行くのを目で追っていた。家に入る時、玄関で母親らしき髪の長い女性が出て来て、玄関の外を軽く掃いて、すぐ中に入って行った。

「大谷さん、どうしたんですか?」

「いいえ……あの子、東山中学なんですね。賢そうな顔してる」

「……でも、愛想悪いですよ。悪口じゃないですけど、お母さんも」

「そうなんですか。あっ、こんなこと聞いてあれなんですが、あのお宅ってお母様と息子さんの二人暮らしですよね?」

「いえ、お父さん、いらっしゃると思いますよ」

「えっ?」

「引っ越してきた日、家族三人で御挨拶に行ったんです。その時、うちの息子が急におしっこって言いだして、間に合わないって言うのでトイレを貸して頂いたんです。その時、怖い顔のおじちゃんがトイレに居たって……」

「怖いおじちゃん……」

「たぶん……お父さんだと思いますよ」

 詩織が蓮から聞いた話しとは違う。母子家庭じゃない……小さい子供が言っている事だし勘違いしてるのかもしれない。でも、どっちにしても何かあるに違いない。

でも、怖いおじちゃんって……バザーの時に家に行った時、出てきたご主人は、童顔で優しい顔をした人だった。少し見ないうちに変わってしまった? そんな筈はない。きっと別人だろうと晴美は思った。

 

 あくる朝、詩織がいつもの集合場所の公園に行ったら、もう麻友がいた。今日は麻友が一番乗りらしい。多分、陽太朗がギリギリの時間に走ってくるんだろう。

「おはよう、早川さん。昨日は二回も行ってごめんね。もう大丈夫?」

「うん。こっちこそごめんね」

 詩織はいつもより麻友の声がしっかりしている様な気がした。

「あのね……今日、聞いてほしい事があるんだけど」

 多分、なにか話してくれる決心をしたんだと詩織は感じた。

「じゃあ、家においでよ」

「いいの?」

麻友は放課後、大谷家に行く約束をした。

「何だよ、珍しいな。何喋ってんの?」

 いつの間にか陽太朗が来ていた。

「珍しいのは、あんたが今日早い事よ」

「知ってた? また落書き見つかったらしいよ!」

 どうやらそれを言いたくて早く来たようだ。

 思わず詩織は麻友を見た。麻友はとても思い詰めた様な顔をしている。その時、詳しい事を訊こうとした詩織より前に、麻友が陽太朗にいつもより大きめの声で尋ねた。

「今度はどこのマンション?」

「うわっ、びっくりした! 早川、そんなに声出たんだ」

「そんなことはいいから、どこ?」

 今度は詩織が詰め寄った。

「な、何だよ……」

 詩織と麻友に睨まれ、ちょっと陽太朗は引き気味になった。

「マ、マンションじゃないよ、今度は車!」

陽太朗の話しだと、今度はマンションの玄関ではなく桑原町の駐車場の車に、やはり「バカ」「アホ」などの落書きが見つかったらしい。

「それに、警察はだれがやったか目星がついてるって噂だよ」

 詩織と麻友は顔を見合わせた。

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