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【完結保証】さようなら、婚約者様。私を騙していたあなたの顔など二度と見たくありません  作者: ゆうき@呪われ令嬢第二巻発売中!


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第二話 騙されていた……?

 無事に今日の掃除を終わらせた後、着替えと身支度をしてから次の場所へと向かう。


 この後は庭の草むしりをして、倉庫の整理をして、お手洗いの掃除をして……まだやることは盛りだくさんだ。


「あははははっ!!」


「……この声は」


 食堂の前を通ると、中から楽しそうに笑う声が聞こえてきた。

 僅かに開いていた入口から中を見ると、ゲオルク様が三人の女性と昼食を取っていた。


「ゲオルクお兄様のお話は、とても面白いですわ」


 腰まで伸びる金の髪と、男性のように身長の高い美しい女性、シンシア様は、口元に手を当てて、上品に笑っている。


 彼女はゲオルク様の妹様で、私がお世話になっているモンティス侯爵家の長女だ。

 とても大人びたご令嬢で、その微笑みは多くの男性を虜にすると言われている。

 魔法を使った剣術を得意とし、騎士団長になるために魔法学園に通っている。


 ゲオルク様のことをとても大切な兄として慕っているが、一方では私のことを毛嫌いしていて、ことあるごとに理由をつけて、暴力を振るってくる。


「ねえねえ、ゲオルクお兄様! もっと面白い話を聞かせてよ!」


 まるで幼い子供のように無邪気に笑う、小さな金色のツインテールが特徴的な女性は、ミア様だ。


 モンティス家の末っ子で、愛らしい顔立ちと小柄な体形は、まるで小動物のようだと言われ、多くの人に愛されているそうだ。

 将来は魔法を使った薬師になることを目標に、彼女も魔法学園に通っている。


 ただ、彼女も裏の顔は中々に酷い。シンシア様と同様に私のことを嫌っているのは同じだが、シンシア様と違って精神的な嫌がらせをしてくる。

 先ほど、私の大の苦手なヘビのおもちゃを使った嫌がらせも、その一種ということだ。


 ちなみにこの三人は三つ子で、学園ではとても有名でファンが多いと、使用人が話しているのを聞いたことがある。


「ふふっ……ゲオルク様……お話しする姿も、とっても素敵」


 ゲオルク様の隣を陣取り、恍惚とした表情を浮かべているのは、ルシア・ラーナー侯爵令嬢様。隣国にあるラーナー侯爵家のご令嬢で、同じ魔法学園に通う、薄い緑色の髪が特徴の美しい女性だ。


 ゲオルク様が魔法学園に入学してから間もなく親しくなったようで、頻繁にデートに行ったり、屋敷に来てゲオルク様とイチャイチャしている。


 つまりあの女性が、私からゲオルク様の心を盗んでいった、泥棒猫というわけだ。


 別に彼女と仲良くするのは構わないけど、それで私の扱いが手酷いものになるのは、歓迎できるものではない。


「そういえば、さっきアイリーンから、君達に嫌がらせをやめるように言ってくれって頼まれたな」


「ゲオルクお兄様、ワタクシ達は嫌がらせをしているつもりなどありませんわ」


「そうそう! 大好きなゲオルクお兄様に全く相応しくない貧乏人に、現実を教えてあげているだけだし~?」


「まあ、ゲオルク様の妹様達は、とってもお優しいですのね」


 いやいやいや、どうすればそれが優しいって認識になるのか、全く理解できない。ルシア様の頭の中は、一体どうなっているのだろうか?


「それにしても、あの女狐もバカだよね~。いまだに支援してもらってるって信じて、なにをされてもここにいるんでしょ?」


「……えっ……?」


 どういうこと? 今の言い方だと、まるでモンティス家が私の家を支援してないように聞こえるような……?


「そ、そんなことは……以前ゲオルク様が、今はパパもママも、良い生活をしてるって……」


「当然さ。あいつをここに住まわせてから、しばらくはそれなりの支援をしていたが、愛してもいない女の家族の支援なんか、するはずがないだろう? ああ言っておけば、従順に働く使用人を手元に置けるからな。ストレス発散も出来ていいだろう?」


 ……不敵に笑うゲオルク様が、今の私には地獄からやってきた悪魔のように見えた。


「それは何とも言えませんわ。ワタクシもミアも、あの女狐が心底嫌いですので。ゲオルクお兄様をたぶらかしたのもそうですが、女狐のくせに尻尾以外は人と同じとか、気味が悪いと思いません?」


「でもでも、その嫌いな女狐が何も言い返すことができないで、やられ放題なのは、見てて気持ちよくない?」


「そういうことだ。あのバカ狐には、これからも騙され続けてもらおう!」


「あっ……あぁ……!」


 私の家族は支援されていない。そう思ったら、無意識に私はその場から全速力で走り出し、屋敷を飛び出した。


 勝手な外出は許されていない。ましてや、家に帰ることなんて、屋敷に来てから一度も許されていない。


 でも、そんなことなんてお構いなしに、私は走っていた。一秒でも早く家に帰って、家族の安否を確認したかった。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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