お主は!ヌシ?じーちゃんがそれを寿司?
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〜マウ2出発の前の隠しネード〜
「ハジメーー!もう起きたかぁ?」
まったく…うるせぇーなぁ………
ほんと、年寄りというのは無駄に早起きだ。こっちは遅くまで召喚魔法陣の呪文変換の構築作業で寝不足なんだよ。
あーーーー眠い!
全然眠い!
「まだ眠いんだよ!」
そもそも苦手なんだよ、定義やら属性とかさ…
構築計算式とか…じいちゃんがやれよ!
まったく挙句の果てにはこれだ…
「これ終わるまで寝てはいかんぞ!」
だもんな。
何かの罰ゲームかただのいじめだ!
くだばれじじぃ………
「おい?なんか言ったか?」
昨夜作った魔法陣をヒラヒラともて遊び窓から差し込む陽の光に魔法陣を透かし当てながら一成は言った。
「まぁお前にしちゃよく出来てはいるが…これはだめじゃ」
いつから居るんだよ…ていうか心の声漏れてた?
まだくしゃくしゃな目を点にして顔で布団の絶対領域内から虫の鳴くような声で
「ナニガダメナンダヨ……」
「おーい。声になってないぞいハジメw」
「では…まずじゃこれじゃ。風の属性の構築式が間違ってるのと…呪文陣の呪式がのぉ…これぢゃだめじゃ。お前これエアリアルの召喚陣じゃろ?
じゃとしたら土の属性の呪式構築して埋め込まんと虫一匹すら生まれんぞ!それにじゃ、下級召喚でもしっかり呪文式をのせないとへんてこなモンスター呼ぶからな。そうするととても面倒臭い事になるから気をつけることじゃぞ」
「風の構築式は直せば使えるから良しじゃ。後で土属の呪式調べておくことじゃ!」
「あと最後の愛込めは忘れるでないぞ!萌え萌えキュンキュン!じゃぞ!」
………何が萌え萌えキュンキュンだよ。
じいちゃんの前の世界の最強の呪文らしいけど…言わなくても仕上がるぢゃないか。
って…言いたいだけだろ……
くっそ恥ずかしい。
ていうか昔から気になってたんだけど…
「じーちゃん萌え萌えってなんなの?」
一成は指でハードを作りながら…
「ハジメよく聞くのじゃ。“萌え萌えキュンキュン“はのぉ、魔法最高峰かつ究極な愛と奉仕の呪文なのじゃ。ハジメがこの呪文の意味と効果が分かるようになるには……まだまだ修行が足りん精進せい!」
「あーはいはい。」
おそらくどーでもいい様な気がするから適当に答えながらようやく布団から体を起こした。
そよ風が顔を洗い流すかのように心地よく外はよく晴れていてじーちゃんとの萎える話も無かった事にしてくれる気持ちの良い朝だ。
「リセット♪リセット♪」
つぶやき窓から外を眺め深呼吸を2度ほどすると
「ハジメちゃ〜〜ん!ちゃんちゃんちゃん!ちゃかちゃん♪ちゃん♪」
ふっ……
「なにがちゃんちゃかちゃんだ…」
まったくこのふざけた声はラフィーネ…。
えらくまた早く来てるが…今日ってじーちゃんの勉強会なのか?
「あっ!あぁそうか…そうだ!」
今日じーちゃんと3人でマータ湖に釣りに行く日だっけ?
「あ〜ラフィーネ萌え萌えキュンキュンおはよ〜」
ラフィーネは????頭をかしげて
なにそれ?
って顔をしている仕草は何気に可愛い。
ーー3日前ーー
「なぁじーちゃん、ギャレットのウロコって知ってる?」
「おっおん?おー召喚かの?」
「うん、呪文ぢゃなくて魔法陣構築召喚で必要な素材らしいんだけどさ…ウロコってまさか…ドラゴン系?」
以前にじーちゃんの仕事依頼で、ドラゴンの肝と逆鱗その他の採取にお供した時、少し嫌な思いをしたのを思い出してブルブルと首を振り…
再度聞いてみた。
「ド?ドラゴン??」
「ちゃうぞ、ギャレットはマータ湖におる魚じゃよ。」
と言いながら何か思いついた事なのか、じいちゃんは少し考え…
暦をめくり首をこくん…こくん。
「ハジメいいタイミングじゃ。この時期マータ湖ではギャレットが産卵期で湖底におるヌシ級の大物が湖面に浮上したり活発に活動するんじゃ!よしよし…久々に釣りに行くかの!」
と言いながら裏の物置小屋に道具をそそくさと探しに行った。
「おぉーおん!ラフィーネも連れていくから連絡してこ〜〜い!」
裏小屋からガチャンガチャンと音を立てながら大声で叫んでるが…
時折「あっー!」とか
「どこじゃーー?」
「あっ!こんなとこに!」
とか聞こえてくる。
こんなとこにで大概イヤ~なフラグが立つからあまり聞きたくない言葉なのだけれど。
「おーハジメ見てみろ!ほらこやつ!」
ほら来た…
何が物置きで見つけてきたのだろう。
「なんだよじーちゃんそんなの何に使うんだよ」
なんか禍々しいオーラをこぼすように出している。見るからに悪い奴が使う杖を手にして…
「てててってっててー♪弱者の杖ぇ〜♪」
なんかふざけた言い方をしながらお腹からその杖を振りかざした。
「プッwwwじぃーちゃんさたまにそうやってふざけて取り出す仕草するけど、それもなんかのマジナイなの?」
「ん?あ…これか?これはな弱虫で泣き虫なハジメに理不尽極まりない道具を出す時の決まりアクションじゃが…まぁ気にするでない」
なんだよ俺は泣き虫でもなんでもーし!
「あっそ!んで?なにその弱虫君に必要な理不尽極まりない杖は?」
「実は………実は…わしもよー知らんのじゃwww」
ガクッ!なんだそれ。
「これはな昔…いつだったか覚えてないが、わしに挑んできた魔法使いの使っていた杖なんじゃ。わしに瞬殺されたのでその用途や名前聞く間も無くての…がははは」
「鑑定かければいいぢゃん」
「そうなんじゃが…鑑定不能なんぢゃよ。鑑定防御固定素材で出来てる中々の代物なんじゃが…この禍々しい妖気は好きになれなくてのぉ〜閉まって忘れとっとわ。滅茶苦茶な事を言っていたわりにはワシに瞬殺されたのでの弱者の杖と言っておるwww」
「じーちゃんそう言う杖ってユニークかレジェンド級武器なんだろ?普通ならサーラばーちゃんとこの蔵で管理してもらえよ。」
「くっくくwわしも持って行ったのじゃがババーの奴…こう言いやがった」
昔を思い出すように遠目で…
「あんた!何持ってきてんだい!あーやだやだ!捨てておしまい!そこに置きな!今から燃やしてやる!」
「国王もそばにいる中でじゃ、半ばヒステリック気味に魔業炎の呪文唱えるとこ杖持って一目散にその場からワシは消えたってことじゃwwwがはは」
「じじぃ…それ 笑えねぇーよ。」
「ん?なんか言ったか?」
はぁそんなものが枕元にあるなんて今までよく呑気にしてられんな…
ほんと呆れるぜ。
「いいからじーちゃんそれ閉まっておいてよ!封印だよ!封印!んで釣りの用意は?ラフィーネの分の竿とかあんの?」
「おーそうじゃそうじゃ用意は出来とる!今すぐ出発できるぞい!」
ーーーそして今日ーーー
「先生おはようございます。お店からお昼ご飯とおやつ。あと私の新作おやつ持ってきましたぁ〜」
ん?ちょいちょい待て…
ラフィーネの奴新作がどうのって言ってたな…
持ち物を確認しながら俺はじーちゃんを見ると同じ様な顔をしてラフィーネを見てる。
「ラフィーネよ?お主今新作のおやつとか言っとたよな?」
「あーはい!先生!ママから教わったポキュラスの実のクッキーを作ってきました!」
「お主それ味見したのか?」
「いやまだでーす!みんなと一緒に食べたくてぇ〜」
「あ…そうか。そうじゃな…みんなとな…うん。」
みんなと食べたくてぇ〜
じゃねーよ!
じーちゃんはどうすんだこれ?
って顔をして俺を見ているが…
俺は首を軽く横に振りながら…
「あきらめよう…」
誰にも聞こえない声でつぶやいた。
「ん?ハジメちゃんなんか言った?」
ギック!!!!
なんて地獄耳してんだよ!
「ん?なんもいってねーぞ!ほら朝メシ用意すっからお茶をじーちゃんに出してくれないか?」
「はーーい!」
ラフィーネの家はこの国ではダントツの有名料理屋で各国からもわざわざ食べに来るほどの料理の美味い店だ。店のご主人ラフィーネのゴッズパパさんは様々な国で料理の修業をマスターしその国での免許皆伝。弟子として連れていた現在のラフィーネのラルフィーママと結婚してこの国でポルム食堂を開業したのだが…
なぜか…ラフィーネは物凄い味オンチだ…
「蛙の子は蛙というがのぉ…」
とじーちゃんが以前言っていたけど、ラフィーネは蛙の子になれなかったらしい…
なんか良くわからないのだけど、とにかくラフィーネの作るものはヤバいのだ。
お茶の入った湯呑みを持つ手が微かに震えながら持ってきた菓子の包を見ては俺をチラリ…
包を見てはチラリwww
もうどーにかなるさと言わんばかりに俺は
「昼飯とおややつ…楽しみだだな」
「おい。ハジメなに噛んでるんぢゃ」
俺は見つからないように薬草と毒消しネードを用意した。
「いただきました」
朝食を食べ終わりそれぞれ支度も整ったのでそれではマータ湖へ出発!




