妄想ガールズ
慎重派のヤンデレちゃんって気が付いたら外堀を埋めてる事ってありますよね。
高校in図書室
「付き合ったらデートは絶対、手も繋いだりカップル割も使えばお互いのおサイフにも優しいよね…?お互い距離を縮めたら同棲して、よ、夜も進めて、家事も分担…でも何時かは幼馴染くんも就職するから私の割合を増やすのもありかな?結婚式は一緒に決めて、子供も欲しいなぁ…その時はお互い頑張って働いて…あ、家も建てたいし…」
これが何か分かる?そうッ!これは私と幼馴染くんとの未来設計図よッ!ヤンデレは妄想癖が強いらしいし、私にピッタリじゃない!?
「ねぇ…あの子さっきから何ブツブツ言ってるのかな?」
「1人で気味悪いよな…」
ふふふ…幼馴染くんと私で作る未来…あぁ!!何て素晴らしいの!!この調子で海外赴任ルートや専業主夫ルートも…
「よっ!珍しく勉強でもしてんの?」
「ひょえっ!?」
し、親友ちゃん!?ビックリさせないでよ!今の私は、幼馴染くんとの未来を考えるのに忙しいのに…!!
「そんな驚かんでも良いでしょ…」
「結婚プラン…あんた随分と先を見てるのね…」
「そう?ベタかもだけど、将来の夢がお嫁さんってのも悪くないでしょ!?」
「悪くは無いけど…あんた彼氏居ないじゃん」
うっ…痛い所を…ま、まあ近い内に幼馴染くんが告白してくれるし!
「ま、まあ今は居ないけど、高校中には出来る予定だし!」
「あんたにゃ無理無理。因みに何書いたの?」
よくぞ聞いてくれましたぁ!!親友ちゃんにも見せてあげないと!!ヤンデレ流理想のカップルをッ!!
「お、見たい!?私の傑作を!!」
「なになに?『付き合いたてのデート』?」
――――――――――――――――――
「や、弥生…手、繋がないか?」
「え~?どうしよっかな~?私は繋ぎたいけど、どうしてもって言うなら~?」
「弥生が好きだから繋ぎたい!頼むッ!」
「良いよ!繋ごっか!」
――――――――――――――――――
「どう!?どう!?こんな感じで私がリードするの!!」
「そんな都合の良い男が居るか!これだと只のめんどくさい女だ!」
め、めんどくさい女…このルートは駄目なのかなぁ…
「じゃあ親友ちゃんからアイデア頂戴よー」
「え、わ、私?そうねぇ…」
ーーーーーーーーーー
『ん…ん…ねえ…ほら…』
『…もしかして、手、繋ぎたい?』
「…うん」
「ほら、気が付かなくてごめんな」
「許す…」
ーーーーーーーーーー
「ど、どうよ、私のがマシでしょ!」
「それ、察してちゃんって言うんでしょ?男の子ってそう言う女子苦手じゃない?」
「んな!」
「やっぱり時代は肉食系!男子に全てを委ねる時代は過去の遺産よ!これからは女子が男子を引っ張らないと!」
そう!愛されたいならこちらからも愛すのが鉄則!!自分だけ甘い汁を吸おうなんて…甘いよ、親友ちゃん。
「じゃあ次はどうよ!お題は『疲れて帰宅した彼氏』!」
弥生の場合
――――――――――――――――――
『弥生~…今日も疲れたよ~…』
『今日もお疲れ様!ご飯もお風呂もベッドも用意してあるよ!』
『毎日ありがとな…』
『良いって良いって!幼馴染くんの為なら何だって出来るから!』
『じゃあさ…頼む、今日は一緒に寝てくれ…』
『よしよし…じゃあ一緒に寝よっか!』
――――――――――――――――――
親友ちゃんの場合
ーーーーーーーーーー
「おいおいどうした?急に膝の上に座って」
「…やだ?」
「やだじゃ無いけど…」
「じゃあこうしてる」
「…よしよし」
ーーーーーーーーーー
「はぁ…弥生は分かってないわね。男の子は甘えてくる女が好きなのよ」
む、親友ちゃんに言われたくないよ。そんな少女漫画的な展開とか普通ありえないからね?
「親友ちゃんにそのまま返してあげるよ。一方通行の愛は必ず破綻するのさ」
「弥生のそれは愛の押し付けでしょ?迷惑かけるのは妄想の中だけにしたら?」
「親友ちゃんこそ愛は無限だと思ってる?愛が欲しいなら少しは自分から歩んであげたら?」
「ならこれは?お題は…」
数十分後
「止めよう…もう只の性癖暴露大会だ…」
「そうだね…」
ま、親友ちゃんの意外な一面も聞けて、ちょっと楽しかったかな♪
「ま、内容は兎も角、そんだけやってれば大好きアピールは出来るっしょ。で?告白とかはしないの?」
「い、いやー…私は告白待ちって言うか…して欲しいって言うか…」
「…こんなに妄想垂れ流してんのに、何でそんな所はウブなの…」
いつも読んで下さり本当にありがとうございます。
少しずつですが、評価やブックマーク、PVが増えてきて嬉しいです。
今後ともよろしくお願いいたします。