7話
「ほらら、メルルちゃんは召喚士を目指してるんだろ?
こ・・ここで力を使わなきゃダメだろ?頼むよ!?」
私はそう言われてしまって困ってしまいました。
だって私は見習い召喚士なので、そんなすごいものを召喚できません。
でも頼まれたからには何かしてあげたい、助けてあげたいという気持ちはあるのです。
「わ・・わかりました。やってみます」
私はそう言って、両手でガッツポーズをしました。勇気を出すためです!
私はお尻のポケットから魔法のチョークを取り出します。
私はそれを両手に擦り付けて、儀式をおこないます。
どの子を召喚するか、私は頭の中で一生懸命考えました。
そしたら、豆電球が付いて思いつきました。
ドラゴンさんと戦うなら・・・この子しかいません!
「いきます!我汝の導きを施しを・・・」
私は詠唱をします。うん、大丈夫!!
上手くできてる!!私は自信を持ちながら唱えます。
「・・・ひ・・ひぃでよ!!ラデューン!!」
最後の最後で噛んでしまいました。
うう・・・恥ずかしい・・
私の言葉を合図に頭の上で薄暗い雨雲が出てきました。
渦を巻きながら、動き出しました後、一本の光が見えました。
すると、そこから何かが落ちてきました。
王冠です。金色の王冠でした!
「ふぇーん。。。だめでした」
私は情けない声で泣いてしまいました。
頑張ったのに報われない気持ちと、お手伝いできなかった事での情けなさで涙が止まりません。
ドラゴンさんはそんな私を見て、高笑いして深い鼻息をつきました。
すると、私の後ろに隠れていた男の人がドラゴンさんに捕まってしまいました。
気がつくと男の人はもう足しか見えていません。
ドラゴンさんは上を向いて、男の人を全部飲み込んで、喉をならしながら食べてしまいました。
そうして、舌で口の周りをぺろぺろしていました。
「さて、小娘。次はお前の番だ」
「そ・・・そんなぁ」
「力のない自分を呪うんだな!!」
わ・・私は怖くて仕方なかったのですが、近くに落ちていた王冠をドラゴンさんに投げつけました。
しかし、私のコントロールが悪く近くの家に当たって、運良くドラゴンさんの頭に乗っかりました。
すると、私の目の前でドラゴンさんは止まりました。
「え・・」
私は恐る恐るドラゴンさんに近づきました。
しかし、全く動きません。
そぉーと、ドラゴンさん瞳を覗くと、ドラゴンさんの瞳が私を見ました。
「私はラデューン。其方が私を呼び出したのか?」
「え!?」
私は驚いて尋ねます。
どうやら、私の召喚は上手くいったようでした!