9話
「遅かったね」
ギルドマスターはそう言って俺たちを出迎えた。
「大変でした。くたくたですぅ」
とメルルは言ってカウンターにもたれかかった
「おいおい、そんな大したクエストじゃなかっただろう?」
俺たちはギルドマスターにクエストの報告とそうして、今回起こったビースト化について話をした。
「ふむ...それはとんだ災難だったね。依頼者の工場長の奴、隠してやがったね。国を通して発行された正規クエストだったからあんた達に渡したが...」
「それで、みるからにFランクのクエストじゃないよな?今回の件で、飛び級とかでCにならないのか?俺たちには時間がないんだ」
「そうしてあげたいが、できないんだ。Cから上のランクならある程度融通が聞くが、FからCはどうしてもクエスト回数が必要なんだ。Cランクからクエスト対象モンスターが魔物になるからね。どうしてもシビアなのさ」
「やれやれ後何回必要なんだよ?」
「3回です」
メルルはそう言って指で数字を表しながら答えた。
「話を戻すようで悪いけど、異世界転生の話、ビースト化だっけ?私もちょっと調べてみるよ。まあここのギルドでは発現した者いないと思うけどね...ところで、そちらさんは?」
そう言って、ギルドマスターはシャウロを指さした。
「シャウロさんです。今日のクエストで一緒に手伝ってもらったんです。一緒にパーティ組むことにしたんです」
「ほう、そうかい。ギルド登録はしてるのかい?」
「いや、していない。出来ればこちらでさせていただきたい」
「別に構わないけど、あんたバルデニア出身じゃないね?」
「ああ、ジャポン出身だ」
「ほう、ジャポンこれまた遠くからきたね。後で登録の方しておくよ。そうして、ほら次のクエストだ。この2つのFランククエストでC級だ。今度はちゃんと簡単なクエストだ。直ぐに終わるだろう。終わったら直ぐに私の元においで。そうしたら、例のクエストの話をしよう」
「違法クエストか?」
と俺は尋ねる。
「ああ、そうさ」
それから俺たちはギルドを後にした。帰り道にメルルが不安そうにつぶやいた。
「本当に大丈夫なんでしょうか?」
「メルルどうした?」
シャウロが尋ねる。口に何か頬張っている。先ほど屋台で買ったフルーツだった。
「違法クエストの件です。いきなり、そんなクエスト受けて心配です」
「まあ、そうは言っても俺たちには時間はないからな。近道できるに越した事はないよ」
「そ...そうですよね!!頑張ります」
そうこうして、俺たちはギルドマスターに提示されたFランクのクエスト2つを消化していった。
本当に簡単なクエストだった。一つ目のクエストに比べて近場であり、作業量も少ない。何より安全であった。1つ、モンスター討伐のクエストがあったが、リスクは非常に少なかった。
出来過ぎなくらい上手く言っていた。
最後のクエストは午前中に終え、あとはギルドへの報告のみであった。
「じゃあ、マスターのところには報告いきましょう!!」
メルルが嬉しそうスキップしがらギルドに向かっていた。
俺とシャウロも後に続いていった。
その時、風が吹き出した。そうして、音が消えた。




