6話 異世界転生
アラームが鳴った。
日曜日の朝5時だ。いつも会社に行く時間にアラームを掛けているのを、間違えて今日かけてしまった。
今日で、35歳になった。
俺はカーテンを開け、歯を磨き、シャワーを浴びた。
そうして、インスタントコーヒーを入れて、テレビを見る。
ニュースが頭に入ってこない。
日曜日の朝はとても憂鬱だ。土曜日は全然そんな事なかったのに。
なぜ、1日違うだけでこうも違うのだろう?
まあ、答えは簡単だ。明日には仕事があるからだろう。
トースターが鳴った。俺は何もつけずにトーストを食べて、コーヒーを流し込む。
ただそれだけ。
35歳になって友達も彼女もそうして、親もいない。友達は昔、少しばかりいた。でも会社に就職して地方に行ってからは音信不通になった。
父親は俺が生まれてまもなく、亡くなった。
そうして、去年母も亡くなった。
誰も俺の誕生日を祝ってくれない。
生涯孤独だ...
俺がユーチューブを見てるとマッチングアプリの広告が流れた。
俺は試しにやってみることにした。
誕生日を記念にして何か新しい事をやってみたかったのだ。
俺はマッチングアプリで26歳の女性とマッチングした。
彼女は若く、希望に満ち溢れていた。
俺には眩しかったが、もしかしたらとすがるような気持ちで連絡をとった。
彼女の名前はまなみと言った。
職業も好きなものも、好きなゲームも教えてくれたのに、苗字は教えてくれなかった。
俺はメッセージをしていく中で、彼女とディズニーランドに行く約束をすることができた。
一度も会ったことがなく、凄く不安であった。
なにせ関東に行くにはお金もかかるし時間もかかる。
上司になんとか頭を下げて有給をとって、夜行バスで行くことにした。新幹線だと少し高い。
俺は駅から夜行バスに乗り、東京に向かった。
時期も時期で、バスの中はガラガラだった。
俺は一番後ろの席に座った。しばらくして、バスは発車した。
俺は寝転がって目を瞑った。
誰もいなかったからだ。
なぜか、ふと目が冷めた。ぼーっと、外の景色を眺めていた。暗くてよく見えないが、運送用のトラックばっかりでなかなか進めないようだった。
その時だった。後ろから、物凄い衝撃が走った。俺の体は宙に舞い、前方に勢いよく叩きつけられた。俺は遠のく意識の中、辺りの様子を伺った。
どうやら、これはトラックに衝突されたらしい。
バスは横転し、そこに拍車をかけるようにまた別のトラックが突っ込んでくる。
「ああ、ディズニーランド行きたかったな」
俺はそうして死んだのだ。




