表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/22

5話

「私の国ではこれが挨拶なんだ。初対面のね。君たちの事は大体わかった」


「嘘つけ!!」


俺とメルルは同時にハモって声を荒げた。



後ろの方でメルルがずっと「私のファーストキスが...」と項垂れていた。

俺はそれを無視してシャウロに尋ねた。


「それで?あんたどこから来たんだ?」


「ん?上から来たが?」


そう言って、シャウロは上を指さした。

上を見上げると、確かに天窓が割れている。


「なんであんなとこから?」


「あそこが一番様子を窺えるからな」


「そうか、ところで、出身は?見た所、バルベニア出身には見えないが?」


そう、シャウロの服は着物でここら辺の地域では見かけない服装だ。なにせ、麻が入手しづらくとても高価なのだ。

着物なんて誰も着ない。


あらためて、シャウロをみると、目立たない女だ。

黒い着物、きつく結ばれた帯のおかげかウエストは細く見え、帯の上には大きな胸が乗っている。


腰まである黒髪はまとめることになく、光の影響で艶があるのが分かる。

目は一重だが大きく、唇も小さく控えめだ。

なんだか、すっきりした幸の薄そうな顔をしているがとても美人だ。


ここまで言うと、そこまで存在感がなさそうに思えるが、スタイルが抜群にいいのと、薄い綺麗な顔と主張の激しすぎる胸とのアンバランスさが彼女をより魅力的にさせた。


そうして、そんな綺麗な美人が自分の身長程の大剣を軽々と振っているのだ。


「東の諸島のジャポン出身だ。獣人を追ってここまできた」


「え、ジャポン!?めちゃくちゃ遠いところじゃないですか?私行ってみたかったんです!!」


と、メルルは興味津々で目キラキラさせながら言った。


その時、後ろで何かが動いた気がした。

俺は直ぐに振り返る。


「う...うう。ま...まなみ。ディズニーランドはもうすぐだよ。ほら、こんなにたくさんネズミを掴まえたんだ」


獣人はうつ伏せの状態のまま体を起こした。そうして、屈んだ状態でまるで砂をかき集めるような仕草をして、両手を見て満面の笑みを浮かべていた。

幻覚でも見えているのか?


「まだ、生きているのかこいつ!?」


「大丈夫だ。私がやる」


シャウロは俺を静止して、大剣を鞘から取り出し、勢いに任せて獣人の首を切り落とした。

そうして、大剣を地面に突き刺し、両手で拝んだ。


しばらく俺はそれを眺めていた。その獣人が倒れ込む前に何か少しキラッと光って見えた。

俺は屈んでそれを確認する。

すると、それは従業員のネームプレートだった。


「こ...ここの作業員だったのか?」


「ああ、そうだろうな」


シャウロは拝むのをやめて大剣を鞘に戻した。


「どういうことだ?」


「私の地方でもこのように普通の人間が獣になる現象が起こっていた。私をその要因をさぐるため、旅をしていた。獣人化が起こる時、きまって天空から後光が差し込む。そうして、その真下にいる人間が獣人化するんだ」


「げ...原因は分かっているのか?」


「大体の要因は掴めている」


「な...なんなんだ?」


「異世界転生だよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ