表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
GOD SLAYER’S  作者: ネコのうた
― 第三章・南陸行路 ―
93/336

第九十三話 サッツゥーの忍びの里・後編

「とにもかくにも、こちらの預かり知らぬところで、そのような事件が起きていたのは、(はなは)だ遺憾である。」

「この里からも数十の手練れを放ち、犯人どもを一網打尽にしてくれようぞ!」


頭領である“(はやぶさ)の獣人”が怒りを露わにする。


「では…、成蔵(せいぞう)様に、“サッツゥーの(しのび)”の潔白を報告しておきましょう。」


撫子(なでしこ)が述べ、


「うむ、頼んだ。」


“隼の獣人”が頷いた。


タイミングを見計らっていた紫蓮(しれん)が、


「すまないが……、“赤いミノタウロス”についての情報はないだろうか?」


と窺う。


「赤色の??」

「…、お! 確か……、先日、とある任務から帰還した者が、そのようなことを申しておったな。」

「サッツゥーの西に在る“アーキン国”の都で噂を耳にしたらしい。」


初めての有力な手がかりに、


「感謝いたす。」


紫蓮が、お辞儀したのである



屋敷の外で、撫子が左手首の腕輪から[画面]を開く。


どうやら、“忍者マスター”に連絡するようだ。


その近くで、


「総帥や、孫君(まごぎみ)がたと、近衛兵らに、良き土産話ができた。」

「いずれヒーゴン国に足を運ぶとよい。」

(みな)、喜ぶであろうぞ。」


信義(のぶよし)が微笑みながら促し、紫蓮が首を縦に振る。


「では、達者でな。」


翼を動かして飛び立つ信義を、紫蓮と共に、涼音(すずね)とペイニーが見送った。



サッツゥーの首都へと帰る道中、ペイニーが、


「そういえば、撫子。」

「サーヴァント達を呼ぶ事態になったときに使おうとしていた()って、なんなの??」


と、尋ねた。


「ん?」

「ああ、それは、なんと……、“分身の術”だ!!」


自慢げな撫子に、


「分身が出来るのですか?!」


涼音が目を丸くする。


紫蓮も驚いているようだ。


彼らを横目に、


「うむ!」

「正確には“影分身”だがな!!」

「普通の“分身の術”は高速移動や幻術で増えているかのように見せかけているのだが…、私の“影分身”は実際に人数が増える(・・・・・・・・・)のだ!」


撫子が力説した。


「その“影分身”というのは、忍者であれば誰でも扱えるのか??」


紫蓮が聞いてみたところ、


「いや、“分身の術は”修行によって得られるが、“影分身”はスキルなので、一部の者しか持ち合わせておらぬ。」

「例えば、“忍者マスター”である成蔵様の一族であったりとかな。」

「ま、私や、成蔵様たちの忍術は、どれもスキルなのだが……。」

「現在の私は分身を一人しか出現させられん。」

「ちなみに、2分30秒で元に戻ってしまう。」

「しかし…、あの屋敷内で、もし襲撃されていたとしても、それだけの時間があれば、私達が戦っている際に、待機していたサーヴァントらに分身が状況を伝えられると思ったのだ。」


このように説明したのである―。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ