第三百三十六話 趨勢・其之拾弐
“北陸の帝王”は、およそ800万の軍勢を率いて[第一神国]を出立している。
北東に位置する[第二]を目指して…。
三週間が過ぎた頃。
帝王が、第二神国の[西方領]に入る。
第一と第二の国境付近に在る[町]で休息しつつ、”魔王 モルゴン”の居場所を探らせた……。
二週間が経っている。
魔王は、戦いながら、中央領の[都]へと進んでいた。
第二神国の東3割くらいが、モルゴンによって既に制圧されている。
これを知った帝王は、改めて動きだす…。
魔王の本軍は150万ぐらいになっていた。
北の[軍港]に攻め込んだ別軍は100万ほどだ。
そもそもは倍の数だったものの、[元第四]の統治のため置いてきている。
とは言え、反旗を翻した”第二神国の人々”がモルゴンなどの所に集まりだしたので、兵隊は増える一方であった。
現在、本軍は500万、別軍は300万、となっている……。
更に三週間後。
帝王が、西方領から兵を吸収したことで、約900万になった。
この軍勢が、魔王よりも早く都に到着する。
そうした翌日、帝王は再び出陣した。
なお、前もって[南方領]からも100万ほどに合流するよう下知してある…。
二日後の朝。
都から東に150㎞のあたりでモルゴンと帝王が遭遇した。
数的有利な帝王は、自分が勝つと信じて疑っておらず、意気揚々に突撃を命じる。
こうした”男神”は〝背丈5M〟で〝翼が二対(計四枚)〟あった。
50歳くらいに見受けられるが、実年齢は不明だ。
ミスリル製の[騎士みたいな甲冑]を纏い、[銀色のマント]を羽織っている。
なお、[帝王城]から持ち出した[金の椅子]に腰掛け、余裕そうに笑みを浮かべていた。
だが、簡単にはいかない。
魔王軍のほうが強いが故に。
……、小一時間後。
「何をしておる!?」
「さっさと押し潰さぬか!!」
帝王が怒りを露わにする。
なかなか[モルゴン軍]を倒せそうにないからだ。
その状況で、宙に浮いている”下級神の一柱”が、
「南より軍勢が向かって来ています!」
こう報せた。
「おぉ!! 援軍か!」
「そのまま敵の横を攻めさせよ!!」
帝王が指示したところ、先ほどの”男神”が、
「いえ、それが…、妙です。」
「ざっと400万はいます!」
そのように伝える。
「なに??」
帝王などが訝しむなか、[謎の軍]が迫りだす……。
先頭を駆けるは[ゴッド・スレイヤーズ]だ。
勿論、[ピース・メーカーズ]の姿もあった。
帝王達が増援だとばかり思ったのは、”第一魔王子 ハールストー”の軍勢である。
200万あたりを[元第五神国]に残した彼は、300万で西へ進んでいた。
[第一]を叩くために。
しかし、”魔術士 タリアノ”が〝帝王は魔王を狙うかもしれない〟と予測し事で、ハールストーが斥候を放つなどして調べさせていたのである…。
結果、“軍師”の読み通りだった。
このため、第一魔王子は方針を変え、第二神国の南方領を征しながら北上してゆく。
南方でも神々への反乱が起きたので、ハールストーたちはスムーズにいったのである。
そうして、窮地に追い込まれだす[帝王軍]であった―。
To Be Continued・・・・




