第三百二十九話 行程・其之参
ガーゴイルが絶命した事で、その場にいる反魔王派が戦意喪失する。
なかには逃げだそうとした者もいたが、すぐに討ち取られた。
大半は捕虜になっている。
路上にて、リーダーを始めとした魔王派が、“第四魔王子 イリィターン”に跪く。
「こちらの状況を仲間に伝えよ。」
こう第四魔王子が促したところ、
「はッ!」
リーダーを務める“男性魔人”が応じ、手分けして[ブレスレット]を操作しだす。
そうしたなか、
「敵側にもそうさせたがよいかと。」
“魔術師のタリアノ”が勧めた。
「あー、確かに、な。」
このように納得したイリィターンによって、[石畳の道]で正座させられている魔族も連絡させられる。
妙な気を起こさないよう、[ゴッド・スレイヤーズ]と[ピース・メーカーズ]に見張られながら。
あと、第四魔王子も、各司令官に報せるようだ……。
そこからは、あっという間に争いが終結していった。
反魔王派たちが諦めたので。
捕まえられた者らは、この町を追放される運びとなる。
イリィターンの連合軍は、それぞれ[野営地]に戻った。
【テレポート】で。
ここから、避難していた住民に説明し、町へと帰す。
暫くは復興作業となるだろう。
第四魔王子達は、ひとまず昼食を摂ることにした…。
小一時間後、南下するための準備を行なっている。
そこへ、“第一魔王子 ハールストー”からイリィターンに連絡が入る。
あちらも同じように町を1つ制圧したそうで、この国の[王都]に向かっているところらしい……。
六日が過ぎた。
第四魔王子たちは、新たな町に着いている。
時刻はPM14:00あたりで、晴天だ。
その町でも魔王派と反魔王派が激突していた。
だが、つい先ほど魔王派が勝利したそうで、主だった者がイリィターンに挨拶しに来ている。
これが終わり、30分ぐらい休んだところで、改めて南へと進む。
[西方領の中央都市]を目指して…。
八日が経った。
都市が見えてきだす。
そこへ、第一魔王子が[ブレスレット]で通話してくる。
受けた第四魔王子が、ある事を知った。
ハールストー達が王都を陥落させたのだ。
よって、この件を自軍に広めさせるイリィターンであった……。
まだ全てが片付いたわけではない。
残りの抵抗勢力を叩く必要がある。
そのため、第四魔王子は、[中央都市]の近くで、軍勢を4つに分けようとしていた。
[門]の前に陣を布くために。
こうしたところへ、数名の魔族が都市から赴く。
そこもまた、魔王派が抑えたそうだ。
結果、今回も戦わずして勝ったイリィターンたちだった―。




