表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
GOD SLAYER’S  作者: ネコのうた
― 第二章・それぞれの成長 ―
32/336

第三十二話 初見

近衛兵になった紫蓮しれんたちには、千代ちよらと同じ軍服が支給されていた。


白のワイシャツに、黒の革靴・パンツ・ベスト・ネクタイである。


更に、ジャケットやロングコートも黒色であった。


ベストにジャケットはシングルボタンで、コートはダブルボタンだ。


どのボタンも銀であり、一個一個に“虎”の装飾が施されている。


また、ジャケットだけは、襟元/胸ポケット/袖口のラインが銀色だった。


紫蓮と、権蔵ごんぞうは、鍛錬中に熱くなったのだろう、ジャケットやベストにネクタイを着けておらず、ワイシャツのボタンを2つ3つ外して、袖を捲っている。


スライムである来夢らいむは、温度を感じないので、彼らと同じような格好になる必要はなかった。


だが、ジャケットやコートは動きづらいらしく、着用していない。


そろそろ小休止という頃合いで、


「今日も精が出るのぉ。」


と、清虎きよとらが入室してきたのである。


千代たちが跪こうとするも、


「ああ、そのままでよい。」


と声を掛けた侍王が、


「さ、入ってきなさい。」


と、孫らを招いた。


これに、狸の獣人である金時きんときが、


「若様方に、お嬢様方、お久しぶりでございます。」


と頭を下げ、千代と、狼の獣人であるフーリィが、それにならう。


セルグは、最後尾の男を認識するなり、


「お前も来たのか?影。」


と、少し意外そうにしたのである。


何故なら、“影”たちはヒーゴンの城に残るものとばかり思っていたからだ。


ちなみに、この二人は幼馴染である。


そのため、セルグは、“影”の本名や素顔などを知っているが、決して口外しないようにしていた。


これに感謝している影は、セルグが何かしら困って自分を頼ってきた際には出来うる限り協力してあげようと心掛けている。


そんな彼らの関係性については、清虎も公認しているのだそうだ。


さて。


総帥たる清虎が、


「紫蓮よ、ちとすまんが、この者と手合わせしてくれんかの?」


と、口を開いた。


「はぁ…。」


と状況が掴めなさそうに返事した彼に、


「儂の孫の一人で、“凛琥りく”というのじゃが…、お主と闘ってみたいそうでのぉ。」


と、侍王が述べる。


「なんで、俺と?」


と紫蓮が首を傾げたところ、清虎が、


「そりゃ、お前さんが、〝神に一撃を与えた見所のある若武者〟だからじゃよ。」


〝ニカッ!〟と笑みを浮かべた。



ダークブルーのコートに、キャメルのジャケットを脱いで、ブラウンのショートブーツ・黒と茶色と黄色のチェック柄であるパンツ・ブラックのサスペンダー・白のワイシャツ・短めの青いネクタイといった服装の凛琥が〝スッ〟と前に進み、


「武器は“鉄刀”でいいよな?」


と、亜空間から、細身の鉄製剣を、左手(・・)で取り出す。


彼のジョブは【剣士】で、普段は“レイピア”を扱っている。


既に鉄刀で修行していた紫蓮が、


「……。」

「別に何でも構わねぇけど。」


と凛琥の方に向き直った。


「誰か審判を務めてくれんか?」


と、窺った侍王に、フーリィが、


「ならば、金時が最適でしょう。」

「我々のなかで、一番、公平ですから。」


と薦める。


それを、


「…、分かった。」

「善処するよ。」


と、引き受ける金時であった―。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ