第二百九十一話 防衛戦・其之捌
神どもの4割ぐらいが[飛空艇]に向かって来た。
よほど厄介に思ったのだろう。
別の4割は、海のあちらこちらで、連合の軍艦を攻撃しだす。
残る2割は後方で待機している。
飛空艇から出てバトルを始めたのは、翼を有するサーヴァントらだ。
浮遊が可能な“第四魔王子イリィータン”も参加していた。
また、“機工士のスリア”が所持している[鳥型ロボット]も見受けられる。
他のロボット達は重量などの問題から【亜空間】に収納したままにしているようだ。
いや、厳密には、スリアの後ろに[二体の人型]だけが控えていた。
こうした甲板で、“騎士のグーラン”を筆頭に、各自が【スキル】や【魔法】に【ビーム】を、神々に向けて発す……。
[ニッショウ国]の北西部にて。
一部の神たちが、宙から近づいてくる。
それを視界に捉え、
(アイツは…。)
(間違いねぇ。)
何かを認識した“武士の紫蓮”が、
「四枚の翼!!」
「あれが“南陸の女帝”だ!」
「絶対に首を獲るぞ!!」
周囲に告げた。
黒龍の新羅
「うむッ。」
白虎の美麗
「かしこまりました。」
ブラックミノタウロスの夜摩
「御意!」
ホブゴブリンの権蔵
「了解です!!」
メタルスライムの来夢
「おー!」
サーヴァント達が反応するなか、紫蓮が構え直す。
ちなみに、“新羅・美麗・夜摩”は元々の姿になっている。
あと、ここのところの来夢は、何故か[メイド服]を気に入っており、いくつか揃えていた。
今日は“スカートの丈が短いもの”を着ている。
色は、黒と白だ。
メタルになった来夢に防具は必要ないみたいだ。
とは言え、ミスリルやオリハルコンの[武器]では負傷してしまう。
来夢はまだ経験がないが。
なにはともあれ。
帝を迎え撃つ紫蓮たちだった……。
[ヒーゴン国]の北東部にて。
馬上で、炎を纏わせた[二本の刀]を振るうは、勿論、“総帥の清虎”だ。
その側では“近衛兵”も戦っている。
おさらいとして、“人間の千代/人間のセルグ/狼のフーリィ/狸の金時/リスのラル/人間のヴォニー/狐の櫻莉/熊のバーガイン”といった面子だ。
なお、隠密隊だった“鷹の信義”も近衛兵に加わっていた。
さておき。
小雨の降るなか、敵を圧倒していく[ヒーゴン軍]であった―。




