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GOD SLAYER’S  作者: ネコのうた
― 第一章・旅立ち ―
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第十八話 ヒーゴン国

紫蓮しれんは、地元を発ってから4ヶ月が過ぎた頃に、目的地である[ヒーゴン国]の首都に辿り着いていた。


東門に程近いステーションにて、[鮮紅せんこうの豹一団]が、


「じゃあね、紫蓮。」


「“侍王”に会えるといいな。」


「大丈夫。きっと召し抱えてもらえるよ!」


「達者でのぉ。」


と、それぞれに別れを惜しむ。


【巫女】のかおるが、


来夢らいむちゃんと、ゴンくんも、元気でね。」


と声を掛けた視線の先には、[進化]したスライムとゴブリンが佇んでいる。


来夢は、身長145㎝ぐらいの人型になっており、見た目は13~14歳の女の子だ。


髪は肩あたりの長さで〝ふんわり〟しているが、スライムなだけあって、全身は水色である。


眼球の白い部分は黒く、黄色い瞳は爬虫類の様だ。


白いワンピースと、ブラウンのベルトに、足首で固定するタイプのサンダルは茶色い。


権蔵ごんぞうの方は、スライムよりも3㎝ほど背丈が低く、髪の毛は眉辺りまで伸びていた。


もともとは、モンスターらしい醜悪な顔立ちだったのが、12歳くらいの人間の男子っぽくなっている。


白い長袖シャツに、ベージュのパンツと、ダークブラウンのブーツを、身につけており、【騎士】のような銀の甲冑を装備しているが、割と軽装だ。


それは、胸当て/肘当て/籠手こて/膝当て/すね当て、といった、簡略的なものだった。


脱いだ兜は首に掛けており、右手には、幅5㎝×長さ1.5Mの黒い柄に、最大幅10㎝×長さ30㎝の青銅の刃、という、[槍]を握っている。


どちらも、紫蓮が買い与えたのであろうことが、推測できた。


ラーザが、


「もし、“侍王”に仕えるのが無理そうだったら、ボクに連絡しなよ。」

「また一緒に旅しようぜ、紫蓮。」


と、微笑んだ。


紫蓮は、


「ああ、その時は、な。」


と軽く頷いたのだった。


[魔道機関車]に乗った紫蓮一行は、都の中央へと向かったのである…。



木材や白壁に黒瓦などを用いた石垣造りの城は、中央広場の北東にそびええ立っており、周囲には水堀が張り巡らされていた。


その城の南門で、紫蓮が、【戦士】の恰好をした2人の兵と口論しているようだ。


「だから、侍王に合わせろつってんだろッ!!」


「何度も言わせるな!ダメなものは、ダメだ!!」


「そもそも、お前みたいな素性の知れない奴を、通すわけにはいかんッ!!」


と、怒鳴り散らし合っている。


そこに、紫蓮の背後から、


「何の騒ぎじゃ。」


と声を掛けてくる者がいたのだ。


振り返ってみたところ、4人の従者を引き連れて、栗毛くりげの馬にまたがっている、スキンヘッドで初老の男性が、目に映った―。


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