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GOD SLAYER’S  作者: ネコのうた
― 第三章・南陸行路 ―
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第百十話 レッドミノタウロス

ひと段落ついたところで、銀髪ロングの褐色肌である【剣士】の“ルギー”が、


「生存しているのは240数くらいね。」


と述べた。


「ふむ。」

「…………。」


金髪ソフトモヒカンの【戦士】こと“グリュー”が暫し考え込み、


「三つに分けるとするか。」


指示を出していく。



A班には、グリューのパーティーや、ブラウンの髪をベリーショートにしている【武闘家】の“アニア”が見受けられる。


B班は、ルギーのところや、[ゴッド・スレイヤーズ]といった顔ぶれであった。


「俺達は北の階段から上を目指す。」

「ルギーらには南側を任せる。」

「C班は、ここに残って、遺体を守るように。」

「可能性は低いだろうが、新たな敵集団が来るかもしれんからな。」

「ただし…、勝てないと思ったら、体裁(ていさい)なんざ気にしねぇで逃げちまってくれ。」

「皆、命を粗末にすんなよ。」


グリューが告げる。


この場所に待機する面子には、先程、[GOD SLAYER’S]が助けた6人の少年少女も含まれているようだ。


ちなみに、A班とB班は100数ずつで、C班は40数である。


とにもかくにも。


改めて行動していく[討伐連合隊]だった……。



北も南も、階段を上がった所に扉があり、それぞれに通っていく。


ドアの向こうは、どちらも廊下になっていた。


A班は東に、紫蓮(しれん)たちのいるB班は西へと進む。



突き当りは“L字”になっており、B班が左に曲がる。


少し行くと、右壁に扉が設置されていた。


先頭のルギーがドアを開けて、〝ぞろぞろ〟と中へ入っていく。


そこに待ち受けていたのは、約250数の人間とモンスター達に…、1頭の“赤いミノタウロス”であった。



憎き仇を目の前にした美麗(みれい)が飛び出そうとするも、


「待て!」

「一旦、落ち着け。」


紫蓮が止める。


レッドミノタウロスの身長は4Mといったところだろう。


白銅の鎧を装備しており、肩当てには黒色のマントが付属していた。


右手には、柄の長さ1M×鎖の長さ2Mかつ直径30㎝の球体という[モーニングスター]を持っている。


何本か付いている(とげ)の長さは、どれも15㎝ぐらいだ。


「グルゥ~ッ。」


低く唸った“赤いミノタウロス”が、


「派手に暴れ回りやがって……。」

「生きては帰さんぞぉッ!!」


威嚇してくる。


「そっちこそ覚悟しな!」

「いろいろと好き勝手やってくれた罪、命で償わせてやる!!」


怒りを露わにしたのは、ルギーだ。


「俺達に戦わせてくんねぇか?」

「アイツと…。」


伺う紫蓮に、


「ん??」

「ああ、そう言えば、あんたんとこの“白虎”とは、因縁浅はかならぬ間柄だったっけ?」

「……、いいわ、譲ってあげる。」

「でも、危なさそうだったら、加勢するわよ。」


ルギーが告げた。


「了解だ。」


紫蓮が頷き、


「じゃあ、そういう事で…。」

「“ゴッド・スレイヤーズ”以外は、他の奴らを片っ端から倒していくよ!」


B班の責任者であるルギーが、周囲に伝える。



双方が武器を構えて、臨戦態勢となった。


誰もが睨み合うなかで、


ヴオオオオ――――ッ!!!!


レッドミノタウロスが()えたことによって、


「うッ?!」


「ぐッ!?」


B班の全員が硬直してしまったのである―。




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