5 ルシアが……!
「……ここは?……あれ?僕の部屋?」
ルリが祈っている時、ベッドから声がした。
この声は……ルシアの声!……てことは……!
ルリは勢いよく振り向いた。ベッドでは、ルシアが起き上がって、こっちをじっと見ていた。
「ルシア!」
そう言い、ルリはルシアに抱きついた。
ルシアは戸惑いながらも、ただ、優しくルリを撫でてくれた。
……気持ちいい!それにら、落ち着く……。なんか、ずっと前に撫でてもらった事があるみたいな感じ……。ずっと撫でてもらいたい……。
「ルリ、僕、あれからどうなったの?」
ルシアはルリを撫でる手を止めて言った。
「あれからね、ルリがルシアをここまで連れて来たんだよ。それから日付が変わった。」
「……そうだったんだ……。」
ルシアは、やっぱり……という表情だった。
「ごめんね。僕のせいでこんなことになっちゃって……。」
「いいよ。それに、とめなかったルリも悪いし。ごめんね。」
「いや、こっちこそごめん。」
…………
しばらく沈黙が流れる……。
「「ふふっ。」」
ルリとルシアは同時に吹き出した。
だって、ルリもルシアも謝ってばっかりだもん。
「二人とも謝ってばっかりだね。」
「そうだね。」
「あっ!そう言えば、星祭りで、何をお願いした?」
「ルリはね……ルシアが、目を覚ましますようにってお願いした!」
「ふふっ。」
ルシアが小さく笑った。
どうして笑ってるんだろう?
ルリには、ルシアがどうして笑っているのかが、この時はまだ分からなかった。
「ねぇ、ルシア……あのさ……。」
うう……!なんか、これ言うの、結構恥ずかしいかも……。
「も、もう一回……撫でて……?」
「ふふっ……いいよ。」
やったー!……気持ちいい……。あれ?もしかして、ルシアの顔、赤くなってる?……なんでだろう……。見間違いかな……?
あー、やっぱり、気持ちいい……。