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星祭りの夜に  作者: まかろん
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2 星の砂

 ここはファンクレア村。この村には、五十人ぐらいしか人が住んでいない、辺境で、北側は海に、東、西、南側は山に囲まれている。そのため、全員が顔見知り。この村は辺境にあるだけあって、誰もここに来た者はいないらしい。

「あ、ルリ!ちょっと待って!はい、これ持ってって。」

ボロボロの果物屋からおばさんが声をかけてくれる。いつも思うんだけど、何でこの村の家は、みんなボロボロなんだろう……。あ、そういえば、家を建てるぎじゅつ?を持ってる人はいるけど、やっぱり家を建てるのは難しいって、お母さんに聞いたことあったっけ?

「ルリ、りんご大好きなんだー!ありがとう!おばさん!」

やったー!りんごもらっちゃった!美味しそうー!早く食べたいな!そういえば、この村の果物は星型だけど、他の村とかだったら果物って丸いんだって。なんでだろう?でも、誰にもわかってない謎なんだよね……。まあ、本当かは分かんないんだけどね。そもそも、この世界に他の人間って、いるのかな?

「ルリ、どうしたの?」

「あ、ルシアだ!今、星祭り用のお供物、買いに来てるんだ!」

ルシアとは、家が隣でよく一緒に遊んでるんだよねー。

「僕も買いに来たんだ!」

ルシアも買いに来てたんだ。

「そうだ、一緒に買いに行こ!」

「うん!」

ルリ達は、星の砂を買いに行った。その星の砂は、星の形をした砂。何で星の砂かと言うと星の女神様の、アリンっていう人がその星の砂を集めて、みんなの願いを叶えるんだって!なんか凄いよねー。でも、星の砂をお供えできなかた家は、願いを叶えてくれないんだって。

「星の砂を二つください。」

「ごめんねー。売り切れちゃってるんだ。」

「そうですかー。」

はあー。これで星の砂を売ってるお店、全部まわっちゃった……。でも、こういうのってよくあるんだよね。ルリのいえの願い、叶えてくれなくなちゃう……。

「どうしよう……?」

「あのさっ!星の砂って、海にあるじゃん。そこに行って取らない?」

「でも、あそこは危ないはず……。」

その海は、押し寄せてくる波の勢いが強いから、行っちゃダメって言われてるんだよね。

「大丈夫大丈夫!」

そう言われて、ルリはルシアに引っ張られた。本当に大丈夫かなぁ。

 

       ★   ★   ★


 ザザーン、ザザーン

海だ!初めて見た!なんかキレイ。あ、しかも、夕焼けが映ってる!あれ?夕焼け?ってことは、遅いって怒られる!

「じゃあ、取りに行ってくるね。ルリはここで待っててね。」

「ルリも行く!」

ルシアだけに任せて、ルリだけこの安全な場所で待ってるって、ダメだもん!

「危ないから、ルリはここで待ってて。絶対に。」

そう言って、ルシアは行ってしまった……。ルリも行こうとしたんだけど、ルシアの真剣な声を聞いたら、本当に行っていいのかと思ってしまう……。

「取ったよ!」

声のする方を見ると、ルシアが笑顔で星の砂が入ったビンを二つ見せている。

「おおっ!」

「うわっ!」

え⁉︎どうしたの!あ、ルシアが波のせいで沖に流されそうになってる!早く助けないと!そこまで行く間に、ルシアは自力で上がってきていた。

「ルシア、大丈夫⁉︎」

「…………。」

返事が返ってこない。

「ルシア!」

……ダメだ。気を失ってる。ルリのせいだ。ルリがやめよって言わなかったせいで……。涙が出てくる……。でも、今は泣いてる場合じゃない。早く連れて帰らなきゃ。

 

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