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目覚め-7

 授業が終わり、給食を食べ終えて、香はちょうど自転車に乗ろうとしているところだった。

 するとそこへ、スクールバスグループの光が走りよってきた。

「おーーい、香!」

 香は自転車に乗ろうとする動作を止め、光のほうを向いた。

「なに?」

「明日、忘れるなよ!!じゃあな!」

 香はにっこりと笑い、光もにっこりと笑った。

「じゃあね!」

 光がくるりと反転し、スクールバスのほうへ走っていく。それを見届けると、香は自転車に乗り、ペダルを漕ぎだした。

 家に着くと、そこには峰子がいた。いつもどおり、昼食を食べ終え、食器を洗っているところだった。

「ただいま。」

 峰子は香が帰ってきたのに気が付き香のいる玄関のほうへ視線を向けた。

「おかえり。どうだった?今日間に合った?」

「ふふ・・・。それがさあ、逆にめちゃくちゃ早く学校に着いちゃってさあ、驚いたよ。」

 峰子は眼を丸くする。

「いつもより遅く家を出て行ったのに?」

「うん!」

「あはは。すごいわねえ。まあ香はそれぐらいできて当然ね。」

「なによそれーー。」

 そうして、香と峰子は笑いあった。

 峰子は食器を拭き、食器棚にしまいこむ。

「明日は光とデートなんでしょ?」

「え?どうして、母さんがそれを知っているの?」

「え・・・。な、なんででしょうねえ?」

「な、なんでって。」

「まあいいじゃない!気にしない気にしない!」

「わかったよ。じゃあ、2階に上がるね。」

「はい。」

 香は二階に駆け上がった。


 峰子は胸をなでおろした。そう、さっきの香との会話でうっかり監視カメラをみて聞いていた事を言ってしまったからである。監視カメラには、帰りで香が光と明日のことについて言っているところだった。

 峰子はソファに座り大きなため息をついた。いつかは香と一緒に死ななくてはならないのだ。そうでないと、人類は滅亡する。吉雄はあの時そう言っていた。吉雄は香だけが死ねばいいと言っていたが、そんなことはできない。自分の子が死ぬのなら自分は生きている意味がない。それももうすぐ香は20歳になるのだ。あと約三年・・・。

 峰子は1日1日がいつの間にか怖くなっていた。


 その夜。香は目覚まし時計のアラームが鳴る時間の設定を終え、ベッドでぐっすりと寝ていた。

 夢の中で、香は空を飛んでいた。下には自分と光が睨み合っている。

 香はそれをずっと見ていると、光がばたりと倒れ、自分が光の頭を思いっきり蹴っていた。その光の首はあり得ない方向を向く。

そこから、映像はぷつりと途切れた。

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