目覚め-5
峰子は名詞のことを思い出して、名詞がしまってあるところに言った。そして、必死にあさりまくる。すると、すぐに見つかった。
霊能者、案山子吉雄、と表に書いてある。裏にしてみるとそこには、電話番号が書かれていた。その電話番号を見て、電話をする。
ぷるるるる・・・ぷるるるる・・・。
「はいもしもし?こちら、霊能者の案山子です。」
つながった。
「私です!峰子です!あの時はすみませんでした!早く来てください!!」
峰子の声は震えてはいるが大きな声だった。目には涙がたまりだしている。
「え?待ってください。どうしたんですか。まずは落ち着いてください。もう少し、詳しく教えてください。」
「は、はい・・・。」
吉雄はもう一度言った。
「なにがあったんですか。」
「父が倒れました。さっき、救急車を呼びました。」
「・・・やっぱり。」
「え?」
吉雄は、はっきりした声でこういった。
「あなたの子供は、あなたの子供であって違うんです。」
「・・・すみません。何を言っているのかよくわからないです。」
峰子は混乱しそうになった。それでも、こらえる。
「・・・。あなたの子供の中身は違う人の霊にのっとられているんです。」
その言葉を聴いた瞬間峰子は受話器を落としそうになった。
吉雄は続ける。
「30分ほど待っていてください。今すぐそちらへ向かいます。」
「・・・はい・・・・・・。」
ピッ、プーーープーーープーーー。
峰子は受話器を落とした。そして、足の力が抜け、膝を落とした。
目の中にたまっていた涙が一気に溢れ出す。・・・峰子は救急車が来るまでずっとないていた。
しばらくして、救急車が来た。救急車から人が2、3人出てくる。
そして、父、信男を救急車に乗せて、逝ってしまった。行ってしまったではなく、逝ってしまった・・・。そっちの方が正しい。
香は、いや、知らない霊は、まだ笑っていた。かなり楽しげに。
さっき救急車に乗っていた人たちが一緒に来てくださいと言っていたが、峰子は断った。遅れていくとだけ言った。するとその人達は救急車乗って病院へ行ったのだ。
20分経った。
ピーンポーン。
峰子は玄関のドアを開けた。目の前には吉雄がいた。
「あがらせてもらいます。」
そして、勝手にあがり、まるで香ではない者がどこにいるかわかるかのようにあの香ではない者がいる部屋に向かった。
峰子も後を追う。すると、吉雄は少し顔を歪ませた。
「うーん・・・。思ったより霊が成長してしまっている。」
「ど、どうしましたか?」
すると、吉雄はこういった。
「どうやら、少し遅かったようですね。これでは、完全に霊を消滅させることは出来ない。」
「・・・・・・・。」
峰子はあのときのことを悔やんだ。どうして、あの時吉雄を信じなかったのだろう。どうして、追い返したりしたのだろう。そんなことさえしていなければ、香を助けられたかもしれないのに・・・。峰子の目にまた涙がたまっていった。それは後悔の涙である。




