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一体化-1

 8時20分。吉雄は、高校の校門から数十メートル離れたところで、車に乗って隠れて光が教師と抗議しているところを見ていた。そこへ、あいつがやってきた。由里だ。吉雄の予想ではまだ、由里は香の体を乗っ取ることは不可能だと思う。昨日のあの由里の様子から見ても超能力に近しいものを使えなかった。ということは、時間的にも乗っ取られるのはまだ早い。

 まだ、由里の暴走を止めるチャンスはある。

 香は突然、悲鳴をあげながら頭を抱えている。吉雄は香に注目した。・・・そうか。香をそうやって操っていたのか。つまりはこういうことだ。香が反抗すれば、香の頭に刺激を加えて頭痛を起こしていて、絶対服従をするしか頭痛をなくすことはできなくなるということだ。もしくは・・・香るが自殺する。だが、それは由里が許さないだろう。

 光は香の姿に気がついたのか逃げた。教師は突っ立っている。とおもいきや、香のほうへ、向かって手をさし伸ばしていた。香はなぜかその手を振り払った。そして、自力で立ち上がり教師を見ている。いや、にらんでいる様にも見える。教師はものすごい剣幕で香を怒鳴りつけていた。しかし、突然教師は・・・・・・倒れた。香はただそれをじとーっと見ている。

「な!?」

 吉雄は勢いよく車のドアを開け、香の元へ走っていく。まずい。自分の予想が外れた。完全に外れた。心臓の鼓動が早まる。あまり走っていないのに、息を切らしている。腹部が痛い。それは、昨日、由里にナイフで刺されたところだった。包帯で応急処置をとったものの1日で傷が治るはずがない。むしろ、今走ったせいで悪化した。その腹部の痛みにこらえながらも、吉雄は由里のほうへ走っていく。

香・・・由里はこっちを向いた。その目には冷たさしかなかった。凍えてしまうような冷たい視線。そして、敵を見るような目。

「由里・・・なのか・・・?」

 そう問いかけると、にやりと笑ってきた。

「私は香。由里じゃないよ。」

「何?そんなはずはない。お前は人を呪い殺すことなんてできないはずだ。・・・まさかっ!!」

 まさか、由里と香が一体化したのかと聞いてみようとしたがやめた。そんなことを聞いても、香自身は一体化したことはわかるはずがない。

「くそ・・・!!」

「まさか、何?・・・どうでもいいけど。そんなことより、なんだかわかんないけどあんたが憎いの。」

「そうか、由里。・・・すまないな。お前に俺は殺せない。」「私はユリジャナイ!!」

香はじとーっと蛇のような目で吉雄のことをにらんでいたが、

「本当だね。・・・でもね。」

 背筋がぞっとした。

「私はナイフを持っているんだよ。」

 そのナイフは昨日のナイフと同じものと見ていいだろう。

 香はナイフをポケットから取り出した。ポケットの中にナイフをずっと入れられたのか疑問になるが今はそんなことはどうでもいい。ふふふと笑い声が聞こえてくる。

 ・・・くそ。どうすればいいんだ?ここから、逃げ出せばいいのか。それとも、香と由里が一体化した怪物を押さえ込むか。腹部の傷が治っていないことからにしても、前者のほうがいいのだが、ここで逃げてしまうとこの高校の生徒たちと教師たちが危ない。

「さあ、て。どこから、サソウカナー?」

 もうこいつは完全に姿は香で中身は由里。もう、由里が香を乗っ取ったも同然だ。

 香はナイフを平行にして、一気に詰め寄ってきた。

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