暴走-2
突然、香は頬を軽く叩かれて眼を覚ました。眼には消防隊員とみられる人物が映った。その人物がほかの人物に向けて「隊長!生きているようです!」、と叫んだ。
隊長と呼ばれた男はこちらに走ってきた。
「君、大丈夫か?」
「え、えぇ・・・。あの・・・いったい何が起こったんですか・・・?」
隊長は多少顔をゆがませたがすぐに直した。
「交通事故だよ。君と男が乗っていた車が大型トラックに衝突したんだ。それより、君は奇跡だよ。交通事故で無傷だとはね。」「え?」
香は自分の腕や足などをみる。何一つ痛みも感じない。香は意識を失う直前のことを思い出した。あの時、たしか見知らぬ男と車に乗ってて・・・男が勝手に何かを言うと私が・・・由里・・・。そう、由里と私は呼ばれていた。
「あの、私と一緒に乗っていた男性は?」
「・・・それが、不思議なんだがね・・・。その男の人は最初はいたんだが突然姿を消したんだよ。」
「姿を消した?」
「あぁ。その男もけがをしていなかったんだ。まあ、もうしばらくすれば見つかるだろうよ。そういやあ、君とその男の関係は?」
香は本当のことを言おう言わまいか迷った。本当のことを言えばその男が怪しまれる。もし、その男が何の罪もなく、尚且つ自分を助けるために車に乗せたのならば申し訳ない。
香の決断はこうだった。
「その男と母は友人関係で、私はその男がどこかへ遊びに行ってくれるということで車に乗っていました。」
「そうなんですか。」
「はい。」
向こうから声がした。
「隊長!急いで来てください!」
「あぁわかった!!今行く!」
隊長は返事をした。
「おそうだ。君の名前を聞いておこう。名前は?」
「香です。」
「そうか分かった。じゃあ、あとは病院で本当にけがをしていないかどうか確認してから家に送って行ってやろう。住所は?」
香はその質問に答え終え、隊長は隊員がいるほうへ行ってしまった。
その後、香は隊長が言った通りに病院へ連れて行かれ、いろいろと診断されたりした。しかし、予想通り何の問題もなく健康そのままだったので、再び隊長がきて、車に乗せてくれた。
隊長はさっき聞いた住所通りの場所へ連れて行ってくれ、お礼を言った後に車から降りた。
目の前には香の家があった。




