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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
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第209話[表] アーリオン・地図とデータ

<Side:Akari>

「その地図だけど、とりあえず皆に共有するのがいいんじゃないかしらね?」

「あ、そうだね。それがあれば他の部隊や班も探索しやすくなると思うし」

 美香さんと日向さんにそう言われた私は、

「そうね。じゃあカメラで撮影して……っと」

 と返事をしながら、携帯通信機のカメラ機能――前のは付いていなかったけど、今のは付いている――を利用して撮影。

 

 ……って、うーん……駄目ね。

「全体が入るように撮影すると、文字が小さすぎて読めないわね、これ」

 そう私が言うと、

「たしかに。かといって分割して撮影すると、それはそれで見づらいよねぇ……」

 と、日向さんが頷きながら返してきた。

 

 そうなのよねぇ……。私の『転写』でコピーを作るという手もあるけど、それだと誰かが配って回らないといけないし……

 

「スキャンしてデータ化……みたいな事は、こちらの世界では出来たりしないのかしら?」

 そんな風に美香さんに問われ――

「あっ、それがあったわね」

 そう返事をする私。

 すっかりスキャンというのを忘れていたわ……

 

「とりあえず、エステルに連絡するのが良さそうね」

 というわけで、早速エステルに携帯通信機で呼びかける。

 すると、すぐに応答があった。

『どうしたのじゃ? 何か気になるものでも見つかったのかの?』

 

「ええ。この島の地図を発見したわ。まだ他が発見していないようなら、スキャンして共有して欲しいのよ。カメラで撮影してみたのだけれど、地図がちょっと大きいせいで、全部入るように写すと見づらくなってしまうのよ」

『なるほどのぅ。他の部隊がそれらしいものを発見したという話は聞いておらぬし、たしかに共有した方が良い代物じゃな。スキャナーは次元鞄に詰めて持ってきてあるゆえ、ササッとやってしまうとしようかの。こっちへ来ては貰えぬか?』

「わかったわ。今からそっちに行くわね」

 私はそう返事をして通信を終えると、美香さんと日向さんの方を向き、

「ちょっとエステルの所へ行ってくるわ。引き続き調査をお願い。一応何人か応援を呼んでおくわ。エステルが2部隊引き連れて来ている事を考えたら、哨戒と探索の人数を減らしても大丈夫そうだし」

 と、告げた。

 

「ええ、任せておいて」

「うん、ばっちり確認しておくね」

 そんな風に言われたので、私は頷いてその場を離れ、エステルのもとへと移動しながら応援を呼んでおく。

 

 と、そこで――

「あれ? アカリ? まさかこんな所で遭遇するなんてね」

 という声が聞こえてきた。

 

 この声は……シズク?

 という事は……と思いながら声のした方を見ると、通路の先からシズクとユーコがやってくるのが目に入った。あ、やっぱり。

 

「ふたりもこっちに来たのね」

「はい。結構な量――通信で送るのはちょっと厳しい量――のデータをコピーする事が出来たので、エステルさんに渡しておこうかと思いまして」

 私の問いかけにユーコがそう答える。

 なるほど……。通信で送れない程のデータを得られたのは大きいわね。

 

「アカリの方はどこへ?」

「あ、私もエステルの所よ。この島の地図を見つけたからスキャンして皆に共有しようと思ってね」

 シズクの問いかけにそう返すと、シズクは納得顔で、

「なるほどね。たしかに地図があるのとないのとじゃ、その差は大きいよね。オートマッピングじゃ時間かかるというか、完成した頃にはあまり意味ない気がするし」

 と言って肩をすくめてみせた。

 

 そうなのよね。たしかにオートマッピングでもこの島の地図を作れるのだけれど、くまなく回らないと行けないから、探索し終えているも同然なのよねぇ……

 そもそもオートマッピングシステム、処理に時間かかるし。

 ゲームみたいに歩いた所とその周辺がパッと表示されれば楽なのに。

 

 なんて事を考えながら、エステルの所へ3人で向かう。

 と、エステルのいる隠し部屋の入口にクライヴさんがいた。

 

 相変わらず邪聖装の『禍々しさを内包した聖なる力』は、遠くからでも感じられるわね……。って、そうだわ!

「――シズク、クライヴさんへの手合わせ系の発言は全て禁止ね」

 

「発言すら禁止!? ぐむぅ……。シャル級……というか『得物』も含めたら、それ以上に強そうな気がするのに……」

 なんて事をシズクが言ってくる。

 

 そのやり取りでこちらに気づいたクライヴさんが、

「あ、皆さんお疲れ様です。エステルさんとエミリーさんなら中にいますよ。すり抜けるタイプなので、そのまま進んでください」

 と、横へ移動しつつ『壁』へと視線を向けて言ってくる。

 

 どうやらクライヴさんが立っていた場所の後ろにある壁の、その先に隠し部屋があるみたいね。

 というか……うーん、まさにテンプレートのような隠し部屋って感じだわ。

 などと思いつつ、クライヴさんに「お疲れ様です。わかりました」と返して壁に向かってそのまま歩を進める私。

 

 スルッと壁をすり抜け、端末のある部屋へと入った所で、

「お、来たかの。スキャナーの方は準備しておいたぞい」

 と、開口一番そう言ってくるエステル。

 それに対し、

「この部屋、こういう感じなのね。で、これなんだけど……スキャン出来そう?」

 と返しながら地図を手渡す私。

 

「うむ、これなら問題はないのぅ。早速スキャンするとしようかの」

 そう返事をしつつ地図をスキャナーにセットするエステル。

 そしてスキャナーを起動してスキャンを開始する。

 

「あ、エステルさん、私の方も端末に残っていたデータをごっそりコピー出来たので、メモリドライブを持ってきました」

 ユーコがそんな風に言いつつエステルにメモリドライブを渡す。

 

「おお、ごっそり回収出来たのは大きいのぅ」

 と返しつつメモリドライブを受け取ったエステルに、

「ちなみに、中には『石化』に関するデータがありました」

 と告げるユーコ。……え?

 

「な、なんじゃとぉっ!?」

 エステルが思い切り大きな驚きの声を上げる。

 

 まあ……うん。そうなるわよねぇ……

 っていうか、なんて重要なデータをしれっと見つけてきているのよ……

約1ヶ月ぶりの更新となりまして申し訳ありません……

(更新を優先して、ほぼ未調整の状態です。後で諸々調整するかもしれません)


もう少しで落ち着くので、そうしたらまた元の更新頻度に戻れると思います。

というわけで、次の更新ですが……7月7日(月)の想定です!

……た、多分大丈夫……なはず……です。

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