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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
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第201話[表] アーリオン・ヘイト&ダブルエンド

<Side:Akari>

「メナス……サイケイソク……アクション……サイセッテイ」

 そんな声と共に残りの4つの頭――顔が、ユーコの方へと視線を向けた。

 それに対して、

「そうですそうです、そうでなくては」

 などと満足げに言うユーコ。

 

「ヒョウテキ……ロックオン……シュウチュウ……アタック」

 再び魔法陣が生成され――

「遅いですね」

 なんていうユーコの言葉と共に引き裂かれる。

 そして、エルラン族の頭へと一気に接近し、ブーツの下に発生させた刃を、踏みつけるようにして突き刺した。

 

「グギァアアァァアァァッ!?!?」

 という苦悶の悲鳴が響き渡るが、この程度では倒れない。

 それどころか、髪の毛を触手のように伸ばして、ユーコに襲いかかった。

 まあ、ユーコは、

「そういう事も出来るんですね」

 などと余裕そうに言って、刃を消しながらその場から離脱。

 触手を回避しつつ魔弾を連射。

 触手を破砕しながら顔に魔弾を当てていく。

 

 するとそこで、他の3つの頭が魔法陣をユーコの左右、そして後方に発生させた。

 

「おっと、そうきますか」

 ユーコはそう言うと後方の魔法陣に向かって高速移動し、引き裂く。

 と同時に、残るふたつの魔法陣から漆黒の楕円が放たれ、ユーコめがけて一直線に襲いかかった。

 

 って、良く見ると楕円の内側、渦みたいになってて高速で回転してるわね……

 あれ、もしかして回転ノコギリのような魔法……?

 

 なんて事を思っている間に、ユーコはそれをあっさりと回避。

 ……と、そこで漆黒の楕円がふたつとも中空で急停止。

 軌道を変えてユーコへと襲いかかる。

 

「ブーメラン……いえ、追尾ですかね? 厄介なものを」

 などと言いつつ一気にエルラン族の頭――顔へと接近。

 ガントレットの刃で斬り裂いた。

 

「アガァァアァァァアァァァッ!!」

 半狂乱になりながら触手のような髪の毛を使ってユーコを狙うが、それをギリギリで避ける。

 と、そこへ漆黒の楕円が迫り――

「その追尾は、空中を自由に動き回れる相手には危険ですよ?」

 なんて事を言って、こっちもギリギリで避けた。

 

 するとその直後、漆黒の楕円は停止する暇もなくエルラン族の顔へと激突。その顔の肉を抉った。

 エルラン族の頭は抉られた部分からどす黒い体液のようなものを撒き散らしながら頭を垂れ、そのまま動かなくなった。

 

 のこる3つの頭が魔法陣を再展開し、ユーコを囲む。

 ユーコはそのひとつを引き裂きながら離脱し、

「改良したとはいえ、もう手も足も魔力切れ寸前なので、さっさと撃ってくれませんか?」

 なんて事を私の方へと言ってきた。

 

「あっ、はい」

 私はついそんな風に返事をしつつ、『フルチャージした魔煌弓』を構え大ジャンプ。

 ガルフェン族の頭と見据え……同じ高さになった所でチャージショットを放った。

 

 私がチャージしてたのしっかり見てたのね……

 というより、最初から私がチャージする時間を作る為に、フルパワーで猛攻を仕掛けて、『アレ』の目を自身に引きつけたってわけね……

 なんて事を思っている間にも、チャージショットはガルフェン族の頭へと到達し……ぶち抜いた。

 

 ジャンプして同じ高さで撃った事により、チャージショットはそのまま貫通し、後方にあったカヌーク族の頭も吹き飛ばす。

 これで残りはディアルフ族の頭のみ。

 

「最後は任せな!」

 という声と共に、『真下』へと滑り込んできた蓮司が、刀を『真上』に突き出す。

 そして、

「燃えつきろっ!」

 と言い放った瞬間、刀から火炎の竜巻が発生。ディアルフ族の頭を飲み込んだ。

 

「グゴガァアァァアァァアァァアァァッッ!?!?」

 凄まじい業火に飲まれたディアルフ族のそれは断末魔の叫びであり、そのまま黒焦げになって動かなくなる。

 

 と同時に頭を繋いでいた肉塊が爆ぜた。

 膨大な体液と肉片を撒き散らす。

 

「あぶねっ!」

 真下にいた蓮司は素早くそこから離脱し、降ってくるそれを回避する。

 それを見ながら、

「さすがに今度こそ倒せた……わよね?」

 いつの間にか横に来ていたユーコにそんな言葉を投げかけると、

「まあ、これで復活してきたら驚きですね」

 と、そう返してきた。

 そして、周囲を見回しながらさらに言葉を続ける。

「それに、空飛ぶイグアナもどきの動きに統一性がなくなっています。間違いなく倒せたと思いますよ」

 

「たしかに、今までの統率の取れた動きから個々で好き勝手に動き回っている……わねっ!」

 ユーコと同じく周囲を見回しながらそう口にして、突っ込んできた空飛ぶイグアナもどきを撃ち落とす。空飛ぶイグアナもどきも大分数が減ったわね。

 

「最早、空飛ぶイグアナもどきは大した事ありません。簡単に殲滅出来るでしょう」

「ああ、これで残ってるやべぇ奴は、シズクが対峙してるあれだけだな」

 蓮司がユーコの言葉に同意しつつ、シズク――というか双頭竜の方へと顔を向けながらそう言ってくる。

 

 ……言われてみると、いつの間にかトカゲワニも全部いなくなってるわね。

 まあ、蓮司がここに来ている時点で、そうだろうけれど。

 

 なんて事を考えつつ蓮司に対し、

「そうね。でも、そろそろ終わるんじゃないかしら?」

 と、返事をする私。

 

 そしてその直後、双頭竜の身体が横に倒れ――ズドンッという重い振動が発生。

 そのまま双頭竜が立ち上がってくる事はなかった。

 

「はい、これで任務完了って事でいいよね?」

 通信機からそんなシズクの声が聞こえてくる。

 私はそれに返事をする前に、

「ほら、倒し終わったでしょ?」

 と口にした。

今回は戦闘の決着までで丁度良い長さになったので、ここで区切りました(いつもより短い感じになっていますが、本来はこのくらいの長さを想定しています……)


といった所でまた次回!

なのですが……すいません、前回記載した通り所々諸々の都合により、次の更新は少し間が開きまして……4月2日(水)を想定しています。

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