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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
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第197話[Dual Site] アーリオン・ナイトレイダー

<Side:Akari>

 ま、まあ……なんにせよ倒した事には変わらないし、みんなの所に戻らないと。

 

 というわけで、防戦を続けているみんなの所へと走る私。

 ……って、なんだか急に雑魚が襲ってくるようになったわね……?

 さっきまで、遠巻きに旋回するだけで攻撃を仕掛けてくる気配がなかったのに。

 

 今まではトカゲワニの攻撃に巻き込まれるのを避ける為に、近づいてこなかった……のかしら?

 もしそうだとしたら、判断力はいまいちね。隙を突いて攻撃を仕掛けるという事が出来ないわけだし。

 

 ……まあ、トカゲワニを倒した相手にバラバラに攻撃を仕掛けて来ている時点で、判断力がなさそうなのはわかるけれど。

 こっちが1人で孤立している状態だから仕掛けてきたんだとは思うけれど、強さを正確に測れていないわね。

 なんて事を考えながら、雑魚を撃ち落としていく。

 

 うーん……。一発で倒せる程度の弱さとはいえ、数がそこそこ多くて邪魔というか、なかなかみんなと合流出来ないわね……

 もしかして、これが狙いなのかしら……?

 まあ……蓮司のところの人たちならば1体くらいは普通に倒せるだろうし、そっちが片付くまで、こいつらを狩りまくるというのも、ひとつの手ではあるわね。

 

 そう言えば、ユーコの方はどうしているのかしら?

 私と同じようにひとりで1体倒していそうな感じではあるけれど、ね。

 

                    ◆

 

 <Side:Yuko>

「――なるほど、これがクーレンティルナ・レポートに書かれていた『壁』ですか。たしかに障壁――バリアというよりは『壁』ですね。頑丈さも凄まじいですし」

 私はそんな事を呟きながら、『壁』に魔弾を連射し続けます。

 

 この魔弾の連射に耐えるあたりはさすがというべきでしょうか。

 まあ、これは目眩ましですが。

 

 魔弾の連射で視界を上手く遮れたのを見計らい、加速魔法で自身を加速させつつ、床に向かってスライディングを実行する私。

 ここの床、下に微妙な空間――土台と床の間の、配管とかを通すためのスペースだと思いますが、ここには特にそれらは何もありません――が存在しているので、スライディングの体勢から床をすり抜ける事が出来たりします。

 

 そして、加速魔法で加速している為、スライディングでの移動距離と速度が大きく増しているので……

「――まさかの下からなんですよっ! これがっ!」

 なんて事を言いながら、ライトニングファング・ナイトレイダー――トカゲとワニのキメラにクーさんが命名したもの。……灯はトカゲワニとか呼んでいた気がしますが――の真下から、ムーンサルトもどきを繰り出しながら、勢いよくグリーヴの先に発生させた刃を叩き込みます。

 

「ギゲェェエェェェェエェェェッ!?」

 ライトニング……長いので、ナイトレイダーでいいですね。

 ナイトレイダーが驚愕と苦悶の悲鳴を発します。

 

 私は上半身を起しながら、今度はガントレットに発生させた刃を叩き込みます。

 さらにそこから再びムーンサルトもどきからのグリーヴでの攻撃。

 そして再びガントレットで……と、コンボです。

 

 ひたすら叩き込んでいたら、急に空振りしました。

 ……おや? 遂に回避されましたか?

 

 床から慎重に顔を出してみると、ナイトレイダーの姿がありません。

 正面、後ろ、左、右……姿なし。

 あ、上も見ないと、上からパックンされかねませんね。

 

 というわけで上も見ますが、姿はありません。

 

 ……あれ? もしかして、今のコンボで倒してしまったんでしょうか?

 えーっと……。なんというかこう……倒した気がしませんね……

 ま、まあ、みなさんの所へ戻りましょうか。1体任せてしまっていますし。

 

 そう考えた所で、空飛ぶイグアナのようなキメラたちが、こちらに向かって攻撃を仕掛けてきました。

 

 ……このキメラたち、今まで攻撃を仕掛けてきませんでしたが、何故このタイミングで……?

 

 良くわかりませんが、邪魔なので倒すしかありませんね……

 

 私は魔弾を放ってキメラを撃ち落としながら、飛翔。

 斬撃と魔弾を交互に繰り出しつつ、続けざまにキメラを叩き落とします。

 

 ショット&ソードのコンボといった所でしょうか?

 まあ、魔弾も斬撃も、どちらも一撃当てるだけで落ちるんですけどね。

 

 それにしても、次々に来ますね……

 私が孤立している状態なので、猛攻すれば倒せるとでも判断したのでしょうか?

 だとしたら甘いですね。昨日食べたSSSパフェ……スーパーストロングスイートパフェより甘いです。

 

 ……っと、それはさておき、さっさと突破してしまいましょう。

 こちらも自由自在に空を飛び回れますからね。足止め出来るなどとは思わないで欲しいものです。

 

 私は進路を細かく変えながら斬撃で踏み込みつつ、みなさんとの合流を目指して突き進んで行きます。

 

「見えましたね」

 私がそう呟いたその視線の先には、みなさんがナイトレイダー相手に防戦している姿がありました。

 

 ……どうやらナイトレイダーはこちらに気づいていませんね。上で派手に空飛ぶイグアナのようなキメラと交戦しているのですが。

 

「そのまま抑えといてください。上から私が強襲します。インパクトと同時に一斉攻撃を」

 私は通信でみなさんにそう告げます。

 

 すると、即座に防戦中のみなさんがなるべくナイトレイダーを動かさないような動きをし始めました。さすがです。

 

 私は真正面から迫ってきたキメラを両断しつつ、ナイトレイダーの頭上へと移動。

 そこから2発の魔弾を真下に発射します。

 と同時に、両のグリーヴの下に刃を発生させ、そのまま一気に急降下。

 魔弾を刃で突き刺し、刃に魔弾の魔力を纏わせます。

 

 そして――

「ソーサリーダイヴッ!」

 そんな風に言い放ちながら、ナイトレイダーの背中を踏みつけました。

 槍だったらもっとスマートに格好良く決まった気がしますが、無いので仕方ありません。

 ともあれ、刃はしっかりとナイトレイダーの背中に突き刺さり、纏わせた魔弾の魔力が爆発。

 

 その爆発に巻き込まれる前に上空へと離脱した所で、みなさんの一斉攻撃が炸裂。

 ナイトレイダーは『壁』を展開する余裕もなく、断末魔の悲鳴と共に消し飛びました。

 

「さすがはおね……隊長ですねっ! 単独で1体倒した上、あんな強烈な一撃を上空から叩き込めるだなんてっ!」

 と、女性隊員がなにやらキラキラとした目で言ってきます。

 

 ……はて? 今ちょっと『お姉様』とか言いかけたような気がするのですが……

 ……まあなんというか、追求するのはなんとなく怖いので、ここは追求しないでおきましょう。

今回は無事にいつもの時間に更新出来ました!


今回は前回長くなりすぎて溢れた分+ユーコ側の戦闘となりました。

トカゲワニの正式名称がようやく判明です。

まあ、単に灯が名称を把握していなかっただけなのですが……


とまあそんな所でまた次回!

次の更新も予定通りとなります、3月17日(月)の想定です!

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