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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
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第187話[表] 地球・温泉、コイ……バナ?

<Side:Akari>

「なんなのよ、その歪んだ恋バナもどき……」

 ロゼたちの話を聞いた私は、ため息混じりにそんな突っ込みを入れる。

 

「歪んではいない……わよ?」

 なんて返してくるシャルに対し、

「思いっきり疑問形になっているですよ……?」

 と、今度はクーさんが呆れ気味に言った。

 

「ん、ミスズが悪い。全方位に大ダメージ。うん」

「ロゼがマーシャをダシにするのがいけないのだ。ぐむぅ……」

 ロゼに対してそんな風に言って湯船に沈む珠鈴。

 

「まだダメージ受けてるの……?」

 呆れ気味に肩をすくめながらそう口にすると、

「……まあ、蒼夜さんが一番大事に思っているのは朔耶さんなのは、明白としか言いようがないのは事実ですからね……。言った本人が一番ダメージ大きそうな気がしますが……」

 なんて事をユーコが口にする。

 

「……私だけ少し前まで『敵対状態』であったからね。……いや、私自身は敵対したかったわけでも、本気で敵対していたわけでもないのだけれど……」

「なんで途中から言い訳じみた言い回しになるのよ……」

 珠鈴の発言に対し、そう返しつつ肩をすくめる私。

 どうも珠鈴はこういう事になると、急にポンコツじみてくるわね……

 

「え、ええっと……。話にあまりついていけてないけど……蒼夜お兄ちゃんは今、朔耶お姉ちゃんに矢印が向いている状態だけど、矢印を自分に向け直したい感じ? まだ、勝負はついていないっていう、そんな感じ?」

 莉紗ちゃんが困惑しつつそんな風に口にする。

 

 どうやら、ロゼたちの話を聞いてそういう風に解釈したらしい。

 するとそれに対して、「うん? 勝負?」と首を傾げるロゼ。

 

「別に勝負はしていないわよ? 少なくとも、私とロゼは」

「うん。あと多分……うん、ここにはいないけど……アリーセもそう。うん」

 シャルに同意するように頷き、そう返すロゼ。

 

 そう言えば、超強力な……というか、死んでなければ完治可能なんていう、どこぞのエリクサー級の回復薬を生み出したアリーセという人も、蒼夜の事が好きだって話を、前に聞いた気がするわね。

 

 なんて思っていると、

「え? あれ? でも、ふたりとも蒼夜お兄ちゃんの事、好きだよね? 夜に聞いた話とかでもそう感じたけど……」

 という、さらに困惑の言葉を口にする莉紗ちゃん、

 それに対して、

「当然よ。だからまあ……順番決め? みたいなものよ。正直言うなら、1番が良いけれど……さっきミスズが言った通り、ソウヤはサクヤが一番大事なわけで……ちょーっとそこに割り込むのは無理に近いし、割り込む気にもならないし……」

「うん、そう。正妻はサクヤでいい。だから、うん、誰が2番で誰が3番か……とかそんな感じ。うん。私は2番……あ、でも、アリーセが2番なら私は3番でもいい。うん」

 などと言い始めるシャルとロゼ。

 ……でもまあ、そう言ってくると思ったわ……

 

「はい? 正妻? え? はええ?」

 当然のように、更に困惑する莉紗ちゃん。

 というか、最早理解が追いつかずに素っ頓狂な言葉が口をついて出てるような……?

 などと思っていると、クーさんが困惑する莉紗ちゃんに対し、

「あ、えっと……む、向こうのせか……国は多夫多妻というか……結婚相手の人数制限はないというか……そんな感じなのです。まあ、場所によって少しずつ違う『決まり事』のようなものがあったりするですが……」

 と、そんな風に説明した。

 するとそれに対して莉紗ちゃんは、

「……ほえっ!? ほええっ!? うええええええっ!? そ、そんな国あるのぉぉっ!?」

 などと、盛大に驚きの声を上げる。

 

「……まあ、うん。そうなるわよねぇ……」

 

 でも、ロゼの国――イルシュバーン共和国って、そういう国なのよねぇ……

 いえ、正確には向こうの世界全体がそんな感じというべきかしら。

 とはいえ……クーさんが『決まり事』と言った通り、近年はイルシュバーンも含めて、ふたり以上と結婚しようとすると、収入審査やらなにやら色々な『チェック』や『手続き』が追加される国が増えてきていて、それが面倒だと考える人が当然多くて、半ば一夫一妻みたいな感じになっているらしいけれど。

 たしか、エレンディアも似たような仕組みがあったはず。

 

 ――中世からの伝統を残しつつ改革した結果……とかなんとか言ってたわね。

 『黄金守りの不死竜』の元国家元首の人たちとか、現国家元首の人たちとかが。

 

 たしか……中世時代に一度、世界全体が統一された時に、一夫多妻とか一妻多夫とか国ごとに色々あって揉めたらしく、間を取って多夫多妻にしたとかなんとか……

 間……なのかしら? というのはともかく、まあ……強引に解決するには、一番手っ取り早い気もするわね。

 

 それはともかく……

 蒼夜なら『チェック』だの『手続き』だのは皆無同然なのよねぇ……

 なんせ、女神様の使徒――という事になっている――だし。

 

 なんて事を考えていると……

「そ……っ、そそ……っ!」

 と、プルプルしながら呟く莉紗ちゃん。

 

「え、ええっと……理解不能なのはわかりますが、そういう国なので……」

 莉紗ちゃんが怒っていると判断したユーコが、そんな風に告げたその直後、

「そ……それなら! 私も加わるぅぅぅっっ!!」

 などと声を大にして言い放つ莉紗ちゃん。

 

 ええっと……。う、うーん……これはその、なんというか……ここにきて6人目のヒロインが登場! という事になるのかしら……?

 まあ……うん。蒼夜も大変ねぇ……

なんともな話に……


ま、まあ、そんな所でまた次回!

次の更新は予定通りとなります、2月3日(月)の想定です!


……それはそれとして、どうにも地球の話が長くなりすぎているのと、この先の展開を考えるともう少し内容を整理した方が良いのではないかと思っています。

近い内に、何回か更新を休んで調整を行うかもしれません(このままだとグダグダとした展開が続くような状態になってしまうので……)

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