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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
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第185話[裏] 地球・温泉、戦闘、シャルロッテ

<Side:Charlotte>

「うん、ある……と。うん」

「まあ、私が言うのもなんだけど、私と同じでバレバレよね」

 ロゼと私がそう言うと、ミスズは「ぐむぅ……っ!」と唸った後、

「し、仕方がないではないかっ! 久し振りに再会したら敵同士だったというのに、ほとんど躊躇する事なく、ポッと出の者を守って全力で攻撃を仕掛けてきたのだから!」

 なんて事を言ってきた。

 

「あー……、うん。まあたしかに、あの時のソウヤはかなり強かったわね……。ヴァロッカで助けられた時も思ったけど、あの強力な武器の数々を操る技量とサイキックとかいう異能を含めた純粋な『戦闘能力』で見たら、私よりも強いと思うわ……」

 私はヴァロッカの一件を思い出しながら、そんな事を口にする。

 

 ……というか、周囲の人間を急成長させる異能って、自分にもある程度効果が出ている気がするのよね……

 しかも、急成長させた人間の数が多い程その効果が高まっているような、そんな感じがするわ……

 まあ、あくまでも私の感覚的な推測でしかないけれど。

 

 などと考えていると、

「うん。それは間違いない。私も、うん、高速で動き回って翻弄する事は出来ると思うけど、そこまでだと思う。うん。攻撃を仕掛けるのは無理そう。うん」

 と、ロゼが言ってくる。

 

「え? そう? 踏み込めそうな気もするけど……?」

「ん、踏み込んだ瞬間、サイコキネシスで止められるか、うん、アスポートで飛ばされて、そこに魔法攻撃が集中する。うん。回避不可」

 私の言葉に対し、ロゼがそう返してくる。

 

「……言われてみるとたしかに、動きを止められた瞬間とか、転移させられた瞬間に魔法が――攻撃が着弾するようにコントロールされたら、回避不可ね……」

 そんな風に私が呟くと、それに対してミスズが頷きながら、

「うむ。ガードするしか対処法はないが、ガードで防ぎきれるかどうかは怪しいな」

 と、言ってきた。

 

「たしかにそうね……」

 とそんな風に私は返事をしつつ、「うん?」と首を傾げる。

 

 ……いつの間にか、戦いがどうとかいうの話になってるわね……

 こういう話がしたかったわけじゃないんだけど……

 私は戦闘狂の類ではないし……

 

 ……って、あれ? 

 でも、話をそっちに向けたのって……私?

 

 ……いえ、でも、そのくらいでは戦闘狂とは言わない……

 ……言わない……わよね?

 

 心の中で自分に対して突っ込みつつ、ちょっとだけ自信がなくなっていると、

「まあ、そんな戦闘狂的な話はさておき、ヴァロッカで助けられたというのは一体なんだ? 私はその話を知らないのだが?」

 なんて事を私の方を見て言ってくるミスズ。

 

「ちょっと待って!? 私は戦闘狂じゃないわよ!? シズクじゃないんだし!」

 そんな風に反射的に反論すると、ミスズが、

「――たしかにシズクとは違うが、魔法探偵シャルロットの内容を考えたら、十分その気があると思うのだが……」

 などという言葉を返してくる。

 

「あれは、カリンカが脚色しているのよっ! フィクションよ! フィクション!」

 そんな風に突っ込みを入れた所で、

「ん。でも、あれ、魔法探偵シャルロット程の派手な事はしていないけど、うん、基本的には実際に同じような事をやってると言ってた。うん」

 と、そんな風に突っ込み返してくるロゼ。

 

「うぐっ! た、たしかにやってはいるけど……っ!」

「――うん、それに、盗賊を相手にした時に暴走してバーサーカーみたいになる。うん」

 私がどう返すか迷っていると、ロゼが更にそう追撃してきた。

 

「う、うう……っ。た、たしかにその点に関しては否定出来ない……わね……」

 苦虫を噛み潰したようなという表現があるけれど、まさに今、私はそんな感じだった。

 たしかにその『癖』というか『スイッチ』というか……それだけは、抑制出来ているとは言い難いのよね……

 盗賊を過剰に殲滅した所で、何の意味もない事は分かっているのだけれど……

 

「……まあ、トラウマとか復讐心とかを、そう簡単にどうにか出来るものではないのは分かるのだが……ひとつ気になっている事があるのだ」

 聞くべきかどうか迷っていそうなミスズのその言葉に、私はそこで変に気を使われてもねぇ……と思いながら、

「気になっている事? 何が気になるのか分からないけれど、遠慮せずに聞いてくれていいわよ? あの里の事には一応心の中で整理がついているし」

 と、そんな風に告げる。

 何が聞きたいのか、むしろ気になるし。

 

「そうかね? なら、この際だから聞いてしまうが……君は『君の里の人間』にどちらかと言うと『酷い事をされた』と思うのだが、どうしてその里の人間を滅ぼした盗賊に対して、そこまでの憎悪と憤怒に取り憑かれるのだ?」

 なんていう問いの言葉を投げかけてくるミスズ。

 

「え? ……それはまあ……たしかにあの里はとんでもない事をしていたわ。でも、それはあの里の一部の人間がしていた事であって、多くの人はあんな事が行われているなんて知りもしなかったのよ。それなのに、無関係に皆殺しにされたのだから当然というものじゃない?」

 そう私が言うと、ミスズはさらに、

「――殺したのは盗賊……に偽装した暗殺部隊であろう? 暗殺者の類に対してそのような憎悪や憤怒を向けるのなら分かるが、何故盗賊なのだ?」

 という疑問の言葉を口にしてくる。

 

「ん。……言われてみると、たしかに謎。うん。私のような『暗殺者』に対してあの殺意を向ける方が自然。うん」

 そんな風にロゼにも言われた私は、返答する事が出来なくなり、

「それ……は……たし……かに?」

 と、そう言葉を発するのが精一杯だった――

話題が盛大に脱線していますね(何)

まあ「そういう」面々なので……


さて、そんな所でまた次回!

次の更新日に関しては、色々考えたのですが……平時通りに戻した方が良いと思いまして、1月27日(月)の想定です!

間が空いてしまって申し訳ありません……

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