表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
736/764

第184話[Dual Site] 地球・ノイズと温泉

<Side:Souya>

「――とまあ、そんな感じです」

 そう言って説明を締めると、

「なるほど、ファンタジー半分、SF半分って感じだな……」

 なんて事を言ってくる勇さん。

 

「ま、高度に発達したSFはファンタジーと区別がつかないって言うしな」

「言わないと思うが……。大体、高度に発達したSFとファンタジーって何だ……」

 蓮司の発言に対し、ロディがそんな突っ込みを入れる。

 しかしすぐに、

「いや、サイエンス・ファンタジーという言葉があるから、ある意味では間違っていない……のか?」

 なんて事を言って考え込んだ。

 

「まあ、鬼哭界なんかは完全にサイエンス・ファンタジーな場所ではあるな……」

「あそこは、コロニーじゃなくて巨大な船だしなぁ……」

 俺と蓮司がそう呟くように言うと、

「その発言の一部がノイズ化してしまう現象は、完全にファンタジーだがな」

 と言って肩をすくめてみせる勇さん。

 

 おっと、そう言えばこの辺りの言葉はノイズになってしまうんだった。

 魔煌波の薄い地球でもノイズになってしまう理由は未だに良く分からないが……

 

 まあ、朔耶の計画に関する事とかも特殊なノイズ化が起こるし、そこら辺はもうファンタジーだとしか言いようがないな……。今の所は、だが。

 

「ノイズ化と言えば……朔耶の計画に関して、ノイズだらけだがお前の口から聞けたって姉貴が言ってたが、今はどうなんだ?」

「うん? あー……」

 蓮司の問いかけにそう返しつつ思う。

 

 ……いける……のか?

 いや、なんとなくいけそうな気がするぞ……?

 

 俺は朔耶の家でおばさんに対して語った事を再び口にしてみた。

 すると、普通に言葉に出来てしまった。

 

 もしかして、一度口に出来たら、『話す』事に関しては制限が解除される……のか?

 なんて事を考えて所で、

「ノイズだらけだが、たしかに言葉になったな……」

 と、腕を組みながら言ってくる蓮司。

 その蓮司に頷きながら、ロディも、

「そうだな。計画の名前を思しき所や、計画で何をどうするのかという所が謎だったから、ほとんど分からないも同然だけどな」

 と、言ってやれやれと首を横に振ってみせる。

 

 そして、そんなふたりの発言を聞いた勇さんが、

「今のはお前たちもノイズになるのか?」

 という、もっともな疑問を口にする。

 

「今のは本当なら『発言すら不可能』なものなんですよ」

「ノイズ化どころか、そんなものまであるのか……。それも、ノイズ化と同じで何らかの条件があるって事か?」

 俺の返答に対し、勇さんが再び問いかけてくる。

 俺はそれに、

「そうですね。……ただ、その条件がいまいち良く分からないんですけどね……」

 と返し、ため息をついた。

 

 するとそこで、

「ま、一応一歩前進と言えなくもねぇけどな」

「ああ。あとは少しずつ条件を探っていくしかないだろう」

 と、そんな風に言ってくる蓮司とロディ。

 

「ま、たしかにそうだな。こっちにいる間にもう少し色々試してみるか」

 俺はそう返事をしつつ、上手くノイズ化も解除出来たらいいんだが……と、そんな風に思った。

 

                    ◆

 

<Side:Charlotte>

「ふはぁ……。やはり、温泉は良いものだな……」

 ミスズが温泉に浸かって開口一番そんな風に言ってくる。

 それに対して、

「ん。なんだかお父さんみたい。うん」

 なんて返すロゼ。

 

「む、むぅ……。否定するのもあれだし、否定しないのもあれな、微妙な言い回しをしてくるね……」

 などと、わけのわからない事を言うミスズ。

 というわけで、

「……普通に否定すれば良いんじゃないかしらねぇ?」

 と、呟くように言う私。

 するとそれに対し、

「それはそれでアルヴィンス殿に失礼な気がしてな……」

 なんて事を言ってくる。

 

「……しばらく一緒に行動していて思ったのだけれど、ミスズって『あれこれ心配しすぎ』じゃないかしらね? で、その結果『躊躇して動けない』感じがするわ」

「ぐぅっ……! ず、随分とハッキリ言ってくるね……。もしや、以前の交戦で押し負けた事を根に持っているのかい?」

 私の発言に対し、そんな風に返してくるミスズ。

 

 それを覚えているミスズの方が根に持っているような……?

 いえ、まあ、実の所、私も少し根に持っているのだけれど。

 とはいえ、そんな事は口が裂けても言うつもりはないので、

「……ああ、そんな事もあったわね……。大丈夫よ、今は負けないし、そんな事思ってもいないわ」

 と、返す私。

 

 するとその直後、

「――ん、なんでシャルはそんなに喧嘩腰? うん」

 ロゼがそんな事を問いかけてくる。

 

「じ、事実を言っただけよ。別に私も根に持っているわけじゃないわよ」

「……うん、それ、根に持っているって言ってるようなもの。うん」

 私の発言に対し、ロゼがそう返してくる。

 

 そこで慌ててうっかり『自ら言ってしまった』事に気づくも、時既に遅し。

 それにどう返事をするべきかと思っていると、

「でも、うん、シャルが『も』と言った通り、うん、その事を覚えているミスズもミスズだけど。うん。――ソウヤがシャルを守る形だった事に嫉妬した? うん」

 なんて事をミスズに告げるロゼ。

 

 うわぁ……。私に対する言葉以上に強烈……

 

「ぬなっ!? そ、そそ、そんな事は、な、ないぞ?」

 驚きと共にそんな風に返すミスズ。

 

 いや、そんなに慌てたら私と同じでバレバレよ……?

 というか、あの場にロゼはいなかったはずだけど、良く分かるわね……

 

 ミスズとロゼを交互に見ながら、そんな事を思う私だった――

今回の話は、ほぼ想定通りの長さなのですが、妙に短く感じますね……

普段、想定している長さを超過しまくっているせいな気しかしませんが……


とまあそんな所でまた次回!

なのですが……申し訳ありません、諸事情により2日程更新出来ない為、次の更新は1月22日(水)の想定です……

なお、その次からすぐに平時に戻る予定です。

(そのまま平時に戻すとまた間が空いてしまうので、前倒しで調整するかもしれませんし、そのままいくかもしれません……)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ