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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
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第179話[表] 地球・合流場所にて

<Side:Akari>

「合流場所ってここでいいのよね?」

 私はそんな風にユーコに問いかける。

 するとそれに対し、

「そうですね。温泉の前という事だったので、ここで間違いないはずです」

 なんて返してきた。

 

「ショッピングモール内に温泉がある辺りは日本っぽさがあるな」

「うーん……。日本でも温泉のあるショッピングモールはむしろ少ないと思うけど、でもそう言われると、たしかに……と思わなくもないわねぇ」

 私がロディに対してそんな風に答えると、

「まあ、エレンディアにもしれっと温泉はあるですが」

 なんて事を言ってくるクーさん。

 

「そう言われてみると、たしかに私たちの事務所兼住居となっているビルから見える所にありますね」

「そうね。なんだかんだでしばらく行ってないから、久し振りに行きたくなってきたわ」

 ユーコの言葉に頷きながらそう返す私。

 まあそもそも、エレンディア自体、しばらく戻っていないんだけど……

 

「温泉と言えば、ヴァロッカや北大陸――アカツキなんかも良いよな」

「ヴァロッカは行ったけど、アカツキ皇国には行った事ないわねぇ……。昔の日本っぽいって話だから、ちょっと行ってみたいとは思ってるけど、別の大陸となるとなかなかね」

 蓮司に対してそんな風に返した所で、

「でも、今は竜の座を経由して大陸間の移動は簡単に出来るようになったので、休暇が取れたら行ってみてもいいかもしれませんね」

 と、そんな風にユーコが言ってきた。

 

「そうねぇ。……もっとも、今も休暇みたいなものな気もするけど。大分長い間、広捜隊本来の仕事してないわよね、私たち」

「あー……まあ、たしかにそうですね」

「一応、『黄金守りの不死竜』への出向命令を遂行中って扱いだから、仕事自体はちゃんとしてると言い張ってもいいけどな」

 私とユーコの発言に対し、そう言ってくるロディ。

 

 いや、言い張るって……という突っ込みを入れそうになった所で、

「あ、来たみたいなのです」

 と、クーさんがそんな風に言ってきた。

 

 クーさんの視線の先へと顔を向けると、たしかに蒼夜たちの姿があった。

 ……って、随分と見た目――服が変わってるわねぇ。蒼夜以外。

 

「また随分と変わったな……。ってか、姉貴はなんであんなヒラヒラすぎる格好なんだ?」

 蓮司がそんな事を小声で呟いたので、

「ちょっと意外ではあるけど、割と似合ってるんじゃないかしらね?」

 と返す私。

 それに対して蓮司は、

「そうか? まあ、家族とそれ以外とじゃ見え方も違うか」

 なんて言ってきた。

 

 たしかに姉と弟という関係だと見え方は違うかもしれないわね。

 

「ロゼさんのあのゴシックロリータ、動きにくくないんですかね?」

 ユーコがそんなもっともな疑問を口にした所で、ロゼが突然壁を蹴って二段ジャンプ。

 そして、空に舞い上がろうとしていた風船をキャッチすると、前転しながら少女の前に着地してみせた。

 

 ……って、いやいや、なんなのよ今の動き……

 

「まったく問題なさそうだな」

「まったく問題なさそうなのです」

 ロディとクーさんのその言葉に、

「そ、そうですね。まったく問題なかったみたいですね」

 と、ちょっと苦笑気味――というか引き気味に返すユーコ。

 

「相変わらずぶっ飛んだ身体能力だな……。あれだけの動きをしておきながら、スカートの中が全く見えない」

「……見る所、そこなの?」

 私は蓮司に対してジトッとした目で、そんな突っ込みを入れると、

「っていうか、あんな目立つ事して大丈夫なのかしら……」

 と思いながらロゼの周囲を見ると、少女とその母親らしきふたりを除いて、誰も気にしていなかった。……あれ?

 

 私が不思議に思っていると、

「ああ、蒼夜がきっちり認識阻害魔法を使ってるから問題ないな」

「スフィアを使って広範囲に発動させているようなのです。多分、私たちとあのふたり以外には、あの動きそのものを認識出来ていないと思われるのです」

 なんて事を蓮司とクーさんが言ってきた。

 それに対して私は、

「えっ!? そんな事してたの!? 全然気づかなかったわ……」

 と、驚きの声を発する。

 

 でも、よくよく考えてみると、あの面々で移動していて誰も関心を持っていない――視線を向けていない時点で、なんらかの魔法が使われているのは間違いないわね……

 

「さすがは『黄金守りの不死竜』のトップだけはあるって感じだな」

「ですね。そもそも普通だったらもっと見られていますよね。絶対」

 ロディとユーコのそんな言葉に対し、

「たしかにそうねぇ……。今のロゼの動きで驚いてるの、莉紗ちゃんだけだし」

 と返しつつ、そちらへ視線を向ける私。

 

 まあ、目の前であんな動きされたら、さすがに驚くわよね。普通は。

 ある意味、認識阻害魔法の性能の高さが良くわかるわ……

 

 そんな風に思いながら蒼夜たちを見回し――

「……というか、私も地味に認識阻害されているかもしれないわ」

「……? どうかしたですか?」

 私の呟きにクーさんが首を傾げながら問いかけてくる。

 それに対し、

「……魔法探偵シャルロットの姿が見えるわ……」

 と、そう答えつつそちらへと視線を向ける私。

 すると、

「……た、たしかに……なのです」

「え、ええっと……。私にも見えますね……」

 クーさんとユーコがそんな風に返してくる。

 

 あれって、シャル――シャルロッテ……よね?

 魔法探偵シャルロットが出てきたわけじゃない……わよね……?

『似ている』どころか『そのもの』な姿になったという……(何)


とまあ、そんな所でまた次回!

次の更新は平時よりも1日だけ間が多く空きまして、12月31日(火)の想定です。まさに今年最後です。

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