表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
639/764

第92話[表] 鬼哭界・コンタクト

<Side:Akari>

「――すいません、連絡のあったメモリーディスクを届けに来ました。あと、ついでに蒼夜さんから状況の確認を頼まれたのですが、どんな感じでしょう?」

 私の隣りにいるユーコがそうエルウィンとクラリスに声をかける。

 

 このエルウィンって人、『銀の王』によって閉ざされた状態になってしまっているローディアス大陸にある公国の公子なのよね……

 相変わらず、とんでもない地位の人が多いわねぇ……『黄金守りの不死竜』

 

 なんて事を考えていると、

「あ、わざわざ持ってきてくれたでありますか。こちらから取りに行くつもりだったでありますが」

「うん、持ってきてくれてありがとう。で、状況についてだけど……そうだね、ここで得られそうな情報は一応全て回収出来たと思う。ただ、各種プロテクトによって現時点では確認出来ない状態の情報も多くてね。後で解析しないと駄目かな」

 と、そんな風にクラリスとエルウィンが言ってきた。

 

「まあ、そんな簡単にはいかないってわけですね……。ちなみに、ローディアス大陸関連の情報もあったりしたんですか? 何か蒼夜が気にしていたので」

 私がそう問いかけると、

「ローディアス大陸を閉ざしている方法についての情報は見つかったには見つかったんだけど……一番プロテクトが強固でね。これを解析するのは骨が折れそうだよ。ミスしたら強制的に抹消されるような仕掛けも施されているし……」

 なんて言いながら、やれやれと首を横に振って見せるエルウィン。

 

「それはまた、たしかに厄介そうですね。……あれ? それならメモリーディスクにコピーとかも出来ないのでは……?」

「そこは大丈夫。コピーを無効化するプロテクトは解除してあるから」

 ユーコが、メモリーディスクをエルウィンに手渡しながら口にした疑問に対し、エルウィンはサラッとそう答えてみせた。

 う、うーん……。あっさり『解除』って言ってのけるとか、凄いわね……

 

「そ、そうなんですか。そんな事も出来るんですね……」

 頬を掻きがながら返事をしたユーコに続くようにして、

「うむ。我が主は凄いのでありますよ。なにしろ、『黄金守りの不死竜』の最先端技術を次々に会得していっておられるでありますから」

 と言って、胸を張るクラリス。何故こっちがドヤっているのかしら……

 

「そこまで次々には会得していないって。でもまあ、どんな知識や技術が『銀の王』に対抗し、ローディアス大陸を解放する事に繋がるか分からないからね。なるべく得られるものは得ておきたいとは思っているんだ」

「なるほど……。たしかに得られる知識や技術は得ておきたいと思うのは、分かります。今でこそ、エステルさんのお陰で色々出来るようになりましたが、元々の私は、アストラル体であるがゆえの『制限』があったので、それを補う為に、得られる知識や技術は得ようと考えていましたから。……いえ、もう癖みたいな感じになっているので、今でも考えていますね」

 エルウィンの発言に対し、ユーコが頷きながらそんな風に返す。

 

 ……たしかに、ユーコって昔から知識や技術を得る事に貪欲な感じはあったけど、そんな考えがあったのね……

 

「ふむむ……。ユーコ殿は我が主と次くらいに凄いでありますな」

「あ、そこは同等じゃないんだ」

「当然であります。我が主が一番なのは疑いようもない事実なのであります」

 私のツッコミめいた言葉に自信満々にそう返すクラリス。

 

「いや別に一番とかじゃないからね……? というか、いつも『我が主』なんて言わないのになんで急に……?」

「うっ! そ、それはでありますな……牽制というかなんというかでありまして……」

 首を傾げるエルウィンに、顔を赤くして人差し指を合わせながらそんな事を呟き始めるクラリス。

 

 ……あー、うん。なんとなく理解したわ。――愛ね。

 

 なんて心の中で呟いていると、

「ケンセイ? シャルロッテさんが何故そこで?」

 と、更に良く分かっていない様子で問うエルウィン。

 

 ……今の『ケンセイ』って『剣聖』っぽいニュアンスだったわね……

 シャルロッテとか言ってるし、多分大いに勘違いしてそうだわ。

 

「あ、いえ……そっちのケンセイではないであります」

「……? だとしたら――」

 エルウィンが返事をしようとした直後、急にピロロンという着信音を思わせる機械音が響く。

 今の、モニタの方から聞こえてきたわね……

 

「……うん?」

 エルウィンがそう口にしつつ視線をそちらへと向ける。

 それにつられるようにして、私も同じく視線を向けると、そこには何かの通知が表示されていた。

 

 一体何かしら……と思いながら近づいて見てみると、

『HSWNの映像通話モードでのコンタクトを求められています。接続を許可して映像通話モードを起動しますか?』

 と、そんな風に書かれていた。コ、コンタクトって……

 

「HSWNというのが何なのかはさっぱりですけど、これって、誰かがこちらに接触しようとしてきているって事……ですよね?」

「うんそうだね。……どう対応したものかなぁ」

 エルウィンは私に対して頷きつつ、そう言って腕を組む。

 

 ――このタイミングで一体誰が……?

誰かが接触してきたようですが……?


とまあそんな所でまた次回!

次の更新も予定通りとなります、1月22日(月)の想定です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ