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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
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第54話[表] 新たなる門、新たなる謎

<Side:Akari>

「城の地下の門や、冥界の門と完全一致って奴ね、これ」

 門を見ながらそんな風に私が言うと、

「そうですね。ある意味予想通りというべきか、これもまた動作していないようですが」

 と、返事をしながら門を見回すユーコ

 

「ここはどこに繋がる門なんだ?」

 そんなもっともな疑問を蒼夜が口にすると、

「開けてみないとなんとも言えませんわね。あのゴーレム飛竜を生み出した所だとは思いますけれど」

「そうじゃな。じゃが……少なくとも冥界や混沌界の類ではないのぅ。あのふたつの異界――コロニーの技術とは明らかに違っておったからの」

 なんて事をリリアとクレリテが言った。

 

 良く分からないけれど、冥界や混沌界と呼ばれている別のコロニーの技術ではないみたいね。

 もっとも、私はその辺りについて詳しいわけじゃないから、そう言われてもさっぱりだけど。

 

「ん。とりあえず、触れてみれば何か分かるかも? うん」

 なんて事を言いながら門に手を触れるロゼ。

 しかし、何も反応しない。

 

「冥界の門の時は、霊力反応とやらを感知してメッセージが表示されましたが、ここもそうなのでしょうか?」

 と言いながら手をかざすユーコ。

 すると今度は『権限データ確認……ゲストアクセス……権限レベル不足』などと表示された。

 

「権限レベル不足……ですか。やはり冥界のものでは駄目みたいですね」

「だが『ゲストアクセス』って表示されている事を踏まえると、権限レベルさえ高ければ、他のコロニーのゲートを動かす事も出来るっぽいな」

「あ、たしかに言われてみるとそうですね。もっとも、権限レベルをどうやったら上げられるのかが分からない以上、現時点ではどうしようもないですが……」

 ユーコとロディのそんな話を聞きながら私も手をかざしてみるが、無反応だった。


 というかこれ、誰も起動出来ないんじゃ……?

 なんて事を思っていると、

『――ブラッドタイプ……アドミニストレーターシグナル』

 唐突にそんなメッセージが表示された。……え?

 

「ん? マーシャに反応した?」

「うむ。そのようじゃな」

 ロゼとリリアが口にした通り、門に手を触れているのは、マーシャちゃんだった。

 

「っ! という事は……!」

 ユーコがハッとした表情でそう言った瞬間、ゴーレム飛竜の現れた通路の壁、床、天井全てが障壁に覆われた。

 

 この感じだと、すり抜けられる壁の所も覆われていそうね……と思っていると、

「すり抜けられる壁の所も覆われているな。どうやら、完全に閉じ込められたようだ」

 と言ってくる蒼夜。どうやらクレアボヤンスで確認したみたいね。

 

「これって、ユーコの言っていた?」

 私が呟くように言いながら門へと視線を向けてみると、

『レリヴァンスファクター……チェックスタート』

 というメッセージがいつの間にか表示されている。

 

「はい。表示こそ違いますが状況は同じ。つまり……『敵』が来ます!」

 そんな風にユーコが声を大にして口にした直後、床に5つの黝い渦が出現。

 そこから人間の3倍近い大きさの青い甲冑が浮かび上がるようにして、その姿を現す。

 

 速やかに弓を構えてチャージした所で、

「ふむ……中は空っぽか。いわゆるリビングアーマーの類だな」

 と、蒼夜がそんな風に言いながら融合魔法を放った。

 

 そして、当然といえば当然だけれど、その一撃で青い甲冑はあっさりと消し飛んだ。

 なんていう無造作な瞬殺っぷり……

 

 などと思っていたら、

「ん! 渦がまた現れた!」

「もしや、あの時と同じ!?」

 と、ロゼとユーコがそう言ったように、再び黝い渦が出現。

 青い甲冑がその姿を現した。

 無限に復活するパターンかもしれないってわけね……。それなら――

「もう一度試してみればわかる話よねっ!」

 そんな風に言い放ちながら、今度は私がチャージショットを放った。

 

 あっさりと1体――じゃないわね、もう1体巻き込んだから2体だわ――の青い甲冑が消し飛ぶ。

 しかし、やはりと言うべきか倒した分の青い甲冑と同数――つまりふたつ――の黝い渦が出現。そこからまさに補充されるかの如く、青い甲冑が現れる。


 その様子を見ていたロディが、

「やはりあの時と同じく、この5体を『どうにか』しないと駄目みたいだな」

 と結論づけた所で、2体の青い甲冑が動き出す。

 

「って! マーシャを狙っていますわっ!」

「まあそうなりますよねっ!」

 リリアとユーコが2体の青い甲冑をそれぞれ撃破しながら告げる。


「たしかに2体ともリリアの忠告した通り、一直線にマーシャちゃんの方へと向かう動きだったわね。でも、ユーコの時と同じように引っ張り回して貰うってわけにはいかないし……」

「ああそうだな。迎撃しながら『どうにか』するしかなさそうだ」

 ロディが私に対して頷きつつ、そう言って剣をサイコキネシスで浮遊させる。

 

「うん、でも、今回は床に紋様とかない。うん、どうすれば?」

「今はまだわからぬ! じゃが、必ず解法があるはずじゃ! ロディの言う通り迎撃しながら探るぞい!」

「ん、了解。でも、うん、私はマーシャの防衛に専念する。うん、調べるのは任せた」

 ロゼとクレリテのそんな会話を聞きながら、私は再び周囲を見回してみる。

 だけど、門の周囲にはこれといって怪しいものは見当たらなかった。

 

 う、うーん……。一体、なにをどうすればいいのかしら……

思ったよりも長くなったものの、途中で区切りづらかったので、一気に進めてしまいました。


とまあそんな所でまた次回!

次の更新も平時通りの間隔となりまして、9月8日(金)を予定しています!

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