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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
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第50話[表] 権限と供給

<Side:Akari>

「ちょっとばかし厄介ってのは、どういう理由でなんだ?」

 と、ロディが私の思った事を問いかける。

 

「調べた結果、これを動作させるには『あのコロニーの管理者権限』が必要らしいのですけれど、さすがにそんな権限を持っているわけもなく……偽装するにしても、何をどうすれば良いのかが分からないんですのよ」

 そんな風に説明し、ため息をつきながらやれやれと首を横に振ってみせるリリア。

 

「権限……ですか? それでしたら『一部』ではありますが、アクセス権限とやらを先程得たので、もしかしたらそれでいけるかもしれません」

 その発言に驚きの表情をしながらユーコの方へと顔を向けるリリア。

「え? そうなんですの?」


「はい。もっとも、『一部』なので、それを動作させる事が出来るかは謎ですが」

「ん。試してみるのが良さそう。うん。駄目ならまた考えればいい。うん」

 ユーコの言葉にロゼはそう言いながらリリアの方を見る。

 

「……ロゼの言う通りですわね。ユーコ、試してみてくださる?」

「もちろんです。――それで、どうすれば良いのでしょう?」

「そちらの壁に鈍色のパネルがありますわよね? それに手を触れてみてくださいませ」

 ユーコの問いかけに対し、リリアはそう返事をしながら壁の方へと顔を向ける。

 それに続くようにして顔を向けてみると、たしかに壁の所に鈍色――濃い灰色のパネルがあった。

 

「なるほど、あれですか。ちょっとやってみます」

 ユーコがそう言いながらそのパネルの前へと移動し、パネルへと手を伸ばす。

 と、次の瞬間、

『アストラルパターン照合中……』

 という文字がパネルに浮かび上がってくる。

 

 マーシャちゃんとロゼがそれを眺めながら、

「さっきは、ここで全員弾かれたんだよねー」

「ん、マーシャなら案外いけるかもしれないと思ったけど、無理だった。うん」

 なんて事を口にする。

 

 たしかに、マーシャちゃんって何気に『特殊な権限』を持っているみたいなのよね。どうしてなのかは、未だにさっぱり分からないみたいだけど。

 失われた記憶になにかあるんだとは思うけれど……でも、そもそもの話として、マーシャちゃんの記憶って、本当に『失われている』のかしらね? 最初から蒼夜とロゼが発見する以前の記憶がないという可能性もあるような……

 なにしろ、前に『コピーされた存在』を大量に見たし……

 まあ、確証があるわけではないし、敢えて口にするつもりはないけれど。

 

 などという思考を私が巡らせていると、

『――データベース照合あり。ランクC権限所有者』

 と、表示されている文字が変化した。

 うーん……。ランクCって言われても、何段階あるのか分からないから、高位なのか低位なのか良く分からないわね。最高位ではないというのは間違いなけれど。

 

「おっ、照合ありと出たな」

「あとは、この権限で通るかどうか……じゃな」

 蒼夜とエステルがそんな風に言った直後、

『エネルギー供給接続:切断中 再接続可能』

 という表示に再び変化し、更にその下に、

『コネクト』と『キャンセル』という文字が横に並ぶように表示された。

 

「これはいけそうな感じですわね! 『コネクト』を選んでみてくださいませ!」

 リリアが若干興奮気味にそう告げると、ユーコはそれに頷いてみせ、再接続と表示された文字の所へ手を移動させる。

 

『コネクトコマンド受諾。再接続実行……』

 その表示に変化して待つこと十数秒――

 ゴゥンという音が連続して響き渡ったかと思うと、部屋全体が急に明るくなった。

 

『エネルギー供給接続:接続中 供給率70%』

 そんな風に変化した表示を見ながらリリアが、

「70%? これといってエネルギーが漏れていたりしそうな場所はなさそうですけれど……」

 と周囲を見回しながら言って、「はて?」と首を傾げる。

 

「まあ、こことは別の場所に壊れている箇所があるとか漏れている箇所があるとかなんじゃないかしら? これが古の時代に作られた代物である以上、長い年月の間にどこかしらそうなっていたとしてもおかしくはないわよね?」

 私がそんな風に推測を口にすると、リリアは納得の表情を見せた。

「なるほど。たしかにそうですわね。というより、むしろ半ば放置状態であったわけですし、完全な状態のままになっている方が不自然かもしれませんわね」

 

「そうじゃな。70%も供給出来ておれば状態が良い方じゃと言えるのぅ」

 そう言ってウンウンと首を縦に振るクレリテ。

 そしてユーコが「たしかにそうですね」と同意しつつ、

「まあ、あの門を再起動させる為に必要なエネルギーが、70%の供給率で足りるのかどうかというのは気になりますが……」

 というもっともな疑問を口にする。

 それに対し、

「それは行ってみれば分かるってものだ。早速行ってみるとしよう」

 と、これまたもっともな返答をする蒼夜。

 

 私たちは特に異論もなかったので、それに頷き、例の場所へと向かう。

 さて、どうなっているのやら……ね。

実の所、この辺りは以前行った『プロット全体の調整』で大きく調整していたりします。

以前のままだとテンポが悪すぎたので、テンポ重視で調整したのですが……ちょっと進行が粗くなってしまった気もしています……


とまあそんな所でまた次回! 次の更新は、久しぶりに平時通りの間隔となりまして……8月25日(金)を予定しています!

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