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サイキッカーの異世界調査録(サーベイレコード)  作者: TOMA
第2部 黄金守りの不死竜と調査録 第2章 遙かなる古の遺産編
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第44話[Dual Site] ブロックキューブの先で

<Side:Akari>

「これはまた……とんでもない構造ね……」

 通路を少し進んで屋外に出た所で、そう呟く私。

 それに対し、

「床が全てブロックキューブで構成されているというは、なかなか斬新だな……。だが、どうみても先に進む道がないというか……明らかに途切れているな」

 なんて返事をしてくるロディ。

 

 そう、そこは巨大なブロックキューブを前後左右に連結したかのような形で通路が構成されているという、そんな場所だったのだ。

 そしてロディの言う通り、今、私たちが立っているブロックの正面は15ブロック先で途切れていた。

 左と右にもブロックが連なっており、歩いて進める状態になってはいるものの、左は11ブロック先で、右は7ブロックで、やはり道が途切れている。

 

「これ、所々に妙なオブジェがあるわね……」

 私が先刻作動させた光の道を作るオブジェに似た――といっても形は違う――物が、あちこちのブロック上に設置されており、明らかに何かありそうな感じだった。

 

「いかにも触れてくださいと言わんばかりのオブジェですね……」

「……まさか、あれに触れるとこの床――ブロックキューブが動く……とか?」

 ユーコに対して、私がそんな推測を口にすると、

「……正直、大いにあり得そうなんですよね……それ」

 なんてため息混じりに返事をしながら、頬に拳を当てるユーコ。

 そしてそのまま、頬を拳で軽く叩きながら、

「まあ……ちょっと試してみましょうか。おふたりは念の為、中に戻っていてください。私が動作させてきます。……もしブロックキューブが動いても、私なら浮いているので影響ありませんし」

 と、そんな風に言って一番近いオブジェへ向かって移動し始めた。

 

 私とロディはユーコの言葉に従う形で一度屋内へと戻り、そこからユーコの動向を伺う。

 

 ユーコは何事もなく一番近いオブジェへと到達。

 そのままオブジェへと手を伸ばす。

 するとその直後、オブジェが薄緑色に輝き、音もなくブロックキューブが動き始めた。

 

「……ホントに動くと驚くわね……。というか、よくもまあ、こんなもの作ったものね……」

「まったくだな。一体どういう考えで、こんなわけのわからんものを作ったんだ? って感じだ」

「うーん……。もしかしてパズルでもしたかった……とか?」

「まあ……リリアの言う、ここが一種の試練の場として使われていた……という説が正しいという前提で考えるのなら、その可能性は否定出来ないな……」

 私とロディがそんな話をしている間に、目に見える範囲にある幾つものブロックキューブが盛大に移動し、途切れていた場所に新たなブロックキューブが連結されて先へ進める状態になっていた。

 

「これ、どう動くかが不明瞭すぎるので、私がこのまま操作してみますね」

 戻ってきたユーコがそんな風に言って、再び別のオブジェに向かって移動し始める。

 まあたしかにここはユーコに任せておいた方が良さそうね。

 

                    ◆

 

<Side:Yuko>

 あちらのオブジェを動作させると、ここが途切れてしまう……

 こちらのオブジェを操作させると、向こうが途切れてしまう……

 

「少し、ややこしすぎやしませんかね……? これ」

 私は誰にともなくそんな愚痴を口にしつつ、オブジェに触れる。

 これで、先へ繋がるはず……

 

 直後、ブロックキューブが私の予想通りの動きをして、その先にある『浮遊島』へと繋がった。

 ふぅ……。これで、とりあえずあの島までの道は出来ましたね……

 一応、島を見ておきましょうか。何か建物がありますし……

 

 私は心の中でそう呟くと、島へと移動する。

 そしてそのまま、島の中心にある建物を覗いてみた。

 

「って、これは……」

 そんな声が自然と口から漏れる。

 でもそれは仕方のない事というものです。

 

 なにしろ、そこには私たちがこの空間に入ってくる時に使ったのと全く同じ『門』があったのですから……

RPGとかACTのラストダンジョン(ラストステージ)にたまにある、オブジェ(スイッチ)を操作すると床が現れたり消えたり、道が繋がったり途切れたりするアレです。

思ったよりも描写に文字数を要してしまったので、ここで区切りました……


さて、次の更新は平時通りの間隔となりまして……8月2日(水)を予定しています!(その次は、もしかしたらまた平時よりも1日多く間隔が空いてしまうかもしれません……)

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